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NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長が25日の就任会見で、従軍慰安婦について「戦争をしているどこの国にもあった」などと発言したことに与野党から批判が強まっている。公共放送トップの政治的中立・公平性を疑われかねない発言で、通常国会でのNHK予算案審議への影響は避けられない。
自民党の佐藤勉・国会対策委員長は26日、朝日新聞の取材に「NHK会長として発言すべき内容ではなかった。慎重に発言してもらいたい」と語った。
NHK予算は国会の承認を受ける必要があり、3月にも衆院総務委員会で審議が始まる見通し。籾井氏も答弁に立つ予定で、野党各党が発言の真意について説明を求めるのは必至だ。
民主党の大畠章宏幹事長は26日、記者団に「NHK会長の自覚がない」と批判し、国会審議で追及する考えを示した。結いの党の小野次郎幹事長も「国会で問題にしていく」、共産党の山下芳生書記局長は「『河野談話』など政府の立場とも、歴史的事実とも異なる」と強調。社民党の又市征治幹事長も「NHK会長たる者が歴史認識がなっていない」と批判した。
自民党国対幹部は「議員の追及で紛糾すれば、予算案が総務委員会を通らなくなる」と話す。
安倍政権は、原発やオスプレイなどに関するNHKの報道内容が偏っているとして前任の松本正之氏の続投に難色を示した。会長を選ぶ経営委員に安倍晋三首相と親しい人物を送り、最終的に経営委員12人の全員一致で籾井氏を選出した経緯がある。
間接的ながら政治的影響力を及ぼしただけに、与党内にも「首相の周りには、もっと普通の人はいないのか」(公明党幹部)と不満の声が漏れる。自民党の閣僚経験者は「内閣法制局長官など首相は理念が近い人ばかり重要ポストにつける。いろんな価値観の人を置かないからこういう事態になる」と批判。自民党幹部の一人も「ひどい発言。アウトだ」と語っており、今後、政権内で辞任論が拡大するかが焦点になる。
http://digital.asahi.com/articles/ASG1V5D7RG1VUTFK00B.html?iref=comtop_6_02
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