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米国依存の対中政策を再構築せよ  白馬崇峰 
http://www.asyura2.com/14/senkyo160/msg/350.html
投稿者 世界精神 日時 2014 年 1 月 29 日 12:24:44: RitahJZV4EHKU
 

 最近のメディアでは、いかに中国経済が崩壊の危機に瀕しているか、いかに習近平が共産党内を掌握できていないかといった、「中国崩壊論」ばかりが幅を利かせている。
 しかし、その分析は本当に正しいのか。中国蔑視によって冷静な分析ができなくなってしまっているのではないか。
 ここでは、中国政治について別の視点を提供したい。


『月刊日本』2月号
地政学者・白馬崇峰「米国依存の対中政策を再構築せよ」より
http://gekkan-nippon.com/?p=5949


「父の祝福は、子供たちの家を堅固なものとし、母の呪いは、子供たちの家の土台を覆す」 集会の書 3─9


日中はオバマに踏み絵を突きつけた

 昨年12月26日の安倍首相靖国神社参拝と、同11月23日の中国防空識別圏設定には一つの共通項がある。いずれも米国の東アジアでの立場を問う行動であった。
 一般的には、安倍首相による靖国参拝は中国を挑発したもので、中国による防空識別圏設定は日本を挑発の対象としたものとして認識されている。
 しかし靖国参拝について、中国外交部は極めて短時間の間に非難声明を発表しており、安倍首相周辺から習近平国家主席に事前通知されていた可能性が高い。防空識別圏問題についても、情報筋によれば日中間での外交上の整理は終わっている。
 実は、米国は自らが挑発されたのだと認識したため、安倍首相の靖国参拝においては反射的に「失望」声明を発表し、防空識別圏設定に際して即座に爆撃機を東シナ海に送ったのである。
 安倍首相の靖国参拝と、習近平政権による防空識別圏設定は、変化が避けられない東アジアのパワーバランスを前に戦略的曖昧さを取り続け、実現不可能となった現状維持を夢見る無能なオバマ政権につきつけた日中による踏み絵だったのである。米国のスタンスをはっきりさせたい、という点において日中関係は奇妙な共闘関係にある。尖閣諸島にとどまらず、日中両国は東南アジアを巻き込んだ勢力均衡改変の途中にあり、米国の曖昧さは偶発的紛争のリスクを高める。
 国内の政争に区切りを付け長期安定が見込まれる習近平国家主席は、中国の勢力圏拡大を狙う一方で、偶発的紛争によって国内安定が著しく損なわれることを懸念している。長期政権が見込まれる日本は日米同盟をベースとした「積極的平和主義」を掲げる中、拡大する中国との均衡確立を早急に図る必要がある。
 いずれも米国がキャスティングボードを握るが、以後ますますレイムダック化するオバマ政権は東アジア関与・非関与の政策オプションを持ち続けるだろう。本稿では、複雑化する2014年の東アジア情勢の予測を立てる前提条件として、防空識別圏設定などをめぐる中国側の内政事情を解説したい。


三中全会で習近平は権力を強化した

 日本国政府による沖縄県尖閣諸島の国有化を受けて始まったとされる2012年9月の反日デモは記憶に新しい。その背景を、第十八回中国共産党全国代表大会における指導部交代の決定を控えた政治闘争と絡めて説明したのが2012年11月号に掲載された小生のインタビュー記事(kindleで発売中)である。
 その後、一年をかけて日中関係は間違いなく雪解けに向かっていた。日本企業の活動は平時に戻りつつあり、地域差はあるものの地方政府は日本の経済力と技術を求め、「中央は中央、地方は地方」と日本に対し秋波を送った。昨年9月25日の中国企業家訪日団の菅義偉官房長官への表敬訪問、日本側からは同11月18日からの日中経協訪中ミッションの汪洋副首相表敬訪問といった動きはその象徴的なものである。
 日中の官民が揃って落とし所を探っていた、その最中の防空識別圏の発表は関係者の度肝を抜いた。
 何故このタイミングであったのか、明確な答えはない。中国公式発表も必要最低限の説明にとどまる。一方的な現状変更として日米両国は非難するが、日本は撤回を求め、米国は黙認できないとして、足並みが合わない。中国側の真意の所在が分からないため、当然の帰結であろう。これを読み解く鍵は昨年11月12日に終了した三中全会にある。
 三中全会の正式名称は党中央委員会第三回全体会議であり、11月9日から12日にかけて行われた中国共産党第十八期三中全会は、第十八期の政治局中央委員が選出された後に行われた第三回目の全体会議という意味である。新指導部就任後に初めて開催される全体会議が三中全会であり、改革開放以降、伝統的に指導部の任期10年にわたる重要な経済改革案が示されてきた。
 今回の三中全会はいくつかの異例があり、その内一つは政治・社会・国家安全保障に踏み込む広範な内容であったことと、もう一つは会議直後に発表された公報と、間を置いて11月15日に発表された決定全文の中身が大きく異なっていたことである。
 日本では、習近平の中国国民からの人気は低いとする論調が幅を利かせているように見えるが、少なくとも沿岸部の一般市民から実業家まで、私の把握する範囲では支持を集めている。毛沢東を崇める低所得者をはじめとする層からも、習自身の政治的パフォーマンスもあり支持されている。
 特に三中全会後、政府に批判的であったブログが習近平支持への転向を宣言する事例が相次いでいる。習近平政権の脆弱さを指摘することに心地よさを覚え、日本の官民・メディアはこれらの傾向を客観的に研究できていないように思える。(以下略)  

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