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NHK会長発言問題、 安倍首相は「政府としてコメントすべきではない」、 え?選出関与の責任
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★孫崎享氏の視点ー<2014/01/29>★ :本音言いまっせー
NHK会長の発言問題はまだ収まっていない。
安倍首相は28日の衆院本会議で、いわゆる従軍慰安婦問題を巡るNHKの籾井会長の発言について、「政府としてコメントすべきではない」と述べた(28日読売)。
菅官房長官は二十七日午前の記者会見で、籾井会長の、従軍慰安婦発言問題について「戦争地域ではどこでもあった」と発言したことに関し「籾井会長が個人として発言した。社会的使命を担う公共放送のトップとして、放送法に基づいて職務を果たしていただきたい」と、辞任は必要ないとの考えを示した。菅氏は会見で「籾井氏は会長としての発言と個人としての発言の整理がついていなかったのだろう」と指摘。
「会長としての発言なら取り消すと言われたので問題ない」と強調した。さらに「最初(の記者会見)だから戸惑ったのだろう。
個人的なことを言っても、『会長として(発言した)』と捉えられるということを理解して(今後は)職責を果たしてくれると思う」と述べた(27日東京)。
先ず、問われるのは、「どの様な場で発言したか」ではなく、そもそもこのような考えを持つ人間がNHKの会長と言う職に適任か否かである。
籾井会長の任命は、任命の役割を担う経営委員会の新メンバーに安倍首相に極めて近い人々を任命し彼らが新会長を選出したので、安倍首相は会長選出に深く関与している。日頃は歯切れ良い発言を演出する首相が、自己の責任が関係してくると、「政府としてコメントすべきではない」との回答に逃げるのは問題であろう。
問題点をしてきしておきたい。
・政府の考えを重視して報道するとの発言があるが、昔のソ連のプラウダ紙や中国の人民日報ではない。公共放送として期待されていることは、政府の広報機関になることではない。
・領土問題について日本の立場を報道していくとしているが、今日の日本政府の立場は日本が国際的に約束したポツダム宣言遵守やサンフランシスコ講和条約との整合性がとれていない点がある。この中で「政府見解だけが正しい」という行動姿勢、特に国際放送のありようは疑問視されよう。
・従軍慰安婦の扱い、首相の靖国訪問等についても、同様にサンフランシスコ条約、過去の日本政府の方針などと逸脱している点がある。
・現場に会長の見解を浸透させる意思を示しており、会長の考え方が将来のNHK報道と密着するとみられる。それだけに会長の考え方の是非が問われる。東京新聞の社説は次の論点を示したが同意する。
・そもそも適任だったのだろうか。、放送の役割を深く理解しているとは言い難い。退場願うしかあるまい。
・NHKが従うべき放送法第一条の「目的」に掲げられた「不偏不党」の意味を取り違えてはいないか。(具体的に特定秘密保護法、首相の靖国神社参拝、従軍慰安婦に言及)
参考:発言の主要点抜粋(朝日新聞報道より)
冒頭発言―NHK籾井新会長の会見詳報1
【冒頭発言】
・社内でも第一にあげているのは放送法の順守です。
・新しいセンターを作っていく必要があろうかと思っています。
【質疑応答】
――経営委員からは、靖国神社や尖閣などの領土問題にも番組で掘り下げてきちんと日本の立場を伝えたほうがいいのでは、という意見が出ているが
今、竹島のことをおっしゃいませんでしたが、これは日本の明確な領土ですから、はっきりしている。国民にきちっと理解してもらう必要があると僕は思っています。
――NHKの報道で、もう少し掘り下げて伝えたほうがいいということか
そうかもしれませんね。きちっと放送しなければならないことは事実ですね。十分でなければ、はっきりわかりやすく、領土問題はこういうものだと説明することが必要と思います。
――秘密保護法について、NHKスペシャルやクローズアップ現代で取り上げられていない。法律の是非について幅広い意見があり、問題点の追及が必要との指摘もあるが、NHKの伝え方についてどう考えるか
まあ通っちゃったんで、言ってもしょうがないのではと思います。
――法律が通ったから、これ以上議論を蒸し返すことは必要ないということか
もし本当に世間がいろいろ心配しているようなことが政府の目的であれば大変なことですけど、そういうこともないでしょうし。
国際問題等々も考えてこれが必要だとの政府の説明ですから、とりあえず受けて様子を見るしかないんじゃないでしょうか。あまり、かっかかっかすることはないと僕は思いますし。昔のような変なことが起こるとも考えにくいですね。
――国際放送を強化すると言うが、日本の立場を政府見解をそのまま伝えるのか
民主主義について、はっきりしていることは多数決。みんなのイメージやプロセスもあります。民主主義に対するイメージで放送していけば、政府と逆になるということはありえないのではないかと。議会民主主義からいっても、そういうことはありえないと思います。
国際放送は多少国内とは違います。尖閣諸島、竹島という領土問題については、明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。時には政府の言うこと、そういうこともあります。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない。国際放送については、そういうニュアンスもあると思います。外交も絡む問題ですし、我々がこう思うからと、勝手にあさってのことをいうわけにはいきません。領土問題については食い違いはない。
コメントを出すとき、日本が他国のことを中傷したり、非難したりしたことはあんまりありませんよね。政府がそういう中傷のメッセージをだすはずもないですから。ただ、非難することはあるかもしれない。国連においても非難したりしているので。それをやってはいけないということはない。
――外国を非難するということ?
日本政府とかけ離れたようなものではあってはならない。日本国を代表する政府ですから。
――領土問題で、近隣諸国の考えも伝えることで、国のプロパガンダではない公共放送への理解が得られるのではないか。
それはそうです。外国の放送を見ていますか。それは、聞くに堪えない、見るに堪えない。そういうことをやろうといっているわけではないんです。尖閣が日本の領土であると、なぜ主張しているのかは、もう少し国際的に説明してもいいのではないか。 明治28年にどこの領土でもないと確認した上で、やった。某国は日清戦争で横取りしたというが、国際条約は、その時に作った条約が生きている。そういうことで世界が律さなければならないと思っています。
――靖国神社の参拝、合祀についてはどうか
もう少し複雑かも知れない。戦争に行くとき、昔の人がどうやって慰めたかというと、死んで靖国に帰るのだと行って送り出しました。今の人に言ってもわからないと思うが、家族を亡くした人はみんなそう言う。なんで千鳥ケ淵ではだめなのか。違うんだと。兄は靖国に戻ると行って戦争に行ったんだと。だからあそこに兄がいる。こういう人たちが大勢いるんです。問題になっているのは戦犯の問題でしょうが。
――総理の参拝の問題もある
総理が行かれた、信念で行かれたということで、それはそれでよろしいじゃないですか。いいの悪いのという立場にない。行かれたという事実だけ。
――NHKの報道姿勢としては
どうだこうだというつもりもない。ただ淡々と総理は靖国に参拝されましたでピリオドでしょう。領土問題とは全然違うでしょう。
――現場の制作報道で会長の意見と食い違う意見が出た場合、どう対応するのか
最終的には会長が決めるわけですから。その了解なしに、現場で勝手に編集してそれが問題であるということになった場合については、責任をとります。そういう問題については、私の了解をとってもらわないと困る。NHKのガバナンスの問題ですから。
――「政府とNHKの考えが逆になるのはあり得ない」と言いましたが、直近でも秘密法は政府が提案し、強い反発があった。イラク参戦も、日本国内外で反対があった。そういう意味で、常に賛否両論がある問題をどうするのか
政府と逆になることはないといったのは国際放送の話。秘密法については、いろいろな意見もあります。政府に逆のことは言わないんだといっているわけではありません。それなりの意見があってよろしいじゃないかと。政府の人なんかに言わせれば、賛成があってもいいじゃないか、メディアは反対ばっかりということもありますから。基本的には政府ときちんと距離をおいてやる。放送法にそってやれば、政府のいいなりにはならないというのが私の思いです。
――政府との距離の問題について、2001年の番組改変問題があった。慰安婦を巡る問題についての考えは
コメントを控えたい。いわゆる、戦時慰安婦ですよね。戦時だからいいとか悪いとかいうつもりは毛頭無いが、このへんの問題はどこの国にもあったこと。違いますか。
――先ほどの発言から、慰安婦は戦争していた国すべてにいた、というふうに取れるが
こっちから質問ですけど、韓国だけにあったことだとお思いですか。
――どこの国でも、というと、すべての国と取れる
戦争地域ってことですよ。どこでもあったと思いますね、僕は。
――何か証拠があってのことなのか
この問題にこれ以上深入りすることはやめたいのですが、いいですか。慰安婦そのものが良いか悪いかと言われれば、今のモラルでは悪いんです。じゃあ、従軍慰安婦はどうだったかと言われると、これはそのときの現実としてあったということなんです。私は慰安婦は良いとは言っていない。ただ、ふたつに分けないと、話はややこしいですよ。従軍慰安婦が韓国だけにあって、他になかったという証拠がありますか?
言葉尻をとらえてもだめですよ。あなた、行って調べてごらんなさいよ。あったはずですよ。あったんですよ、現実的に。ないという証拠もないでしょう。日本だけがやっていたようなことを言われて。
――他の国にもあったということと、どこの国にもあったということは違う
戦争をしているどこの国にもあったでしょ、ということです。じゃあ、ドイツにありませんでしたか、フランスにありませんでしたか?
そんなことないでしょう。ヨーロッパはどこだってあったでしょう。じゃあ、なぜオランダに今ごろまだ飾り窓があるんですか?
議論するつもりはありませんが、私が「どこでもあった」と言ったのは、世界中くまなくどこでもあったと言っているのではなくて、戦争している所では大体そういうものは付きものだったわけですよ。証拠があるかと言われたけれども、逆に僕は、なかったという証拠はどこにあったのか聞きたいですよ。
僕が今韓国がやっていることで一番不満なのは、ここまで言うのは会長としては言い過ぎですから、会長の職はさておき、さておきですよ、これを忘れないで下さいよ。韓国が、日本だけが強制連行をしたみたいなことを言っているから、話がややこしいですよ。お金寄越せと言っているわけですよ、補償しろと言っているわけですよ。
しかしそういうことは全て、日韓条約で国際的には解決しているわけですよ。それをなぜそれを蒸し返されるんですか。おかしいでしょう。そう思いますよ、僕は。
――3年間でこれだけはやらなければいけないと思っていることを、優先順位をつけて具体的に
――政権との距離は会長自身、取っていくつもりがあるということか
それはそうですよ。こと報道に関していえば、それは当然のことでしょう。
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