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2014年01月24日 DAILY NOBORDER
「日本をずっと覆っていた厚く黒い雲を吹っ飛ばすことができた。ぶれることなく、強い経済を取り戻し、デフレ脱却を目指したい」
安倍晋三首相は19日に行われた自民党大会の演説でこう述べていたが、本当にそうか。
先の臨時国会での特定秘密保護法案の強行採決や年の瀬の靖国神社参拝、あるいは年明け早々には集団的自衛権行使に意欲を見せ、4月からは消費税率引き上げが待ち構えている。きっと国民は暗澹たる思いで安倍首相の言動を見つめているに違いない。さらに言えば、安倍政権の先行きにも暗雲漂う19日の沖縄県名護市長選の結果だった。
米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する現職の稲嶺進氏(68)が前自民党県議で安倍政権が担いだ末松文信氏(65)を大差で破り再選をはたしたのである。辺野古への移設は米軍再編の根幹を為すもので、日米同盟強化を訴える安倍外交にとっては手痛い黒星となった。年末に控える沖縄知事選で辺野古移設容認派の現職、仲井真弘多知事の再選が阻まれるようなことになれば、いよいよ普天間移設問題は袋小路に入る。
あるいは23日告示の東京都知事選はどうか。安倍首相は18日に行われた自民党全国幹事長会議で「都連が推薦した候補者をしっかりと党本部も応援していきたい。都の課題である社会保障への対応は、厚生労働相を経験した舛添さんがふさわしい」と述べている。
だが、舛添要一氏の応援を期待した小泉進次郎内閣府政務官から「自民党の使命は終わったと言った人でしょ。自民党を除名された方を支援するということも、除名されたけど支援を受けるということも両方とも私には良く分かりません。応援する大義がない」と批判され、さらには舛添氏の元妻で自民党の環境部会長を務める片山さつき参議にまで「舛添氏は障害を持つ婚外子に対する慰謝料や扶養が不十分だ。解決されてない」と拒絶されては明らかに形勢不利。自民党と足並みを揃える公明党は舛添氏の行状を知ってか知らずか、井上義久幹事長が16日の中央幹事会で舛添氏支援の理由を「厚生労働行政に習熟し、2020年の東京五輪のほか、東京が抱える課題の防災減災や高齢化、医療・介護といった行政を担うに適した候補だ」と説明している。間抜けな話しだ。
すでに報道されている通り、舛添氏は結婚離婚を繰り返し、外に何人もの婚外子をもうけて養育費をケチり、そればかりか九州の年老いた母親の面倒を生活困窮する姉に押し付け、そのくせ競馬に大金を叩くような男である。それに参院選に初当選した際には地元北九州の広域暴力団の最高幹部が後援会長だったことも付け加えておきたい。それでどうして福祉行政に携われよう。
次いでながらにご報告申し上げると本欄(東京スポーツ)の対談で長くお付き合い頂いている上杉隆氏が20日付けで細川護煕氏のメディア(報道・ネット)担当として選挙対策本部に入ることになりました。そして、小泉純一郎元首相も19日から「ツイッター」を開始。細川氏が22日、正式出馬表明。これを迎え撃つ舛添氏との事実上の一騎打ちとなる東京都知事選は戦闘モードに突入する。
【ブログ「藤本順一が『政治を読み解く』」より】
http://fujimoto-junichi.blogspot.jp/2014/01/blog-post_23.html
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