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2014年02月05日
さすがに安倍首相の稚拙な外交については危惧する意見が安倍支持者のなかからも出てくるようになった。
もはや安倍強硬外交では対中、対韓関係だけでなく、最大の同盟国である米国との関係もおかしくなりつつあるからだ。
その一つの例が、きょう2月5日の毎日新聞の倉重篤郎専門編集委員の論説「水説」で書いている「譲るための強さ」である。
その中で倉重氏は外交の要諦とは相手に51を譲り、こちらは49で満足する気持ちを持つことだと言う東郷茂徳元外相の遺訓を引用して譲歩の重要性に言及している。
このような例を出して安倍首相の外交姿勢をやんわり批判するしかないところに倉重委員の情けなさがある。
東郷茂徳外相が言ったと言う51対49の数字には特段の意味はない。
すべからく交渉は勝ち取るものと譲歩するものの兼ね合いだ。
有利な交渉であればもっと取れるし、不利な交渉であればもっと失う。
わざわざ元外相の遺訓などを仰々しく持ち出さなくても、誰でもわかる交渉の常識である。
しかしいまの安倍外交にはこのような交渉の常識がまったく通用しない。
なにしろ歴史の認識が根本的に間違っているからだ。
それは史実の理解が間違っていることだけではない。
日本は米・中・ソ連連合軍に戦争で負けたという、最も重要な歴史認識において間違っているのである。
安倍首相の言う通り戦後レジームを変えようとすれば、もう一度戦争するか、という事になるのだ。
いまはどの国もそのことを言わない。
それを言ったらお終いだからだ。
しかし、このままではいずれ誰かがそう言い出す。
安倍首相の歴史認識の間違いを改めない限り、中国はもとより米国やロシアとの関係はうまくいくはずがない。
中国や韓国の行き過ぎた外交攻勢でさえもそれを止めさせられない。
倉重氏を含め安倍支持者が助言すべ時は譲歩の必要性ではない。
安倍首相にその間違った歴史認識の撤回を求めるか、さもなくば安倍首相には辞めてもらうしかないと引導を渡す、その二つに一つである。
いまの安倍首相のままでは、勝ち取るものも勝ち取れない(了)
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