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捨て身の橋下氏、自公は「完全無視」 出直し市長選[日経新聞]
2014/2/2 11:01
「出直し市長選になっても勝手にやらせておけばいいですよね」。橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会が推し進める「大阪都構想」の制度設計を議論する、大阪府・市による「法定協議会」で、焦点となっていた区割り案の絞り込みが他会派の反対で行き詰まった1月下旬。大阪市議会自民党と公明党の幹部は、橋下氏が出直し選挙を表明する「Xデー」をまるで予想していたかのように、実は対応策を確認しあっていた。その「Xデー」が現実のものとなった1日、幹部らは取材に「橋下さんには独り相撲をさせておけばいい。来年度予算を審議しなければならないこの時期に、大義なき選挙にお付き合いする必要はない」と話し、対立候補を擁立しない“完全無視”で対抗する考えを示した。
今回、「Xデーは近い」と読んでいた自民党の戦略はしたたかだ。万が一、橋下氏と松井一郎府知事が出直しダブル選挙に打って出た場合に備え、「念入りに作戦を練っていた」(自民市議)という。それは(1)橋下氏には対立候補を立てない(2)松井氏には自公民統一の対立候補を立てる――という戦略だ。ある自民議員は「正直なところ、橋下氏に勝てる候補は立てられないが、松井氏になら勝てるかもしれない」と話し、実際に国会議員の中から候補擁立の可能性を探っていたという。
一方の公明。維新と蜜月関係を築き共同歩調を取ってきたが、維新側が提案した区割り案の絞り込みについては「まだ課題点が多く、煮詰まっていない」と難色を示し続けていた。「都構想そのものに反対しているわけではない」と維新側にも伝えていたが、1月31日の法定協では反維新サイドに回ることに。橋下氏や松井氏に、2012年衆院選の際、公明候補の選挙区に維新が候補を立てない代わりに都構想に協力するという“密約”を暴露された上、「利用するだけ利用されて裏切られた」と非難を浴びた。ある公明府議は「失礼な物言いを撤回してもらえなければ、もう議会や法定協で協力する気がうせる」と話しており、もはや維新との溝は決定的だ。
自公の維新への対立姿勢が鮮明になる中、橋下氏による出直し市長選で起死回生を狙う維新。橋下氏の慰安婦発言問題に揺れた昨年5月、市議会で同氏の問責決議案を提出する動きがあった際、松井氏が出直し選に言及したことで、当初問責案に賛成しようとしていた公明が反対に回り、問責案は否決された。ある維新市議は「松井氏はあの時の成功体験に味をしめたのかもしれないが、そう何度も通用する作戦ではない」と今回の戦略を危惧する。
実際、1日に東京都内で開かれた大阪維新の全体会合で、橋下氏は出直し選を表明。だが「自分も」と意欲を見せた松井氏を「市長選だけで十分」と制する様子を見た維新議員は「二人の間だけでも事前に打ち合わせができていたと思っていたのに……。いくら何でも場当たり的すぎるのではないか」。自公が対立候補を立てないとの情報も飛び交う中、「自公の思うつぼにはまりかねない」と気をもむ。
2月は予算審議の季節でもある。「何億もの税金を投入して、市民生活に直結する重要な時期に穴を開ければ、市民からの批判を招きかねない」(維新市議)との不安もよぎる。争点が今後の府市再編にかかわる都構想に絞られるにもかかわらず、松井氏が出馬しないことに疑問を呈する維新議員も多く、ある維新市議は「松井では選挙に勝てない可能性もあるからだと陰口を言われれば、投票率そのものにも影響しかねない」と話す。
身内からも慎重論が相次ぐ橋下氏の出直し選。仮に民意を得て当選したとしても、議会の勢力図が変わることはなく、「苦しい議会運営が打開されるとは思えない」と弱気な予想が相次ぐ。
ただ、それでも「橋下氏が民意を確認するのには意味がある」と、ある維新市議はこう打ち明ける。「情けないことに、党勢の低下とともに維新の一部の議員が会派離脱を探る動きがある。ぐらつきだした身内に橋下氏自らが覚悟を示すことで、党内の引き締めを図るつもりなのかもしれない」。だが、普段の橋下氏は一部の限られた関係者にしか本音を漏らさないとされ、その真意をくむのは維新議員でも容易ではない。
起死回生か、解党の危機か。いちかばちかの賭けとはいえ、ある維新府議はいたって冷静だ。「民意に支えられてきた維新だからこそ、民意を味方に付けるには捨て身のアクションを起こさなければ勝ち目はない」。
橋下、松井両氏が3日午後の記者会見でどのように「真意」を語るか注目される。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC01031_R00C14A2000000/?dg=1
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