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「安倍ドリル」の犠牲者となる庶民 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/147462
2014年1月24日 日刊ゲンダイ
増え続ける非正規雇用
なんとも勇ましい発言ではないか。「既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になる」――。ダボス会議の基調講演で、安倍首相はこう訴えたそうだ。
安倍ドリルは、すでに動き出しているらしい。東京五輪が開かれる2020年には電力市場が自由化されていて、再生医療を産業として育て、コメの減反も実施するとしている。その上で、これらのテーマは「日本では、久しく不可能だといわれていたこと」と指摘。「いかなる既得権益といえども、私の“ドリル”から無傷でいられません」と強調した。
それではこの先、ドリルの刃はどこに向かうのか。TPPや容積率の緩和、法人税率の引き下げなどを挙げていたようだが、問題は「雇用市場の改革」である。女性の登用は結構なことで異論はないが、一方で、外国の企業や人が最も働きやすい国にすると主張している。外国企業にとって足かせになるのは日本の雇用環境だ。そこをドリルで壊すつもりなのだろう。
すでに、日本の伝統的な雇用習慣は小泉竹中構造改革で破壊されている。雇用の自由化という美名の下、終身雇用は時代遅れとされ、不安定な立場の労働者が増え続けたのだ。実際、小泉政権時代の2001年8月に1377万人だった非正規雇用者の数は、昨年11月に1964万人まで600万人近く増えている。一方で正規雇用者は、3597万人から3310万人と300万人近く減少した。
安倍ドリルは、これをさらに加速させるのだろう。刃先でズタズタに傷つけられるのは労働者である。ドリルの犠牲者は、立場の弱い庶民にほかならない。
もともと安倍政権は弱者を思いやる姿勢が皆無である。異次元の緩和で輸入品の価格が上昇し、食料品や生活雑貨が軒並み値上がりしても、「物価上昇はアベノミクスの成果」という態度だ。庶民生活に対する目配せができる政治家なら、強引な金融緩和には踏み込まなかったのではないか。一部の輸出産業が儲かって、GDPが上向きさえすればいいという発想なのだろう。個人の暮らしは置き去りである。
国家や企業を見て、人を見ない政治。行き着く先は、独裁ではないかという懸念は拭えないのだ。
【高橋乗宣】
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