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布施 祐仁
@yujinfuse
よりましな政治を実現するために、小異をいったん置いて大同に就き、候補者を「一本化」するということはあることだ。しかし、片方が「原発ゼロ」以外に政策も出していない段階で、政策のすり合わせもできないのに、一方的に「元首相の方が勝てるから降りろ」というのは、あり得ない話だった。
しかも、それをこちら側が断ったら、「一本化」を求めて動いた人たちは細川支持を表明した。細川氏は基本政策すらまだ発表していなかったにもかかわらず、だ。このころの彼らの宇都宮氏に対する言葉は失礼なものが多かった。一言でいうと「知名度のない宇都宮では勝てない」ということだった。
僕は、この言葉は宇都宮氏だけでなく、無名の我々にも向けられていると感じた。「無名なやつらは出る幕なし」と馬鹿にされているような気持ちになった。これで闘志に火が点いたのは宇都宮氏だけではなかった。でも僕だって悩まなかったわけじゃない。舛添を勝たせないために何がベストか真剣に考えた。
しかし、一般論としてどんなに一本化が望ましくたって、基本政策での一致なき一本化はあり得ない。それに、そもそも細川氏に一本化の意思はまったくなかった。理由は、小泉と組みさえすれば空中戦だけで勝てると考えたことと、共産党が推薦する宇都宮とは組めないということだったと僕はみている。
細川氏に一本化の協議をする意思がない、つまり政策のすり合わせをする意思がないにもかかわらず、一本化を求める人たちは一方的に宇都宮では勝てないから降りろと言った。これまで長年、社会運動をやってきた人たちがこういう行動をとったことに、正直、驚きを禁じ得なかった。
告示日前夜に細川氏が出馬会見をし、基本政策の中に国家戦略特区の活用や規制緩和の推進が入っているのを確認した時、細川氏との一本化などそもそもあり得なかったのだと理解した。一本化を求めた人たちは、これまでこうした新自由主義的政策に反対してきた人たちだ。
彼らは、宇都宮氏に降りろと言うだけでなく、細川氏に、こうした新自由主義的政策を取り下げるように働きかけたのだろうか。社会運動をやってきた立場で一本化を目指すというのは、そういうことではないか。それもなく、勝手連として細川氏の応援に乗り出したことに、さらに驚きを禁じ得なかった。
「新自由主義がどうだとか、言ってる場合じゃない」という鎌田慧氏の発言に象徴される、脱原発の都知事が実現さえすれば、あとは何でもいいという立場を、我々が共有できるはずがなかった。国家戦略特区や新自由主義の問題はまさしく、原発と同様、命の問題だからだ。
あと、細川氏が知事になることが「安倍政権を倒す最後のチャンス」的な言説もまったく理解できなかった。確かに、自公が推す舛添氏が敗れれば安倍政権にとっては打撃にはなるだろうが、それで政権が倒れるわけではない。それに、細川都政が安倍政権と対峙するのは原発政策だけの可能性もあった。
これでは、安倍政権にとって、政権崩壊につながるほどの打撃にはならないだろう。仮に宇都宮氏が知事になっても、それで政治の潮目に変化をつくれたとしても、すぐに安倍政権が倒れるわけではない。結局は、世論と社会運動の圧力がなければ、任期前の政権打倒は実現しない。
安倍倒閣運動には、脱原発、消費税増税反対、改憲反対、社会保障改革反対、TPP反対、辺野古移設反対など様々なイシューの社会運動が合流する必要がある。本当の「チャンス」は、この運動の中にこそある。運動の力を信じていれば、選挙が「最後のチャンス」という言葉は出てこないはずである。
宇都宮氏が、他の候補者のように著名人の応援がほとんどない中で、2位という結果を残したことは、無名の庶民が主役となる社会運動のパワーと可能性を示したとも言える。僕たちは、ここに依拠して、前を向いて進んでいくしかない。社会を変えるのは、著名人ではなく、僕たち一人ひとりの行動なのだ。
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