http://www.asyura2.com/14/senkyo159/msg/876.html
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ダボス会議で安倍晋三が靖国参拝の目的を“懇切丁寧”に説明する会を開いた。そこで安倍晋三が『現在の日中関係は、第一世界大戦前の英独関係に似ている』と発言した。この発言の意図は欧州やロシアの反安倍を決定付ける可能性がある。中国は政府間断交の状態を強め、米国は立ち往生し途方に暮れる。
独日の政府間(正確には両国軍間)対立に困り果てた米国は、ドイツの期待を裏切り、反日を翻して、英仏露日同盟側に付いた。ロシアは革命で戦争から脱落したが、代わりに米国が対独参戦し、勝運を決定付けた。
ドイツ帝国は短期間で急激に人口が膨張し(1875年に4200万人だったドイツの人口は1913年には6800万人に増加)、余剰人口を海外植民地獲得で凌ごうとした。それには太平洋の島しかなかった。しかし、大英帝国が殆ど植民地化している。英独は熾烈な軍拡(建艦)競争になった。
ドイツの『海洋進出』は大英帝国との戦争が避けられない代物の政策であった。ドイツはまた清国の植民地化を企んだ。その足掛かりを日本が日清戦争で取った山東半島に求め、ドイツが主役となり日本に対する三国干渉によって放棄させた。
ドイツは米国やロシアを同盟国に誘ったが、その領土拡大方針が嫌われ、ドイツの同盟国は清国とオスマントルコという斜陽の国しかなくなった。英国は露日仏米によるドイツ帝国包囲網を手に入れた。
第一次世界大戦の勃発は植民地分捕りの局地戦ではなく、親子関係にあったオーストラリア・ハンガリー帝国が舞台となった。この帝国は東に膨張して主力のマジャール人の他に50もの人種がひしめき、マジャール人に対する怨嗟から内部テロが続発していた。その内部テロが大戦の火ぶたを切った。
…………
菅官房長官は安倍の発言趣旨が『軍拡を止め、コミュニケーションで戦争勃発阻止』であると説明したが、ドイツ帝国と大英帝国の間は過剰で煩わしいほどのコミュニケーションがあった。ドイツ皇帝の母親は大英帝国王女ヴィクトリアであり、大英帝国のエドワード7世は弟であったからだ。
第一次世界大戦は、大英帝国のヴィクトリア女王の長女の息子(ドイツ皇帝)と長男の息子(イギリス王)の戦争で、いわば家庭内戦争であった。親密であるが故に、憎しみ合うと和解はあり得ないという骨肉の論理である。
…………
安部晋三が主張したかったのは、ドイツが『海洋進出』政策を採った結果、大英帝国が植民地維持のために建艦競争に応じざるを得なくなって、それが第一世界大戦を引き起こした、すなわち、当時の大英帝国を今の日本に、ドイツ帝国を今の中国に見立てる主張である。
しかしながら、ドイツ帝国のイギリス包囲網政策は安倍晋三の中国包囲網牽制にそっくりである。麻生の「価値観同盟」や安倍の「積極的平和主義」という日本人にも理解不能なイデオロギーは大植民地の維持に汲々としていた大英帝国の政策と勘違いしそうだが、大英帝国は今の中国と同じだった。
ドイツの植民地分捕り政策に対抗するイギリスの政策は植民地の自治拡大による独立への基礎を固めさせる政策であった。これは今の中国とASEAN関係に似ている。中国は搾取ではなくASEAN各国の自立と繁栄を永続化させるための国家基盤建設に協力しているからだ。
米国の立ち位置も似ている。ドイツ帝国は日本の露骨な領土拡張と輸出攻勢に反感を抱いている米国を強力な同盟国と期待した。しかし米国人のルーツは英国であった。米国は英国に付いた。
安部晋三が想定する、大英帝国=日本/ドイツ帝国=中国という構図は欧米人には理解し難い。全く逆に捉えるだろう。つまり、大英帝国=中国/ドイツ帝国=日本。そんな基本的な国際関係を西邊あたりからいい加減に吹き込まれ「中国包囲同盟」に邁進する安部晋三に米国は絶対に付けない。
安部晋三は第一次世界大戦の歴史をも修正しようとしているのか。執拗で懲りないストーカーだ。安倍晋三を待ち受ける運命は米国から見捨てられ敵対されるドイツ帝国でしかない。愚かだ。
…………報道…………
◆Japanese PM Shinzo Abe urges Asia military restraint(BBC)
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-25851960
◆首相発言に海外から批判、日中を“英独関係に例示”(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2110323.html
@「現在の日中関係は第1次世界大戦前のイギリスとドイツの関係に似ている」。スイスを訪問中の安倍総理がこんな発言をしたと各国のメディアが批判的に報じています。イギリスとドイツは激しく敵対し世界を巻き込む大戦に発展したことから不穏当な発言と受け取られたようです。
A菅官房長官は会見で、安倍総理の発言について「イギリスとドイツは大きな経済関係があったにもかかわらず第1次世界大戦が起きた。そういうことは起こしてはならない」ということであり、「日中に問題があるときは相互のコミュニケーションを緊密にすることが重要だ」と述べたと説明した。
◆Abe sees World War One echoes in Japan-China tensions(Reuters)
http://www.reuters.com/article/2014/01/23/us-japan-china-idUSBREA0M08G20140123
◆安倍首相“英独関係”発言、中国外務省は強く批判(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2110324.html
@安倍総理が現在の日中関係を「第1次世界大戦前のイギリスとドイツの関係に似ている」という趣旨の発言をしたとのイギリスメディアの報道を受け、中国外務省は23日、「発言は、侵略の歴史からの逃避で概念のすり替えだ」と強く批判しました。
A中国外務省秦剛 報道局長「第一次世界大戦のイギリスとドイツの関係の歴史に何の意味があるのか、中国の指導者の発言は侵略の歴史からの逃避だ。概念をすり替えようとしている」
Bまた、安倍総理が中国の軍事予算の透明性を問題視したとの報道については、「中国は白書などで軍事予算を正式に発表している。むしろ日本側が透明度を高め、憲法改正や軍備拡張などの理由を説明すべきだ」と反論。
- 安倍ダボス発言:世界の論説報道 SukiyakiSong 2014/1/25 17:48:01
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- Re: 安倍晋三ダボスで『WWUでは足らずWWTも歴史修正』 SukiyakiSong 2014/1/24 02:59:16
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