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2014年02月12日
今回の都知事選で判ったことは、都内の自民公明の組織票、及びそのシンパの票が200万票程度あると云う事実だ。それに対抗し得る勢力も同数近くあるという事実でもある。小沢一郎が「負けていない」と言った趣旨は、そういうことだ。ただ、この自公勢力に対抗する勢力の団結は理屈上は成り立つが、実現は、ほぼ絶望的と考えておいた方が良いだろう。また、今回宇都宮候補が善戦したように見えるが、先回同様、共産党の組織票が基礎票として、7割を占め、残りが社民党とシンパによる得票と考えられる。
細川候補の陣営は、内部分裂などもあったらしく、一枚岩ではなかったが、細川、小泉と云う連帯が示した「脱原発」と「腹七分目の共生社会」の主張にシンパシーを感じた都民の浮動票と考えてよい。(一部に感情のフックに掛かっている人々も混じっていたが)組織票なしで90万票はかなりの票数であり、愕然となる必要はない。田母神候補の60万票も浮動票である点は同じだが、感情のフックに釣り上げられた人々(寄る辺なき民)と漫画やネット社会の“面白いこと、暇を潰せること、憂さを晴らせる”の表現の場でもあったが、浮動票なのはたしかだ。
この東京都知事選における田母神候補の善戦は、遅れてきたネオナチの抬頭で、欧米では下火になっているが、日本も同じ運命を辿るかどうか、現時点で即断は出来ない。ただ、この「寄る辺なき人々」の層は、“国家戦略特区”の本格的稼働次第では、益々増加の一途をたどる可能性もあるので、要注意だろう。ブログランキングの傾向などを見ていると、安倍系ネトウヨ張り切りようは目を見張るが、田母神候補の60万票に勇気百倍になり、ネトウヨ勢力(嫌中・嫌韓)の動きが一層勢いを得ている。人気ブログランキングを参照すると、ベスト30の内、26サイトが嫌中・嫌韓などを主張するネトウヨ系で占められている。植草氏のブログが必死で10位をキープするのがやっとの状況だ。
リアルの世界では、既得権益勢力の復権は着々と進行しており、政治家と官僚がタッグを組んで、パラダイムをシフトさせるわけにはいかない、と勢いを増し、NHKを含む、殆どのマスメディアまでを無言、有言の圧力支配も功を奏している。現時点で、状況を判断すると、世の中は益々悪い方向に流れていきそうだ。勿論、田母神支持票がイコール保守層とみるのは間違いで、若い世代の怒りのはけ口と云う要素も考慮すべきだ。もっとも、若い世代の怒り層が増えるのは当面自明なので、この層を吸収できると田母神的存在も無視できなくなる。
ネットのない時代であれば、世の中で“ケンモホロロ”な扱いを受けている層は、政治への無関心に向ったが、ネット社会においては“怒りのはけ口化”する可能性はかなりある。北アフリカ諸国で起きたツィッターFB革命と同じ原理の行動だが、その方向性が日本では、個人の自由とか民主主義への希求ではなく、ヤケクソや怒りのはけ口として、他人や他国を誹謗中傷し、悦に入る層に求心されるのである。
政治家・官僚・マスメディアのタッグと経済界が同心円運動を重ねれば、既得権益勢力温存と労働者の使い捨て行政は、勢いを増すのは確実だ。安倍政権が主張する“国家戦略特区”は見せかけの「第三の矢」であり、経済成長に必要不可分な“既得権益改革”に踏み出すことはないのも判っている。ただ、“国家戦略特区”における労働者の地位だけには、改革が起きるだろう。上に行くのではなく、下に行く改革がだ。単純労働者の外国人労働者への門戸が開かれれば、現在の派遣労働者だけではなく、日雇い派遣も、地位の低下を招くであろう。
上述のような連想を重ねると、「寄る辺なき人々」の層が分厚くなることは十分に考えられる。無関心層に向かえばまだしもだが、怒りの層に向かえば、トンデモナイ政党の力が急伸する可能性さえ捨てきれない。そのような層が勢いを得てしまったとき、右巻きの保守政権であっても、取扱いに苦慮するに違いない。安倍政権のファシズム志向は「ファシズムごっこ」だが、この「寄る辺なき人々層」の行動原動力は“怒りと憂さ”であり、彼らには失うものがない。既に命と肉体と感情以外は奪われているのだから、「寄る辺なき人々層」が25 %を超えた時は、手が付けられないかもしれない。
なんだか、ひどく暗い話になってきたので、AERAの連想的希望の記事でも紹介して、本日の締めにしておこう。
≪ 終わらない「小泉劇場」 官邸がおびえる小泉元首相の「次の一手」
元首相連合が参戦した17日間の東京都知事選は、2月9日の投開票で終わりだが、小泉氏が仕掛けた「脱原発」ムーブメントは、まだ序章にすぎない。(編集部 鈴木毅)
* * *
「脱原発」は地方選挙の争点になりうるのか──東京都民の考え方が問われた都知事選が終盤を迎える頃、新たな注目選挙が幕を開けた。安倍晋三首相のお膝元である山口県で6日、知事選(23日投開票)が告示されたのだ。
年明けに山本繁太郎前知事が病気辞職したことに伴うこの選挙には、元総務官僚の村岡嗣政氏(41、無=自民・公明推薦)、元衆院議員の高邑勉氏(39、無=生活推薦)、前山口県周南市議の藤井直子氏(61、共産)の新顔3人が立候補を届け出た。
●脱原発で山口入り!?●
地元の自民党関係者が言う。
「県内では、病気で辞職した前知事に『志半ばで可哀想に』と同情する声が大きい。ご存じのように保守王国ですから、大勢が動くようなことはないでしょう。 とはいえ、自民の後継候補は山口出身ですが、ずっと東京にいたような人。選挙戦としては盛り上がりもなく、低調な滑り出しです」
しかし、この粛々と進むはずの選挙が、「脱原発」の次なる主戦場になるかもしれない。地元で計画中の上関原発(中国電力)建設の是非が、争点に浮上する可能性があるのである。
脱原発を前面に掲げる高邑氏は元民主党議員で、今回の都知事選で細川護煕元首相擁立のキーマンとなった木内孝胤・前衆院議員と当選同期。しかも、ともに メリルリンチ日本証券出身という関係にある。まさに、都知事選と同じ「原発推進派の自公陣営」 vs.「脱原発陣営」という構図だ。
「注目は、やはり小泉純一郎元首相の動向です。都知事選では原発ゼロを掲げて細川氏と一緒に都内を駆け巡りましたが、当初、ピンポイントの応援を考えていた陣営に対し、『全部まわる!』と決めたのは小泉氏本人。連日の演説を聞いてもわかるように、彼は本気です。しかも選挙が進むにつれて、いよいよ生き生き としてきた。この勢いのまま小泉氏が脱原発候補の応援に山口に入るのではないかと、官邸は警戒心を強めています」(政治記者)
●舛添氏を抜いた瞬間●
確かに、都知事選が終わって、急に小泉氏がおとなしくなるとは考えづらい。一度スイッチの入ったこの男を止めることはできないからだ。 都知事選で苦戦したとはいえ、もともと小泉氏は、決して“常勝”ではない。思い起こせば、小泉氏は自民党総裁選に3度目の挑戦で勝利し、首相になった。 無謀だと言われながら出馬した前の2回では大敗。首相時代の国政選挙でも、あの郵政選挙で大勝したインパクトは大きいが、参院選などでは民主党に苦杯をなめている。そう、小泉氏の真骨頂は、思いを定めたときの“しつこさ”にある。
今回の都知事選で明らかになったのは、いまだ小泉人気が健在であることだ。細川氏と行脚した街頭演説は連日、数千人を集め、どこも大盛況。投開票前の最 後の日曜日となった2日の銀座では、安倍首相と公明党の山口那津男代表という与党ツートップが舛添要一氏の応援に立ったが、同じ場所に入れ替わりで登場した細川・小泉陣営のほうが圧倒的な聴衆を集めた。
メディアなどの情勢調査では、一貫して細川氏の劣勢が伝えられたが、なぜこんな“ねじれ”が起きたのか。実は、調査の数字をよく見ていくと、浮かび上がってくることがある。
「細川陣営では、メディア担当だった上杉隆氏のところで、昨年末から定期的にインターネットで支持傾向を調査してきた。その結果を分析すると、都知事選はもっと優位に進められたはずでした」(細川陣営関係者)
その数字は一目瞭然だ。年末から年明けにかけて舛添氏10%弱、細川氏1〜2%という結果だったのが、1月14日に細川・小泉両氏が会談して出馬表明した直後の調査では、舛添氏19%、細川氏15%まで迫った。
「間違いなく小泉効果です。元首相2人が並んだ映像がメディアで流れ、完全に舛添 vs.細川の2強対決の形ができあがった。陣営では細かな調査データをもとに、細川さんの知名度が極端に低い20代女性を特に意識して、ネット戦略などの 対策を立てた。さらに小泉さんの息子、進次郎氏の『舛添氏を応援しない』発言もあって、一気にボルテージが上がった。この後の予備調査では、舛添氏を抜いた瞬間もあったのです」(同前)
●官房長官の情報戦●
この時点で細川・小泉陣営の勢いを知った官邸は、かなりの焦りをみせていた。菅義偉官房長官と政治部記者たちとのオフレコ懇談での発言が、それをよく表している。
「(細川陣営には)木内とか馬渡(龍治・元衆院議員)とか、不完全燃焼したやつがついているだろう。今の取り巻きはそんなもの。負ける気がしないね」
官房長官が、わざわざ都知事選についてこんなコメントをするのは異例中の異例だ。というよりも、翻訳すれば「細川陣営にはロクな奴がいない。君たちも騙されるなよ」というメッセージにほかならない。別の細川陣営関係者が言う。
「これも情報戦の一端。官邸は、自民党議員や内閣情報調査室などを使って細川陣営の情報収集をしていた。信頼できるスジから『選挙資金で警察が狙っている から気を付けろ』とも忠告されました。メディアも、こうした官邸の意向を忖度したのでしょう。結局、告示後の数字は再び開いて、舛添氏18%、細川氏9% のダブルスコアに引き離されてしまったのです」
郵政選挙であれほどヒートアップしたテレビ各局は今回、「公正な報道」という大義名分のもと、小泉氏の存在を徹底的に無視し、「小泉隠し」にまわった。代わりにコメンテータたちは、細川氏の「政治とカネ」問題を執拗に指摘する。
そこでブレ始めたのが、細川陣営だった。強まるネガティブキャンペーンに、陣営は選挙方針をめぐって分裂し、それまで距離を置いていた民主党や労働組合 に支援を要請する始末。1月31日夜、細川・小泉両氏がそろって国会議事堂前の反原発デモに参加した際の一幕が、その混乱ぶりを象徴していた。
「細川さんは壇上に立って演説する予定でしたが、ギリギリになって陣営スタッフが反対したのです。電力系労組に気を使ったのでしょう。結局、細川さんはマイクも握らず、下から聴衆に大声で呼びかけるだけ。小泉さんは『しゃべれないなら、オレがいる必要はないな』と、さっさと車に乗って行ってしまった。腹が 据わらない細川さんに、さすがにイラついた様子だった」(細川陣営幹部)
本来だったら小泉人気をうまく使って、リベラル層から保守層まで幅広く支持を広げることができたはずである。それが、陣営の方針が定まらないまま、迷走に迷走を重ねた。
●7月の滋賀、11月の福島●
もっとも、「脱原発」選挙の本番は、むしろこれからといえるだろう。冒頭の山口県知事選の後にも、3月には志賀原発(北陸電力)が立地する石川県で知事選(2月27日告示、3月16日投開票)があり、7月には滋賀県知事選もある。2012年末の総選挙で日本未来の党を率いた嘉田由紀子知事の再出馬は未定 だが、おのずと原発が争点になるのは間違いない。
さらに11月には、福島第一原発事故の現場である福島県知事選も予定されている。国政選挙は2年後の参院選までないとみられるが、地方では「脱原発」をめぐる重要選挙がめじろ押しなのだ。
「こうした選挙に小泉さんが応援に駆け付ける可能性は、多分にあります。もちろん最終的に本人次第ではありますが、少なくとも福島では何かしら仕掛ける用 意がある。小泉さんが『脱原発』を掲げて全国の選挙を行脚することにでもなれば、一刻も早く再稼働を進めたい政権にとって“悪夢”というほかないでしょう ね」(小泉氏周辺)
安倍政権は都知事選の終了を待ち、原発推進を明記する「エネルギー基本計画」をさっそく閣議決定する方針だ。選挙期間中の原発論争を封印するために、予定されていた1月から延期した代物である。安倍首相は1月28日の衆院本会議で、「そう簡単に原発をやめるわけにはいかない。(再稼働について)徹底的に検討する」と答弁した。都知事選では議論を避けながら、着々と再稼働に向けて駒を進めているのだ。
その先には安倍首相がこだわる集団的自衛権の解釈変更、武器輸出3原則の撤回、憲法改正、教育改革といった“タカ派路線”の政策が待っている。これらは、すべて一本の線でつながっている。こうした“安倍色”が不安にさせるのは、そこに「人よりも国家」といわんがばかりのギラついた「国家主義」が見え隠れするからである。 国の方向性を問うのは国政選挙だけではない。一つ一つの地方選挙で民意が問われている。 ≫(AERA)
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