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2014-01-25 07:19:19
「景気回復の実感を、全国津々浦々にまで届けようではありませんか」と、安倍晋三という首相の座にある男が昨日1月24日、施政方針演説で呼びかけました。「好循環実現国会」とのフレーズも、好んで繰り返しました。
それが実現して、国民みんなの懐が温かくなるのは大歓迎です。ぜひ、そうあってほしい。単なる口約束でなく、暮らしやすい生活が全国津々浦々で現実になってほしい。心からそう願います。
しかし、この男の得意技は、耳障りのいいフレーズを振りまきながら、実際には反対のことを平気でやってのけることでした。
たとえば、庶民からカネを幅広く召し上げるために4月から消費税を2ポイント引き上げます。一方、法人税は引き下げます。つまり、庶民から巻きあげて、そのカネを儲かって内部留保をたっぷり貯め込んでいる大企業に回すという政策です。
アベノミクスとやらの効果で、株が上がり、景気回復の兆しが明確になって来たと、強調します。たしかに一部で株高の恩恵にあずかり、高額商品がよく売れているそうです。
では、国民の大多数を占める中小企業従業員の懐が温かくなってきたでしょうか。むしろ厳しい寒気にさらされたままというのが実態ではないでしょうか。
アベノミクスとやらの実態は、経済の二局分化です。大企業を中心とする儲かる層と、いつまでも恵まれない層。富める者はますます豊かに、そして恵まれない人々は置いてきぼりの社会です。
「政労使会議」などを開いて、経団連など参加の大企業が賃上げするよう政府が音頭を取っています。一部の企業は賃上げを実施するでしょう。しかし、賃上げの恩恵が社会全体に広く行きわたり、全国津々浦々にまで届く見通しはありません。賃上げが実現したところですら、消費税増税分をカバーするのがやっとです。
日本のお手本は、先行するアメリカです。かつての「陽気なヤンキー」がミドル層として世界からうらやましがられたアメリカン・ドリームの国は、すっかり姿を変え、極端な二極化が進みました。レーガン大統領(当時)が導入した市場原理主義が幅をきかし、マネー・ゲームの時代に入ってリーマン・ショックなどを通じてミドル層は崩壊させられ、見るも無残な状況が現れています。つい最近は、超有名小売業のシアーズやペニーが倒産したというニュースが伝えれました。日本で言えば、イオンやヨーカドーがつぶれる事態です。
安倍流政治の真骨頂は、めくらましの術です。耳触りのいい言葉で呼びかけ、庶民をたぶらかす。耳くらましというべきでしょうか。耳くらましを食らっているうちに、大多数の庶民は貧困層への道に追いやられる。いま、非正規でやっと食べている人たちが50代、60代になったとき、どんな社会になっているでしょう。アメリカのように、富裕層が生活を謳歌する一方、多くの貧困庶民層は食うや食わずの日々になりかねません。
安倍内閣は一日も早く退陣に追い込むべき、と強く主張します。
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