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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140212-00000020-pseven-soci
週刊ポスト2014年2月21日号
安倍晋三首相の母で故・安倍晋太郎元外相の夫人、洋子さんが、後援者らに首相の後継者として甥の寛人(ひろと)氏が決まったと明かした。寛人氏は首相の兄・ェ信氏の長男で現在、23歳。昨年、慶應義塾大学法学部を卒業し、現在は同大学ロースクールの1年生だ。
安倍家や後援会サイドから、都知事選のさなかというタイミングで後継者決定情報が流れた背後には、家庭内の事情だけではなく、政治的な意図が込められているという見方がある。都知事選は原発推進の安倍首相が支援する舛添要一氏と、「脱原発」を掲げる小泉純一郎・元首相が推す細川護熙氏の対決となった。
当初、安倍首相は「総理が地方選の応援に出ることはない」(側近)と小泉氏との応援対決を避けてきたが、選挙戦終盤に舛添氏の優勢が揺るがないと見るや、途端に街頭での応援演説に立ち、「都民が一番関心があるのは(原発ではなく)社会福祉政策だ」と訴えて小泉氏への逆襲に出た。
安倍家には小泉父子への対抗意識があると指摘するのは自民党ベテラン議員だ。
「官邸は小泉元首相の反乱に加えて、息子の進次郎氏にも舛添氏への応援要請を拒絶され、小泉父子に煮え湯を飲まされたという思いが強い。しかも、進次郎氏は党内の多くが、『将来の総理・総裁』と期待するホープであり、党青年部の若手議員たちから厚い信頼を得ている。
首相にすれば、いくら都知事選で小泉元首相に勝ったといっても、いずれ自分に弓を引いた進次郎の時代が来るという焦りがある。ゴッドマザーの洋子さんにも、後継者がいないままでは安倍家は小泉家に勝てないという複雑な思いがあるようだ」
だからこそ、ここにきて安倍家の跡継ぎ情報が流れたのは、「安倍家が寛人氏を進次郎氏に対抗する“次世代の自民党のプリンス”に育てようとしているのではないか」(同前)というのだ。それだけではない。
安倍晋太郎氏の番記者を長く務めた政治ジャーナリストの野上忠興氏が語る。
「山口には林芳正・農水相という安倍・岸家(安倍首相の祖父・岸信介元首相の家)の強力なライバルがいる。林氏は参院から衆院への鞍替えを希望しており、地元では『安倍の次は林』という待望論が強いのは事実。安倍家が地盤を守るためには新星のような後継者を出さなければならないという事情もあるのではないか」
安倍家の若き後継者は、前門に小泉進次郎氏、後門には林芳正氏というライバルと戦わなければならない宿命を負っているようだ。
当の寛人氏は何を思うのか。自宅のインターホン越しに取材趣旨を伝えると、母親と思しき人物が、「留守番の者なので何もわからない」と繰り返すばかりだった。“安倍家4代目”のお披露目はいつになるのだろうか。
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