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2014年02月03日
ことごとくのマスメディアが、舛添候補の独走を伝えている。選挙序盤よりも盤石の勢いになっている、と報じるメディアさえある。細川、宇都宮が2,3位争いを演じ、4位に田母神が追走すると云う構図は、押しなべて同じだ。ネット上では、田母神が1位だったり、宇都宮が細川を逆転したり、細川が独走したり、様々なシミュレーションがなされているが、ここ最近のマスメディアの選挙における世論調査は、百発百中になっている。ゆえに、現時点の舛添候補の優勢を覆す終盤と云う期待はかなり遠のいている。
幾ら統計や確率の理論から、ほぼ狂わないと言われるのだが、街頭演説などの聴衆の集まり方などを見ている限り、俄かに、参りました“世論調査さま”という気分にならない。まぁ自分の思考経路と、一般の有権者の意識に、驚くほどの乖離があると云うことなら、それは致し方のないことである。しかし、事前の調査が、どうして固定電話に電話しただけで、これほどの確度で選挙結果を言い当てることが可能なのか、なんだか奇妙でもある。たしか、固定電話がない家庭もかなり増えているわけだが、固定電話を持たない層は、ほとんど選挙に行かない層ということなのか。
それにしても、民主党が政権交代した09年以降、異様な確度でマスメディアの世論調査は、百発百中の選挙情勢を報じている。初めから、ある一定の候補に、当選確実な“下駄”が履かされているようだ。筆者は寡聞にして、詳細までわからないが、投票用紙の自動読み取り機が導入されたのは、いつ頃からなのだろう。07年くらいから都道府県の選挙管理委員会が個別に導入しているようだが、ムサシと云う会社のものが多数を占めている。このような、民主主義の最終結末を意味する投票の開票を自動読み取り機(コンピュータ制御)主体で行うことは妥当なのか、熟議する必要があるだろうが、そのような動きは一切起きていない。
プログラムに、事前に係数を書き込むことは可能だし、自動的に一定の候補に基礎票を与えることも可能だ。選挙の即日開票が時代の要請だそうだが、少なくとも筆者の知る限り、そのような議論を新聞紙上で侃々諤々議論された記憶はない。どうも、実態は開票作業の経費節減(人件費の削減)と開票所の労働環境の改善、冷暖房完備等々らしいのだから、負けた候補の陣営には、常に、あの読み取り機にやられたのでは?と云う疑念が付きまとう。また、事前に勝敗を操作していれば、世論調査など偽物でも、常にピッタリ御明算になるわけだから、百発百中も俄然納得だ。
まぁ、細川・小泉連合が負けた言い訳のコラムを書いているわけではないが、負けた時は、そのようにでも思わないと、あまりにも生活観しか持ちえない都民の民度を確認しなければならなくなる。つまり、彼らの政治への関心は、景気・雇用・福祉・高齢化対策等々の生活に密着した問題にしか興味がなく、不条理への市民的抵抗とか観念的に持ち合わせていないと、と思われるからである。金に勝る、自由や命など、知ったことではないのだろう。自由や生命を失うのは、自業自得とか、不運だっただけ程度の認識レベルにしか至らないのだろう。
実行可能なように並べ立てる“選挙公約”なるものを、いまだ信じようと云う愚鈍さから抜け出せないのである。民主も自民も、公約破りが平気で行われているのにである。国でも、都でも、多くの行政を行うのは、知事ではなく、行政に関わる役人たちなのであり、政治家に出来ることは、5〜10%の、選挙中に最も訴えた選挙公約の一つの、既成観念や既得権益を改革する程度しか実行出来ない事実を理解していない。10個も公約を並べ立てた候補者が知事になれば、超人的活躍をし、議会も役人もねじ伏せてくれる幻想に夢を託してしまうのかもしれない。自分たちは、変わることなく、スーパー・ヒーロー出現し、自分たちの生活観を堅持し、より良いものにしてくれる、「お上意識」に蝕まれているのだろう。これは、日本人の倫理の劣化であり、教養の劣化であり、感情の劣化である。
東京都民の意識が、そう云うことなら、それはそれで事実として受け止めるしかない。しかし、筆者は今回の選挙を「ストップザ阿部」を実現できる、天佑と受け止めているので、極めて残念だ。自分たちの周りの生活の為だけに、都政があるわけではない、国政があるわけではない。日本全体を見つめ、時代を見つめ、世界共通の不条理への義憤のようなものにも目を向ける人々であって欲しいと願っている。無論、まだ1週間あるし、東京都の浮動票は5割を超えている。マスメディアの調査の中に、この浮動票50%は含まれていない可能性が強いのだから、逆転は可能だ。投票率が60%近く行けば、見事な逆転劇を演じて貰えると、信じてやまない。細川・小泉の街宣に集まる人々が「野次馬」に過ぎない、とは思いたくないものだ。
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