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2014/01/31 『東京都知事選』「国家戦略特区」は”ブラック特区” 派遣法改正で拡大する賃金格差 〜岩上安身による棗一郎弁護士インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/122490
IWJの記事です。是非視聴ください。
以下、岩上安身氏のツイートのコピーです。
1月31日(金)「岩上安身による棗(なつめ)一郎弁護士インタビュー」の模様を実況します。
岩上「今日は、労働問題にお詳しい棗弁護士にお話しをおうかがいします。現在、若者の労働問題が注目されています。そのような中で安倍政権が国家戦略特区を進めています。安倍総理と諮問会議に権限が集中する仕組みになっています。今回の東京都知事選でも、この国家戦略特区は重要な争点ではないでしょうか。」
今の日本社会の雇用の現状は、正規と非正規の格差が非常に開いています。1997年から非正規労働者がどんどん増えていまして、既に4割を超えています。派遣労働者の方は、年収が300万以下の方が4割を超えます。派遣ネットワークの方にお話しを聞くと、なんと月給が17万円しかないんですよ。このように条件が非常に低く、不安定な状況にあるにも関わらず、政権は非正規雇用をさらに拡大しようとしている。企業にとって派遣労働は使いやすいし、賃金も低いし、期間が過ぎれば簡単に解雇することができる。現在は26の業務に限定されていますが、それがさらに拡大されようとしています。若い方の、正社員の就職口がどんどんなくなると思います。現在の政権も、正規と非正規の格差が問題だと認識はしています。しかし、国家戦略特区の発想はその逆です。"岩盤規制"を打破すると言ってますが、これは労働者を保護するための規制です。日本の憲法や労働基準法がなぜ"岩盤規制"ということになるのか。国家戦略特区とは、自由に解雇できるようにするものです。現在の日本の規制は世界から見て標準的なものです。これを取り払うと、労働者が丸裸になってしまう。特区は、世界一低賃金で、簡単に解雇できるようにするためのもの。
岩上「私も経営者ですが、一緒に働く仲間を使い潰すというような発想は、とても理解できません」。
企業としては、本当に必要なのは一部の正社員だけで、後は取り換えが可能な人材が欲しいわけです。これまでの正社員の賃金モデルを捨て去ろうとしている。非正規の方が増えると、共働きになって子育てが難しくなります。そうなると、少子化に歯止めがかからなくなってしまいます。今回の派遣の完全自由化に向けた動きは、労働力人口を外国人労働力で補填することを前提としたものでしょう。
岩上「最後は移民という話も聞きます」。
私もそう思います。現在の日本で権力を持っている方々は、日本に格差はあっていい、と考えているのでしょう。もはや完全に割り切ったんだと思います。今回の派遣法改正は、労働規制の緩和ではなく破壊です。国家戦略特区の発想は、労働時間の撤廃です。1日8時間の労働、8時間の睡眠、8時間の私的時間、というのが人間生活の基本です。それを上回る業務を課すなら、当然残業代を払わなければならない。特区はこれをやめようということ。
岩上「まさに奴隷労働であり、19世紀のようですね」。
本当に、こんなことを推進しようとしている人たちの気がしれないですよ!とんでもない!労働者のことをなんだと思っているのでしょうか。これは、さすがに法の下の平等に反するということで、政府はいったん引っ込めました。現在の特区構想の柱に、有期雇用の人たちを5年経ったら正社員にできる労働契約法を撤廃する、というものがあります。参院選が終わってから、このような労働規制緩和の提言が、産業競争力会議などからどんどん出されています。正規と派遣の賃金を同一にする"均等待遇原則"が世界の常識ですが、産業競争力会議などにはそんな発想は全くありません。雇用の流動化がいいなんていう議論がありますが、とんでもないですよ。正社員の方が解雇されたとして、正規の職に再就職なんてできるわけないじゃないですか。非正規を増やすために、雇用の流動化を進めてるんですよ。
岩上「1日8時間労働を守るとか、残業代を払うとか、休日出勤をしたら代休を取らせるとか、そういうのは当たり前のことじゃないですか」。
特区では、そういうことができなくなります。まさに『ブラック特区』。
岩上「経営者として気をつけなければいけないことはなんでしょうか」。
人の労働力、人の人生の時間を使って会社が儲けを得ているということをしっかり自覚すべき。『俺が金を払ってやってんだ!』という考えは改めてほしいですよね。
岩上「休みを与えず働かせ続ければ、人は壊れてしまいますよね」。
疲れきってしまった若者をどうフォローするか。相談に来る若者は、仕事で疲れきってしまって、会社を相手にして戦おうという気力をなくしてしまっています。
岩上「"岩盤規制"という言葉は、安倍総理はもちろんですが、細川護熙さんも使っています」。
この言葉が特に使われるようになったのは、安倍政権ができてからじゃないでしょうか。小泉さんは規制緩和の内閣でしたから、その点で発想は一緒じゃないですか。
.以上で実況を終了します。動画アーカイブは準備が整い次第、IWJのトップページにアップします。
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