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思想信条の自由を理由にして安倍首相の「お友だち」がNHKで特定の思想信条を国民に押しつける
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201402090000/
2014.02.09 櫻井ジャーナル
いかなる人にも思想信条の自由は認めなければならない。そうした自由を認めないとしているのが安倍晋三首相や彼を担いでいる人びとだ。教育への介入強化、「日の丸」や「君が代」の強制はその一例。人びとが判断するために必要な公的な情報を官僚の都合で際限なく制限できることにした特定秘密保護法も思想信条の自由を国民から奪うものだと言える。
前にも書いたが、日本では「愚民化政策」が推進されている。「教育」や「報道」の力を使い、「エリート」の暗示に従って行動するような人間、お仕着せの「思想信条」を受け入れ、自分自身は考えない人間、「エリート」のために命を投げ出す忠実な下部を育てようというわけだ。そうした忠実な下部を「エリート」は「愛国者」と表現する。
かつて、日本の支配層は「愛国者」を操るため、彼らが心地よく侵略に協力できるように「大東亜共栄圏」なる物語を作り出した。一種の幻術だが、敗戦から69年を経た現在でもこの幻術から抜け出せない人も少なくない。その中には公的な役職に就いている者もいる。
例えば、安倍首相が任命したNHKの経営委員。昨年11月に小説家の百田尚樹、日本たばこ産業顧問の本田勝彦、12月に埼玉大学名誉教授の長谷川三千子、海陽学園海陽中等教育学校長の中島尚正が新たに任命され、中島と長谷川と一緒に九州旅客鉄道会長の石原進が再任された。この5名を含む12名で構成される経営委員会によって選任されたNHK会長があの籾井勝人。「従軍慰安婦」は「どこの国にもあったこと。」と根拠もなく言い切った御仁だ。
この籾井に続き、世界から驚かれる発言をしたのが百田。都知事選に立候補した田母神俊雄元航空幕僚長を応援しているのだが、その中で極東国際軍事裁判(東京裁判)について、東京大空襲や原爆投下を「悲惨な大虐殺」を「ごまかすための裁判だった」と語り、南京大虐殺も否定したという。
1937年12月に日本軍が南京を攻略する際に住民を虐殺したことは日本軍も認めていること。証拠や証言も残っている。当時、特務機関員として南京の周辺で活動していた人物も、虐殺があったことは間違いないと話していた。
支那派遣軍の岡村寧次総司令官は部下からの報告に基づいて「南京攻略時、数万の市民に対する略奪強○等の大暴行があたのは事実」と書き残し、虐殺の責任を問われて極東裁判で死刑が言い渡された中支那方面軍司令官兼上海派遣軍司令官の松井石根は師団長クラスの退廃ぶりを嘆いていた。
この攻略戦を実際に指揮していたのは松井でなく、上海派遣軍司令官だった朝香宮鳩彦(昭和天皇の叔父)だと言われている。つまり、この件で有罪判決を受けて処刑された松井は冤罪だったといえるかもしれないが、だからといって南京大虐殺が「幻」だったことを意味するわけではない。松井は朝香宮の身代わりとして殺された可能性が高いということだ。
つまり、極東裁判はアメリカ軍の「悲惨な大虐殺」を「ごまかすための裁判だった」わけではなく、日本とアメリカを結ぶ「深層海流」を隠し、「天皇制」を維持することが目的だったと考える方が合理的。皇族を守る、つまり戦前から続くウォール街と日本の支配層との関係を隠し、天皇制を維持することにあったと考えるべきだ。(この件に関しては本ブログで何度か書いているので、ここでは割愛する)
この裁判で戦争の最高責任者、昭和天皇の身代わりになったのが東条英機だ。日本国憲法は慌てて作った理由もおそらく天皇制の維持にある。連合国の内部には、天皇に対して厳しい意見を持つ人が少なくなかった。
百田は小説家であり、妄想は職業上、必要なことなのかもしれないが、埼玉大名誉教授で哲学者だという長谷川には当てはまらない。この長谷川は「大悲会」の会長だった野村秋介への追悼文を昨年11月に書いている。
野村は1993年10月に朝日新聞東京本社の応接室で拳銃自殺した人物。この野村について長谷川は、「人間が自らの命をもつて神と対話することができるなどといふことを露ほども信じてゐない連中の目の前で、野村秋介は神にその死をささげたのである」としたうえで、野村氏の自殺によって「わが国の今上陛下は(『人間宣言』が何と言はうと、日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神となられたのである」と書いている。
どうやら、この「哲学者」は、「人間が自らの命をもつて神と対話することができる」と信じているらしい。追悼文を書いたこと自体が問題なのではなく、こうした考え方、あるいは信仰の持ち主がNHKの経営委員としてふさわしくないだろうということだ。こうした人物を「名誉教授」にした埼玉大学の知的水準にも驚いてしまう。
野村が新聞社に銃を持ち込み、発射した真意は不明だが、マスコミへの脅しになったことは間違いない。その6年前、1987年に覆面をしたふたりが朝日新聞阪神支局の編集室に押し入り、散弾銃を発射して小尻知博記者を殺害、犬飼兵衛記者に重傷を負わせているが、この事件でマスコミ、特に上層部は完全に腰が引けてしまった。その出来事を野村の自殺は思い出させたであろう。こうした暴力による威圧を長谷川は賛美したということである。
議論ではなく暴力を前面に出しているという点で、長谷川は石原慎太郎元東京都知事とも似ている。石原は2011年3月、インディペンデント紙のインタビューを受け、日本は核兵器を作るべきだと主張、核兵器を持てば周辺の国々を恫喝でき、全世界に対して「強いメッセージ」を送ることになると語ったという。彼にとって、外交の交渉力とは核兵器なのだそうだ。
(注)○は楽天の規制による伏せ字。
文中リンク
NHK経営委員の百田氏が応援演説 都知事選
http://www.asahi.com/articles/ASG235VL1G23UTIL031.html
靖国神社は日本のアジア侵略を象徴する存在であり、A級戦犯の処刑は天皇制を維持するための儀式
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201401300001/
NHK経営委員:新聞社拳銃自殺事件を礼賛
http://mainichi.jp/select/news/20140205k0000m040180000c.html
Japan must develop nuclear weapons, warns Tokyo governor
http://www.independent.co.uk/news/world/asia/japan-must-develop-nuclear-weapons-warns-tokyo-governor-2235186.html
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