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2014年1月30日
日本の情報先進地域は沖縄である。
沖縄にだけ確保されているものがあるからだ。
それは、
情報空間に対するメディア・コントロールの呪縛が解かれていること、
そして、
市民がメディア・リテラシーを保持していること、
だ。
メディア・コントロールとは、政治権力がメディア情報空間を支配すること。
マスメディアが流布する情報を政治権力が統制する。
市民には偏った情報しか提供されない。
メディア・リテラシーとは、メディアが流布する情報について、情報の受け手である市民が、情報の本当とウソ、真贋(シンガン)を見分ける、その能力のことである。
民主主義を機能させるためには、メディア・コントロールを排し、市民がメディア・リテラシーを保持することが必要不可欠である。
この条件が確保されている日本で唯一の地域が沖縄であると考えられる。
沖縄で読まれている新聞は、琉球新報と沖縄タイムズである。
市民の多くがこのメディアから情報を入手している。
この二紙の基本姿勢が本土のメディアとまったく違う。
メディアは本来、社会の木鐸としての役割を担う存在である。
「社会の木鐸」の「木鐸」とは、
昔の中国で法令などを市民に触れ歩く際に鳴らした大きな鈴のことである。
メディアの役割が「社会の木鐸」と呼ばれるのは、新聞が社会に向かって警鐘をならし、その行く手を示すという意味である。
この役割を発揮しているのが沖縄の新聞である。
沖縄県名護市長選に対して、世界の識者29名が声明を発表した。
オリバー・ストーン、マイケル・ムーア、ノーム・チョムスキー、ガバン・マコーマックなど、世界の良心とも言える人々が名を連ねて声明を発表した。
その内容は、
1.普天間基地は終戦後に返還されるべきものであり、返還に条件がつくことは本来的に許されない。
2.仲井真弘多知事は2010年の知事選で普天間の県外移設を公約に掲げており、辺野古海岸埋め立て申請承認は県民に対する裏切りである。
3.沖縄県内の新基地建設に反対する。
というもので、さらに声明は、
4.平和と尊厳、人権と環境保護のためにたたかう沖縄の人々を支持する
ことを明示した。
琉球新報はこの事実を2日連続で1面トップ、ほぼ全紙扱いで報道した。
本土の新聞の大半が、この事実すら報じなかったことと比較してみれば、その落差は歴然としている。
沖縄の人々には、沖縄の人々が知るべき重要な情報が届けられている。
だからこそ、政治権力の思惑を排して、正しい判断を下すことができるのである。
本題はNHK問題である。
放送法のなかにある、二つの最重要の条文を抜き出してみよう。
一つ目は第一条である。
第1条
この法律は、次に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。
1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。
2に書かれている、
「放送の不偏不党」、
そして、3に書かれている
「放送が健全な民主主義の発達に資する」
の部分がキモである。
第二の条文は放送法第31条である。
(委員の任命)
第31条
委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。この場合において、その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野及び全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない。
二つがどのように結びつくかというと、NHKの最高意思決定機関が経営委員会であり、この人選が適正に行われて、初めて、「放送の不偏不党」が成立することになる、ということだ。
安倍政権の下で、この運用が「デタラメ」になっている。
それは、すなわち、NHKの堕落、NHKの暴走を意味している。
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