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2014年01月26日 「ジャーナリスト同盟」通信
<安倍の危険すぎる火遊び>
日本外交も落ちるところまで落ちた、との印象を持つしかないのか。安倍の危険きわまりない火遊びは、北朝鮮の比ではない。それが現実化している。核(原発)の売人だけではない。武器の売人でもあった。安倍の成長戦略とは、核と武器の製造販売とでも言えようか。そんな日本へと引きずり込むことに、自民党と公明党は日本国首相に選んで、それに支持を与えている。今回の安倍・インド訪問が明確に裏付けている。
<核と戦車の売人か>
1月24日付のインド・ニューデリー発のロイター電が、大いに気になった。日本政府が救難飛行艇を手始めに、武器輸出に走り出すとの記事である。三菱重工と川崎重工の株式に影響を与えるという。武器弾薬メーカーに貢献する安倍のインド訪問なのだと。現に、昨日から安倍は夫人同伴でインドを訪問している。ロイター電は、三菱など武器メーカーの財閥首脳を随行させる、とも報じていたが、その通りとなった。本来の日本では、これだけで議会が止まり、内閣は総辞職に追い込まれたものだ。
トルコへと三菱の原発売りに成功した安倍は、インドにもほぼ成功している。これに平和を宣伝してきた公明党の山口も、推進に一役買っている。今度は通常兵器の売り込みというのだ。
日本の戦後外交のルールを全て取り払っているのだ。安倍の言う「戦後レジームからの脱却」とは、核と戦車の売人ということなのだ。狂気だ。恐ろしい日本へと舵を切っている。これをまともに批判しない、議会と新聞テレビの今の日本である。
<米産軍体制からヒント>
なんのことはない。これはアメリカの産軍複合体の手口である。緊張をまき散らして、武器弾薬を売り込んで、ぼろ儲けする。死の商人そのものである。落ちるところまで落ちた日本外交を裏付けている。
人殺しを、暴利の武器にしてしまうワシントンの戦争屋に、アジアや中東は利用されてきたが、日本もそれに与するというものなのか。隣国が警戒するのも理解できるだろう。
<中韓標的に世論操作>
その隣国の反発を逆手に取る。これが天皇制国家主義の巧妙な手口なのである。
したがって、隣国に対して挑発を繰り返し続ける。それが皇国史観をベースにした歴史認識、従軍慰安婦問題である。非難が強まると、村山談話を踏襲する、とうそぶく。そこに誠意や信頼という人間本来の特性などない。「いつも扉を開けている」とも、公然と第三者向けに発する。
極め付きが靖国・戦争神社への参拝である。ワシントンの面子を潰すことなど平気なのだ。今後、米CIAがどう動くのか、それによって日本の新聞テレビも影響を受けることになる。日本マスコミは財閥とCIAには弱い。首相官邸への盗聴の行方に一喜一憂するのかもしれないが。
もう一つが領土問題である。尖閣と竹島を利用しての隣国の反発を、日本人の精神を狂わせるのに使うのだ。巧妙な世論操作だ。無知な国民は知らず知らずのうちに反韓国・反中国のナショナリスト感情にさせて、改憲軍拡へと引きずり込む。以前であれば、議会と新聞で撃破することができたが、今は逆さまの日本になっている。
新聞テレビを掌握すると、それに引きずられる日本人が多数である。これが安倍内閣を支えている原動力といっていいだろう。読売ナベツネ・中曽根と連携する強みともいえる。財閥・電通に抵抗できない新聞テレビなのだが、こうしたありふれた分析さえも、海外の日本研究者はまったく理解していない。告白すると、北京や上海でも、こうした苦汁をなめさせられてきた筆者である。
<ナチスのワイマール体制崩壊をまねる>
安倍の極右路線は、ハード面で米産軍体制をまねている。過去に自民党総裁を歴任したリベラルの河野洋平は、極右路線を「ミニアメリカ」と断罪したものである。しかし、ソフト面ではナチスの手口をまねている。それはワイマール体制を破壊したそれである。
気が付いたらワイマール体制は崩壊していた、という麻生太郎の指摘を待つまでも無い。悪しき既成事実の積み重ねである。核や戦車の売り込みと、比例する軍事経済化である。世界不況下のもとで、ハードとソフトを上手に組み合わせることで、愚民をあらぬ方向へと引きずり込むのだ。
カルト信仰である神社神道を活用するのである。靖国に限らない。自宅の目の前にある、原始的神社信仰は家の中にまで神棚となって入り込んでいる。明治の悪しき成果である。
戦争責任をあいまいにしてきたツケでもある。
<平和憲法を踏みにじる>
平和憲法破壊の最初の犯人は、米ソ冷戦下のアメリカである。CIAである。彼らによって戦争犯罪者が浮上した。首相にまで登りつけた。岸信介である。正力松太郎は読売を活用、いまナベツネが君臨している。ナベツネの努力で中曽根も浮上した。いま彼らの戦争を知らない子孫が、権力を掌握して暴走している。
憲法を踏みにじることに抵抗感が無い面々だ。安倍側近には、中国の太子党ならぬ戦前派の子弟が目立つ。
<日本財閥の先兵>
日本軍国主義・天皇制国家主義の復活を目指している勢力が他にもいる。財閥である。朝鮮戦争で復活、ベトナム戦争で拡大、日本経済の急成長で戦前をはるかに超え、中曽根バブルで世界企業へと発展した。欧米の1%と肩を並べようとしている。彼らの豊富な資金が永田町・霞が関・新聞テレビに注入されている。彼らは第2、第3の安倍を沢山抱えている。
安倍内閣は彼らの先兵・傀儡政権であると、あえて断じたい。安倍を原発・核の売人に育て上げ、今また戦車の売人にも育て上げている。これらは日本国憲法に違反する愚挙である。
<国際社会の出方次第の日本の将来>
財閥・安倍内閣の暴走を止めることが出来るのか。いまの国際社会が、アジア・欧米が、問われている重大事とも、指摘する必要があろう。日本国内の平和勢力の力はあまりにも弱い。弱すぎる。ジャーナリズムが崩壊、議会が衰退してしまっている。残るは国際社会の対応である。中国や韓国の反発だけでは、極右戦略によって逆手に取られてしまうだろう。真の相手は財閥という認識が、何よりも重要なのだ。
福島を、正確に真実を伝えられない日本である。安倍内閣の暴走に手をこまねいて、ただ見ているだけの日本である。言論の自由が著しく抑制されている日本である。
元外務官僚の東郷は「靖国参拝は第2の敗戦日本になるかも」と指摘している。完全に孤立する日本から類推される結論であろう。筆者はもっと深刻だと考えている。軍事経済化に走り出した日本の前途は危険極まりない。安倍外交を克明に追跡すれば正解を得ることが出来るだろう。インド訪問の意味するものは、日本や世界にとっても重い。
2014年1月26日記
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