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状況が決める投票
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2014年01月28日 兵頭正俊 兵頭に訊こう
選挙でどの立候補者に投票するか、その選択は意外と難しい。
特に今回の都知事選では、保守反動とリベラルとで、有力な候補者が複数存在している。
保守反動では、保守の舛添要一と極右の田母神俊雄が立候補している。舛添は曖昧な言い方をしているが、ふたりとも原発維持・推進者と思って間違いない。
リベラルでは元総理の細川護熙と社・共推薦の宇都宮健児が立候補をしている。明確に「脱原発」を掲げている。
わたしはこういうときに旗幟を鮮明にすることにしている。そうでなければ、兵頭正俊はこういう場合にどう考えるのか、誰を支持するのか、それを知りたがっている読者の要望に応えられないからだ。
日本民族は非常に情緒的感情的な民族であって、局面に左右される。わたしが細川護熙を支持する、とメルマガで書いた途端、何十名かの無料メルマガの購読者が解約して去っていった。おそらく宇都宮健児の支持者たちであろう。
しかし、それとほぼ同数の新規読者が増えて、総数はあまり変わらなかった。
人間は、例えば親子関係においても完全に同じ趣味、同じ考え方で、すべて同じ判断に至るということはありえない。
どうか読者諸氏におかれては、都知事選は2月9日には終わる局面なのだと冷静になっていただきたいと思う。
わたしは、現役で働いていた頃も、職場の会議で、提案に半分以上は反対なのだが、状況的に全体を見て賛成に回ったことが何度もある。もしここで反対して葬れば、同種の提案が出てくるのは数年待たねばならないだろう、といった提案だ。
誰に教えられたわけでもないが、そういった判断は割と若い頃から自家薬籠中のものとしてきた。
複雑な判断には、状況の視点が入らないといけない。これは決定的に重要である。今は平時ではない。日中戦争前夜の、いわば戦時である。
売国奴の安倍晋三は、米国の指示のままに消費税増税を決定し、NSCやがん登録推進法(福島県などの爆発的ながん発症の隠蔽)、特定秘密保護法を通してきた。
今後、共謀罪や通信傍受法、国家安全保障基本法、防衛大綱の見直し、自衛隊の海兵隊化と突き進む。
TPPに参加して、解釈改憲で集団的自衛権を確立する。
新ガイドラインを決めて、世界中の紛争地へ米軍の傭兵となった自衛隊を送り込む。
改憲に本腰で取り組み始めたら、徴兵制はセットとして出てくるだろう。
その向こうに見えるのは対中戦争である。
これを止めないといけない。米国が止めてくれる、とは思わない方がいい。米国は日中戦争に参戦するほど甘くはないし、馬鹿でもないのだ。
日・中という世界の二強が戦争してくれたら、米国が空前の好景気に沸くことは間違いない。米国の軍産複合体とジャパンハンドラーは、それを狙っていると思って間違いない。
スノーデンは、米国政府が同盟国首脳の電話を盗聴するダブルスタンダードであることを世界に暴露した。
http://m-hyodo.com/wp-content/uploads/2014/01/Edward-Snowden-300x197.jpg
その米国政府が、中国向けと日本向けの、ふたつの顔を持つ、ダブルスタンダードでやることぐらい簡単なことだ。
とりわけ日本の劣化した政治に対しては、ジャパンハンドラーを使って軍備増強と対中戦争を煽る。他方、中国と世界に向かっては、ワシントンが日・中の和解を勧め、安倍晋三の危険性を警告する。
この宗主国のダブルスタンダードを見破って、したたかに中国とも米国とも友好関係を深める、といった政治は、現在の自民党、なかんずく安倍晋三にはできないのである。
あと2年半は衆参選挙がない。それなら次の政権交代まで、安倍晋三を退陣させて、もっとまともな政府を作らなければならない。
そのためには「ストップ・ザ・アベ」で地方選で勝ち続ける。自民党・公明党に安倍の政治が国民に否定されていることを知らしめ、安倍を退陣させなければならないのである。
したがって、せっかくの名護市長選の勝利を都知事選でも引き継がなければならないのだ。つまり都知事選は勝たねばならないのである。
政策で立候補者を選択するというのは、確かに正論である。しかし、それは平時の正論であって、戦時の正論ではない。
戦時の正論は、状況の森から勝てる木を選ぶのである。それが都知事選では細川護熙だというのだ。
ここで、ひとつの顕著な傾向を指摘しておきたい。それは小泉純一郎への強烈な批判があって、小泉に支援される細川も駄目だとする傾向だ。
自明のことを述べるが、都知事選に立候補しているのは細川護熙である。批判は細川に対してなされるべきだ。立候補者を、支援者の道連れにして否定するのは、とても大人げないことである。
実はわたしも小泉純一郎に対しては許せぬ気持ちが強い。だからといって細川は駄目だ、とはしない。
日本の危険な状況は都知事選で「ストップ・ザ・アベ」を実現せねばならないことを迫っている。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、といった日本的情緒的な対応はすべきではない。細川と小泉を切り離す冷静な大人の対応が必要だ。
今日は、ここで八木啓代 (やぎ・のぶよ)の「鼻をつまんで煮え湯を飲むか」を紹介しよう。
八木啓代が勇気のある女性であることは知っていたが、政治もわかる、たいへん聡明な、頭の切れる女性であることがよくわかった。人は、状況のなかにおくのが、もっとも力や徳がわかるのである。
とにかく読んで非常に面白かった。状況的でタイムリーな文章である。そして本メルマガの読者の悩みに、大きな示唆を与えてくれる文章だ。読んでみよう。
「この状況で都知事選で、自民党が敗北ということになると、自民党は大きな方向転換を強いられざるを得なくなる可能性がある。
だからこそ、自民党都連の推す桝添氏の目下の最大の対立候補が、他ならぬ元総理の細川氏と小泉氏であるという事実は、自民党にとって何より痛い。
もちろん、これは保守×保守の対決でしかないのだが、それゆえに、イデオロギーの対立ではなく、小泉氏が言ったように「原発を利権にする勢力」と「原発を利権にするのをやめようとする勢力」との闘いであることが明白になってしまったからだ。
(中略)
しかし、2009年の民主党による政権交代で、自民党が野に下り、さらに検察の暴走によって鳩山政権が崩壊したあとの、いわゆる菅−野田政権が、追米的自民党中道右派ラインをまさに踏襲するような、いや、ある意味それ以上に新自由主義的な政策を打ち出してしまったがために、自民党は、「その右に寄った民主党」の対立軸であるべく、さらにどんどん右に寄ってしまった。
そういう意味で、今の自民党の中枢にいる人たちは、かつてなら極右と呼ばれた人たちとなっている。しかも、自らヘイトスピーチを拡散したり、ネトウヨと呼ばれるような人たちの賛美を浴びて、それを恥ずかしいと思うどころか喜んでしまうような人たちだ。
こういった言動を首相やその周囲がどんどんやり始めるということになってくると、いわゆる「穏健保守」系の人々は、ドン引きしそうになっていて、だから、そういった人たちを呼び込める候補というものが、潜在的に求められるようになってくる」
状況の森が正確に把握されている。菅直人・野田佳彦のマニフェスト裏切り。そして官僚・自民党と同じ対米隷属路線への敗北。それが結果的に自民党を、それより右の、極右に変えてしまったという分析。これはすべて正しい。
菅直人・野田佳彦の罪を、わたしたちはもっと批判するべきだ。
かれらは、小沢一郎が中心になって作った2大政党時代の意義がわかっていなかった。ただ、小沢がとった権力の果実を頬張り、恩人の小沢を敵に手渡し、国民との契約を投げ捨て、消費税増税を国会で通し、民・自・公の、実質的な大政翼賛会まで作って見せた。
その結果が、衆参選挙において国民の審判がくだり、惨敗である。菅直人の細君が「夫が民主党を潰しました」といっているが、夫のやったことを過小評価している。現在の戦争前夜の惨状は、民主党政権で準備されたものである。菅直人が潰したのは国である。
自民党の現在の極右政権は民主党が作ったものだ。
都知事選における細川護熙は、行き場を失ってしまった「穏健保守」系のための受け皿なのである。
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