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【秘密保護法 言わねばならないこと】 (14)歴史家、検証できぬ 作家 半藤 一利氏
東京新聞 2014年2月12日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014021202000122.html
特定秘密保護法によって「秘密指定」の期間が事実上の無期限となれば、時の政府が何を考え、どう動いたのか、後世に教訓とするための検証が不可能となる。歴史をやる人間にとっては、あり得ない話だ。
参院での審議時間は二十二時間。郵政民営化関連法の九十三時間や改正教育基本法といった過去の重要法に比べると、あまりにも短い。これにもっと国民は怒るべきだ。
安倍晋三首相は防衛問題に妙なこだわりがあるようだが、それが次から次へと変な法律を生んでいくのでは、と思う。首相は「言論の自由や知る権利を侵すものではない」と言うが、政権が代わった後もそうであるという保証はない。しかも、戦時中に出たさまざまな法律も、当時の政府は議会答弁で同じようなことを言っていた。
秘密保護法の本質は「お上が決めた情報だけを報じればいい」だ。戦前も一朝一夕のうちに戦争へ進んだわけではない。しかし、新聞は政府が認めた情報しか伝えなかった。多くの国民にとっては、いつの間にか米英との戦争へ突入していった。
今回、新聞記者の皆さんも当初は、あまり危機感を持たなかったのではないか。いわんや雑誌ジャーナリズムは「それは何ですか」という感じだった。野球ならば九回裏ぐらいまで試合が進んでから、やっと大騒ぎしたという印象だ。
国民主権の根源は、言論の自由だ。それが失われるとしたら、心の底から恐ろしさを感じる。「国家権力」という言葉が新聞から消えている。マスコミは萎縮せずに頑張ってほしい。
はんどう・かずとし 1930年生まれ。作家。「ノモンハンの夏」「昭和史」など、近現代史の著作多数。
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