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2014年1月29日
首相は折にふれて「企業の収益を雇用の拡大や所得の上昇につなげる。それが消費の増加を通じて、さらなる景気回復につながる」と訴える。
この「経済の好循環」を起動させるために、「規制改革をはじめとする成長戦略」で実行して行くと言っている。
彼は「アベノミクス」は、大胆な金融緩和(第1の矢)、機動的な財政運営(第2の矢)、これにくわえ、企業の競争力強化を後押しして投資を喚起する(第3の矢)があるが、これは成長戦略が成功すれば、好循環の前提となる継続的な企業収益の改善に結びつけられると言っているのだ。
第3の矢である“企業競争力のバックアプ”は、国民の雇用拡大と所得増大に直結、それが消費拡大を実現し、全体として景気好循環になるという話だ。
典型的なトリクルダウン効果を前提として自分の経済政策を正当化しているが、企業側の流れには内部留保金、設備投資金、企業投資、株主配当など、さまざまな優先的配分が先行する。
気づいている多くの方々が指摘していることだが、成長戦略は政策的に企業利潤と国民所得との間に納得できる自然なフロー図が見えてこないのだ。
中間領域がブラックボックスになっているから、安倍首相の言う企業収益の増大が直接国民に還元しないのは、このブラックボックス領域で横道に富が流れてしまうからである。
安倍政権は中間段階のこの領域については一切説明していない。
首相はトリクルダウン一辺倒で虚構の経済ループを「経済の好循環」と強弁しているが、この成長戦略には企業と国民の接点(ジョイント)部分が存在しないことに気づく。
企業が抱える日本人の労働人口の約8割は中小零細企業に勤める者や派遣労働者、パートさんたちである。
安倍首相の言う経済の活況がはたとえ起きたとしても、それは大企業関係者2割の人々の間のみに限定される。
ましてや、成長戦略が海外企業の投資活動をメインにしているのなら、そこで得られた企業収益が国民や中小零細企業にプラスになる形で波及することは全く考えにくい。
つまり安倍首相の言う経済の好循環とは、富裕層による搾取環境の実効的な稼働状態に他ならない。
経団連は定期昇給の姿勢を示しているが、社会保障は削られて行く一方で、諸税の負担増は確実に行われている。
これに4月から始まる2段階の消費税増税が、日本の景気全体を底上げする方向に行くわけがない。
軽減税率を無視した消費税増税は庶民層のふところを直撃して消費マインドを思いっきり後退させる。
弱い層、大衆層から可能な限り搾り取って、外国資本や大企業に一方的に利益供与を行うのが、安倍首相が推し進める成長戦略、ネオリベ構造改革路線の実体である。
ここには国民の雇用拡大や就業状態の安定性、所得増大への具体的政策が皆無である。
言っていることは企業を強めればやがては国民も恩恵を受けるという虚構の“水滴理論”だけである。
安倍政権の経済方針の真実とは、日本の国家体質をアメリカ・コーポレートクラシーの企業体質に変換して、日本に残っている膨大な資産や国民の労働力で得た金を効率よく自分たちのふところに収めるという目的なのである。
もう少し、砕けた言い方をするなら、安倍政権が担っている経済政策とは、国民の社会保障費を減らし、消費税その他の諸増税で搾り取り、それらの富が外資とそれに追従する日本人富裕者層に集中的に流れるシステム造りと言っていい。
さらに言えば、国際金融資本(グローバル資本)の最終目標は、全体として日本人が抱える膨大なタンス預金を最後の1円まで吐き出させてそれをかすめ取る魂胆である。
その徹底搾取を完了するまで、彼らは日本に居座るつもりなのである。
国家戦略特区で、都市中心部の居住や建物に関する規制が徹底的に緩和される計画が優先されていることをご存じだろうか。
これは外国人資本家たちや海外企業関係者の居住環境を整備するためなのだが、政府は成長戦略で収奪目的の外資連中が快適に都市部に居座って、効率よく収奪経営ができるように環境を整える。
要は、盗賊と変わらない彼らに、都市生活の便益と、その経営環境のために最恵国待遇を与えているのが国家戦略特区や産業競争力強化、いわゆる安倍成長戦略の実態なのだ。
なぜ、強欲外国人どもに都市部中枢の最適な居住環境、最適なオフィス環境を政府が優先的に与えるのか。
少し冷静に考えれば分かるが、盗賊的な外国企業の連中が、ある時間的スパンで日本の都市部に居座る魂胆は、TPPが稼働したときに、そこが彼らの収奪経営の拠点となるからだ。
国家戦略特区など成長戦略とはそのための地ならしである。
前大田区議会議員の奈須りえ氏は「TPP批准のかげで、着々と進められている規制緩和の既成事実化が、国家戦略特区だ。国際条約であるTPPに批准し、実効性あるものにするには法整備が必要だからだ。」とおっしゃっている。
つまり、成長戦略における外国人のための都市環境整備は、彼らのビジネスを香港などの国際都市のように快適にして経済活性に役立てるためなどと言っているが、その実態はTPP収奪作戦のための橋頭保(きょうとうほ)づくりに他ならないのだ。
国家戦略特区法のほんの一端だけでも、こういう現実が見えてくるのに、この成長戦略を好意的に受け止めている人々は目が節穴か、米グローバル資本のエージェント的な位置にある。
日本人はいつごろからか、リテラシーを働かせろなどと常套句的に言うが、これは逆説的に言うなら、日本人全体が進行している物事に対して鈍感になっているからだ。
昔の人たちは、リテラシーなどと言わなくても本質がちゃんと見えていた。
日本人の洞察力、直観力、想像力がそうとうな低レベルに落ちてしまった現実は、新自由主義との関係で言いたいことがあるが、それはまた別の機会に譲る。
結論から言って、“国家戦略特区”は、富裕層の1%が99%の国民に回るべき富を効率よくかすめ取るための最短コースとして考えられた政策である。
成長戦略は、地獄の新自由主義社会にこの日本を切り替える戦後最悪の政策なのである。
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