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2014年02月10日(月) 田崎 史郎 現代ビジネス
東京都知事選は元厚生労働相・舛添要一が前日弁連会長・宇都宮健児、元首相・細川護熙、元航空幕僚長・田母神俊雄らに大差をつけ、圧勝した。結果だけ見れば凡戦だったが、元首相・小泉純一郎が細川に加勢したことで一気に注目が集まり、舛添勝利を信じていた自民党も一瞬、ヒヤリとした。
しかし、この戦いを制したのは調査データを重視して候補者選びを進め、細川・小泉の動きをいち早く察知した官房長官・菅義偉と、菅と連携し選挙戦を指揮した自民党幹事長・石破茂だった。
■独自調査と情報網で精度高まる自民党の世論分析
前東京都知事・猪瀬直樹が5000万円資金提供問題の責任を取って辞任したのが昨年12月19日。この日以降、自民党は週末ごとに党独自の世論調査を実施した。調査対象を普段より多い3000サンプルとし、調査した候補者は最初、14人だった。
昨年暮れの調査で前衆院議員の元宮崎県知事・東国原英夫が支持を失っていること、首相・安倍晋三が挙げた厚労事務次官・村木厚子や自民党女性議員らが極めて低い支持にとどまっていることが分かった。
ダントツの1位は常に舛添だった。自民党は国政選挙の時に用いているオートダイヤル・自動音声システム、つまりコンピューターが作り出した番号に電話し、録音した音声で質問、調査対象となった人はプッシュホンで答える方式の調査を毎週実施。世論調査を実施している公明党と情報交換するとともに、マスコミの調査も入手し、対策を練った。
自民党の調査は精度が高まり、選挙戦において重要な「武器」となっている。
こうした情報はメールでただちに安倍、菅、石破らの元に届けられた。菅には、他の候補者が実施した調査結果まで入ってきていた。菅はデータを最重視し、そのデータと常に磨いている「カン」とを照らし合わせながら方針を固めていく。そして、昨年暮れのうちに舛添との接触を済ませた。
菅はさらに、細川が小泉の支援を受けて立つという情報も昨年暮れに得ていた。そして、安倍とも協議し「ほおっておく」方針を固めた。小泉は稀代のケンカ上手。下手に反応したなら燃料を投下するようなもの、かえって勢いづかせることを2人とも知っていた。
■「小泉効果」と「脱原発世論」を過信した細川陣営
菅は事細かに石破と連絡を取っている。石破も舛添が最適との判断だった。だが、菅と石破が突出すれば、東京都連の反発を招く。1991年の都知事選で、自民党幹事長だった生活の党代表・小沢一郎が磯村尚徳擁立を主導し、都連から激しい反発を受けて敗北した愚は犯さなかった。
実際の選挙戦は石破が仕切った。党所属の衆参両院議員に1人当たり100人以上の紹介者名簿を提出するよう要請、98%の議員が応じ、約10万人の名簿が集まった。舛添支持には大義がないと批判していた内閣府政務官・小泉進次郎は名簿を出さなかった。都議には500人集める集会を開くよう指示した。
「細川・小泉連合軍」が結成されなければ、自民党はこれほどの全面支援態勢を敷かなかっただろう。細川と小泉がタッグを組み、「脱原発」を争点に据えたことで、安倍政権にとっては負けられない戦いとなった。政権が一気に真剣勝負モードになったのに対し、細川陣営は「小泉効果」と脱原発の世論の盛り上がりを過信した。
首都決戦を政権側が制したことで、安倍は世論の支持を背景に政権運営を進めることができるようになった。政権運営において時々、目新しい実績を国民に示さなければ、支持を失っていく。安倍は今回、推進力を得た。具体的には4月以降に計画している原発再稼働を進めやすくなった。
また、国会運営においても有利に働くようになるだろう。失敗したのはまたしても野党第1党の民主党だったからだ。民主党は舛添支持から細川支持に切り替え、わざわざ勝ち馬から負け馬に乗り換えた。
(敬称略)
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