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古村治彦です。
今回は、東京都知事選挙について、過去のデータを振り返りつつ、妄想していきたいと思います。過去のデータは、ウィキペディアに掲載されているものを使います。
※ウィキペディアの「東京都知事選挙」についてのページのアドレスは以下の通りです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E9%81%B8%E6%8C%99
(貼り付けはじめ:少し加工を施しました)
2012(平成24)年12月16日執行
※当日有権者数:10,619,652人 最終投票率:62.60%(前回比:+4.80ポイント)
候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 得票率 推薦・支持
・猪瀬直樹 66 無所属 新 4,338,936票 65.27% 公明、維新支持・自民支援
・宇都宮健児 66 無所属 新 968,960票 14.58% 日本未来の党、共産、社民、緑の党、
新社会党、東京・生活者ネットワーク支持
・松沢成文 54 無所属 新 621,278票 9.35% なし
・笹川堯 77 都民のくらしを守る会 新 179,180票 2.70% なし
・中松義郎 84 無所属 新 129,406票 1.95% なし
・吉田重信 76 無所属 新 81,885票 1.23% なし
・トクマ 46 幸福実現党 新 47,829票 0.72% なし
・マック赤坂 64 スマイル党 新 38,855票 0.58% なし
・五十嵐政一 81 無所属 新 36,114票 0.54% なし
2011(平成23)年4月10日執行
※当日有権者数:10,505,848人 最終投票率:57.80%(前回比:+3.45ポイント)
候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 得票率 推薦・支持
・石原慎太郎 78 無所属 現 2,615,120票 43.40% 都議会自民、公明 推薦
・東国原英夫 53 無所属 新 1,690,669票 28.06% なし
・渡邉美樹 51 無所属 新 1,013,132票 16.81% なし
・小池晃 50 無所属 新 623,913票 10.35% 共産 推薦
・ドクター・中松 82 無所属 新 48,672票 0.81% なし
・谷山雄二朗 38 無所属 新 10,300票 0.17% なし
・古川圭吾 41 無所属 新 6,389票 0.11% なし
・杉田健 43 新しい日本 新 5,475票 0.09% なし
・マック赤坂 62 スマイル党 新 4,598票 0.08% なし
・雄上統 69 東京維新の会 新 3,793票 0.06% なし
・姫治けんじ 59 平和党核兵器廃絶平和運動 新 3,278票 0.05% なし
2007(平成19)年4月8日執行[編集]
東京都庁舎前・東京都知事選挙横断幕詳細は「2007年東京都知事選挙」を参照
※当日有権者数:10,238,704人 最終投票率:54.35%(前回比:+9.41ポイント)
候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 得票率 推薦・支持
・石原慎太郎 74 無所属 現 2,811,486票 51.06% 自民、公明 実質支援
・浅野史郎 59 無所属 新 1,693,323票 30.75% 民主、社民、国民 実質支援
・吉田万三 59 無所属 新 629,549票 11.43% 共産 推薦
・黒川紀章 73 共生新党 新 159,126票 2.89% なし
・ドクター・中松(中松義郎) 78 無所属 新 85,946票 1.56% なし
・桜金造 50 無所属 新 69,526票 1.26% なし
・内川久美子 49 無所属 新 21,626票 0.39% なし
・外山恒一 36 無所属 新 15,059票 0.27% なし
・高橋満 61 無所属 新 5,558票 0.10% なし
・雄上統 65 無所属 新 4,020票 0.07% なし
・山口節生 57 カント〜 新 3,589票 0.07% なし
・高島龍峰(木村一成) 71 無所属 新 3,240票 0.06% なし
・佐々木崇徳 64 無所属 新 2,845票 0.05% なし
・鞠子公一郎 33 無所属 新 1,373票 0.02% なし
(貼り付け終わり)
これらのデータで分かることは、まず一応国会に議席を持っている政党の支持、支援がある候補者たちがある程度の票数を獲得していることです。そうではない場合は、圧倒的な知名度があることが必要です。
そして、当選するためには最低でも260万票が必要なことです。投票率が上がれば、この数字も上がっていくでしょう。
前回の選挙の場合、有権者数は約1060万、投票率は約63%でした。これを掛け合わせると、投票総数は約637万票ということになります。
自公維新が推した猪瀬直樹氏が約434万票(約65.3%)、次点の宇都宮健児氏(ほぼ全てのリベラルな野党が推した)が約97万票(約14.6%)、無所属の松沢成文(元民主党所属国会議員、元神奈川県知事で一定の知名度あり)が約62万票(約9.4%)を獲得しました。
前回は長く続いた石原都政の継続性と顔が変わるということで投票率も上がりましたが、上がった分が全て猪瀬氏に流れたと思われる程に猪瀬氏への投票が多くなりました。
政治学の理論の一つである合理的選択論(Rational Choice Theory)で考えると、有権者は自己利益の最大化を考えます。もし、投票することよりも投票しないことが自分の利益になると考えれば、棄権します。また、投票する一票が死票になって欲しくないと考えます。わざわざ自分が当選するはずもないと考える候補に入れる人はいません。できるだけ、勝ち馬に乗りたいと考えるのが人情という訳です。
主義、主張、イデオロギーがはっきりある人たちにとっては、投票を通じての意思表示が自己利益になるのですが、ほとんどの人にはそんな強固な考えはありません。そうではありますが、バランスを取るという行動に出ることもあります。
今回の場合、細川護煕元首相の出馬表明がない段階では、舛添要一元厚労相、宇都宮健児弁護士・元日弁連会長、田母神俊雄元航空幕僚長・元空将・軍事評論家の争いになると考えられていました。舛添氏を自公に民主が支援し、宇都宮氏を共産党、社民党が支援し、田母神氏を石原慎太郎元東京都知事を含む、維新のゾンビ議員たちが支援することになっていました。はっきり申し上げて、この構図では、舛添え氏が圧倒的に有利な状況でした。自公で基礎票が180万から200万。民主党まで入れれば200万は超えてくる数でした。宇都宮氏に各政党が最大限支援しても100万に届かずで、田母神氏はそこまでもないということになったでしょう。
そうなると、勝ち馬に乗りたい普通の有権者たちは舛添氏に投票するか、「もう結果が分かっているのなら」ということで棄権してしまったことでしょう。
ここに細川氏が小泉純一郎元首相と小沢一郎代議士・生活の党代表の支援を受けて出馬表明を行いました。ここでこの安定した構図に波乱が起きました。細川氏、小泉氏、小沢氏はそれぞれ毀誉褒貶が多い人物です。それぞれが批判し合う関係でありました。それが東京都知事選に向けて「脱原発」ということでタッグを組みました。
これで何が起きるかということを思考実験してみます。脱原発(舛添氏も自分なりの脱原発を主張されているようです)系が固まって支援するはずだった宇都宮氏から細川氏へ支援を変える組織や人々が出てきました。これに対して、宇都宮氏を支援する組織や人々はこうした動きに反発して、より支援に力を入れ、宇都宮氏支持に力を入れることになります。舛添氏の方では、足元にくさびを打ち込まれた形になります。
自民党と公明党は、党本部を上げて舛添氏支援を行おうとしています。しかし、自民党内部には舛添氏に対するアレルギーがあります。自民党政権時は厚生労働大臣を務めながら、自民党が野党に転落すると除名処分となる離党を強行しました。また、自民党の支持者の中には、田母神氏を支援したいとする人たちがかなりいることも分かってきました。
自民党の支持層に細川と田母神でくさびを打ち込んでいく、そして、公明党の支持母体である創価学会の信者の皆さんの中には平和や原発問題についてかなり懸念を持っている方々もいらっしゃると聞いています。安倍氏に対するブレーキ役になるかもしれません。
さて、ここで、基礎票について考えてみたいと思います。前回の投票数が約637万でした。舛添氏の基礎票は180万から200万ということで圧倒的に有利な状況は変わりません。数十万票の票数を獲得しそうな候補が4名ですから、過半数を獲得する候補者は出にくいと考えられます。ですから200万台での争いとなるでしょう。
宇都宮氏は共産党の支援がありますから大体60万、細川氏は民主、社民などを合わせて恐らく60万くらいではないかと考えます。田母神氏は20万票くらいではないかと考えます。これにはあまり根拠はありませんが、最終的に50万票ほど獲得出来たら御の字ではないかと考えます。
宇都宮氏と細川氏はいかにしてそこから200万台に乗せていくかの勝負となります。無党派層への浸透と他陣営の切り崩しが大きなカギとなります。自民、公明から多くを切り離せるのは細川氏であると考えます。宇都宮氏は共産党の党員でもないし、公認候補でもないのですが、自民党の支持者層は宇都宮氏に投票しづらいと考えられます。既に細川氏支持を表明している自民党の地方議員も出ているという話です。
無党派層への浸透は宇都宮氏の方が一日の長があるように思われますが、小泉氏の動員力(ミーハーですが見てみたいと思う人は多いと思います)と小沢氏とその周辺の選挙活動のうまさはやはり大きなものがあります。
そう考えると、200万台に乗せていく力を持つのは細川氏であると考えます。それでも恐らく舛添氏を抜くことは難しいでしょう。舛添氏230万、細川氏200万、宇都宮氏150万、田母神氏50万ということになるでしょう。
舛添氏が敗れる場合というのは、投票率の上昇と自公の支持者の投票が低調である時ということになります。しかし、自公に加え、連合東京の支援もあるということで、楽々と200万票を越えてくるということで、舛添氏の有利さは変わらないでしょう。
しかし、細川氏の出馬までは、勝利の確立がほぼ100%であったものが、少し引き下げられているのではないかと思います。細川氏の出馬によって「2月9日の投票日までどうなるかは予断を許さない状況です」という表現が少しリアリティを持つようになりました。
(終わり)
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