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2014.02.10
昨日、2月9日の日曜日に投開票だった「東京都知事選挙」は、もう皆さんご存知の通り、自民党東京都連と公明党東京都本部が推薦した舛添要一氏が、毎度おなじみの自民党と公明党の組織票で当選した‥‥ってワケで、まずは、全候補者の得票数と得票率を見てみよう。
舛添要一 211万2979票 (43.4%)
宇都宮健児 98万2594票 (20.2%)
細川護熙 95万6063票 (19.6%)
田母神俊雄 61万0865票 (12.5%)
家入一真 8万8936票 (1.8%)
ドクター・中松 6万4774票 (1.3%)
マック赤坂 1万5070票 (0.3%)
鈴木達夫 1万2684票 (0.3%)
中川智晴 4352票 (0.1%)
五十嵐政一 3911票 (0.1%)
姫治けんじ 3727票 (0.1%)
内藤久遠 3575票 (0.1%)
金子博 3398票 (0.1%)
松山親憲 2968票 (0.0%)
根上隆 1904票 (0.0%)
酒向英一 1297票 (0.0%)
‥‥そんなワケで、今日は「いかがお過ごしですか?」は割愛して先へ進むけど、この結果を見れば一目瞭然、当選した舛添要一氏は、2位の宇都宮健児氏や3位の細川護煕氏にダブルスコアを付けるという圧勝で、選挙期間中、どこで演説をしても2〜30人しか集まらなかった舛添氏の閑古鳥状態からは想像もできない得票数となった。これは何と言っても「46.14%」という投票率の低さが最大の原因だ。2000年6月20日、当時の森喜朗首相は、新潟市内で行なった衆院選の演説で、次のように述べた。
「(世論調査によると)まだどこに投票するか決めていないとか選挙に関心がないとかいう人が40%くらいいて、これは大変に大きい数字だ。こういう無党派層が最後の2日前くらいになってどういう投票行動を取るか、これで大勢が変わってしまうこともあるので(世論調査の結果だけで)一喜一憂してはいられない。こういう人たちは投票など行かずに、そのまま家で寝ててくれればいいんだけどね」
自民党と公明党には「選挙になれば必ず自民党の候補者に投票する」「必ず公明党の候補者に投票する」という組織票があるから、投票率が低くなればなるほど有利になる。だから「無党派層は投票など行かずに家で寝ててくれればいい」ってワケで、今回の都知事選では、東京の有権者の半分以上が家で寝ててくれたお陰で、自民党と公明党の推薦する舛添氏が圧勝できたってワケだ。
ちなみに、東京の自民党と公明党の組織票は合せて150万〜180万票と言われてるので、最低の150万票として計算しても、舛添氏の得票数の約211万票のうち、70%以上が組織票ってことになる。つまり、特に自民党や公明党を支持してるワケじゃないけど、今回の候補者の中で舛添氏が東京都知事に最もふさわしいと判断して、自発的に積極的に投票したのは、得票数の30%以下、約61万票ってことになる。
あれ?この数字、どっかで見たことあるぞ?‥‥って思った人は記憶力がいい。そう、この約61万票って数字は、4位の田母神俊雄氏の得票数とおんなじだ。田母神氏の場合は、舛添氏のように組織にオンブにダッコじゃなくて、大半が積極的に投票した本物の支持票だろうから、もしも自民党と公明党の組織票がなかったら、舛添氏は田母神氏と「3位争い」をしてたことになる。
‥‥そんなワケで、前々回の都知事選で後出しジャンケンをした石原慎太郎氏が4選を果たした時、当確と同時に会見で真っ先に口にしたのが、「公明党の皆さんに感謝します」という言葉だった。普通なら一般の支持者にお礼を言うとこなのに、石原慎太郎氏は、公明党の支持母体である創価学会の信者たちの組織票のお陰で当選できたことを誰よりも分かってたワケだ。
で、今回も、夜の8時の開票とともに舛添氏に当確が出たワケだけど、舛添氏は石原氏よりも多少は知恵があるのか、自民党や公明党へのアカラサマなお礼は口にせず、「ひたすら政策を訴え、他のどの候補よりも広域を回り、もっとも多くの都民と対話をしたことが勝因だと思います」だなんて、噴飯モノの大嘘をノタマッた。だって、どこで演説をしても2〜30人しか集まらなくて、あまりにも人が少ないからって写真撮影を禁止にしたほどだったのに、何が「もっとも多くの都民と対話をした」だよ(笑)
ま、そんなことはともかくとして、とにかく自民党と公明党の組織票に勝つためには、全体の投票率を上げるしかなかったから、あたしはセッセと呼び掛けをした。「そうだ、選挙、行こう。」のネット用ポスターを作ったり、東京の友達や知り合いにカタッパシからメールしたり、ツイッターで呼び掛けたり、できることをいろいろやってみた。他にも、多くの有志たちが呼び掛けをしてくれた。だけど結果は、「46.14%」という、東京都民でいることが恥ずかしくなるほど低い投票率だった。
ゆうべの文化放送の「選挙特番」では、加納有沙アナが新橋のサラリーマンたちに「誰に投票したか?」というインタビューを行なったんだけど、5人のサラリーマンに質問して5人全員が「投票には行かなかった」と回答した。そして「どうして投票に行かなかったのか?」との質問には「(自分が投票に行っても行かなくても)どうせ舛添さんが当選するだろうから」との回答。それも、お酒に酔ってヘラヘラ笑いながらの回答だったので、あたしはぶん殴りたくなった。そして、あたしに言わせれば、東京の有権者の半分以上の人たちは、この酔っ払いと一緒なのだ。
もちろん、やむにやまれぬ事情で投票できなかった人もいるかもしれないけど、そのために期日前投票があるワケだし、東京にいない場合には、あたしみたいに投票用紙を送ってもらって、全国どこにいても不在者投票ができる。今回は土曜日に大雪が降ったけど、大雪が降ることは2日くらい前から予報が出てたんだから、木曜日か金曜日に期日前投票に行くこともできたし、日曜日の当日だって午後からは雪が解けて道路は歩けるようになったはずだ。
だから、投票に行かなかった人たちの大半は、この酔っ払いとおんなじで、「どうせ舛添さんが当選するだろうから」って考えた人たちか、選挙自体にまったく関心がない人たちだってことだ。ネット上では、「どうして投票に行かなかったのか?」という理由の中に「雪ダルマを作るので忙しかったから」という回答まであって、あたしは言葉を失った。文化放送の「選挙特番」では、選挙結果を受けての被災地の人の声も紹介してたんだけど、あたしは、都民の1人として、ホントに申し訳ない気持ちになった。
被災地の人の声「首都である東京の首長選は被災地の復興にも影響するので私たちも注目していましたが、あまりの投票率の低さに驚いています。これでますます東京との距離を感じるようになりました」(文化放送の選挙特番)
‥‥そんなワケで、2011年の都知事選で4選を果たしたした石原慎太郎氏は、就任からわずか1年半で「国政に進出する」という自分勝手な理由で都知事のイスを無責任に丸投げした。そして、石原氏の辞職にともなって行なわれた2012年の都知事選で初当選した猪瀬直樹氏は、就任からわずか1年で「政治とカネ」の問題で辞任に追い込まれた。本来なら4年ごとに行なわれる都知事選が、3年間に3回もあったんだから、もうウンザリしてる有権者も多いだろう。だけど、選挙のたびに30億円だの50億円だとのいう莫大な都民の税金が使われるんだから、有権者はキチンと投票に行って都民としての責任を果たしてほしい。東京の有権者の半分以上が投票に行かないということは、東京の有権者の半分以上が「自民党と公明党の決めた候補者で構いません」と白紙委任状を渡した状態ということ。それならカネのかかる選挙なんかやめちまって、次からは自民党と公明党の選んだ候補者を自動的に都知事にすりゃあいい!‥‥なんて思った今日この頃なのだ。
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