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アメリカは両刀使いである事を知るべし
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★「田中良紹氏の視点ー(2014/01/19)」★ :本音言いまっせー
安倍総理が昨年末に靖国神社を参拝した時、フーテンははじめ「アメリカと事を構える気か」と思った。昨年10月にケリー国務長官とヘーゲル国防長官がそろって千鳥ヶ淵の戦没者墓苑を訪れ、アメリカのアーリントン墓地に匹敵するのは靖国神社ではなく千鳥ヶ淵戦没者墓苑である事を行動で示していたからである。
しかしアメリカの足の裏をなめなければすべてがうまくいかなくなる安倍政権に「事を構える気」などあるはずがない。中国や韓国の反発に対抗するにはさらにアメリカへの従属度を強め、靖国参拝問題の拡大を収めてもらうしかない。保守化ではなく従属化がますます強まるだろうとフーテンはブログに書いた。
案の定、年が明けると安倍総理の靖国参拝にアメリカの理解を求める議員の訪米が相次いだ。8日から10日にかけて中曽根弘文、塩崎恭久、小坂憲次の各議員がワシントンでアーミテージ元国務副長官やラッセル国務次官補らと会談し、安倍総理が「不戦の誓い」のために参拝したとする総理談話を説明した。
また13日から15日にかけて安倍総理の実弟である岸信夫外務副大臣もシャボット下院アジア太平洋小委員長やバーンズ国務副長官と会談し、安倍総理の靖国参拝に理解を求めた。いずれの会談でも「安倍総理の靖国参拝はアメリカ側の理解を得られた」との報道がなされた。
なにやら部下が上司の不始末を揉み手しながら「見逃してくれ」とお願いに行ったような光景である。アメリカからは「説明は分かったが、その代りこれからはこちらの言う通りにしろ」と言われたようだ。
政権の中枢とも思えないレベルの人間に理解を求めに行く構図がこの国の従属度を示している。つい先ごろまでメディアの注目を集めていたキャロライン・ケネディ大使の存在はどうなったのか。この問題で政府与党関係者と会談したという話を聞かない。
ケネディ大使はオバマ大統領と直接話が出来ると言われている。日本政府や自民党がアメリカの理解を得たいというのならまずケネディ大使の理解を求めるのが筋ではないか。それもしないで下のレベルがワシントンに詣でて下のレベルと会談し「アメリカの理解が得られた」というのはメディアにそう書かせたかっただけなのではないか。
しかしこの報道を靖国参拝支持派がみれば、アメリカの理解が得られたのなら年末という半端な時期ではなく、4月の春季例大祭に安倍総理は参拝すべきだという事になる。しかし4月には消費税が増税される。またその時期にオバマ大統領がアジア訪問を計画している。従って4月の参拝は政治的に難しい。一連の揉み手外交は悩ましい要素を生み出すかもしれない。
そう思っていると安倍総理の最側近がアメリカと「事を構える」ような発言を行った。萩生田光一自民党総裁特別補佐が党内の講演で「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない。民主党政権だから、オバマ大統領だから言っている」、「アーリントン墓地に参拝するのがけしからんと言ったらやめるのか」とアメリカのオバマ政権を痛烈に批判したのである。
萩生田氏は安倍総理と極めて考え方が近いとされ、昨年の8月15日には安倍総理に代わって靖国神社を参拝し玉串料を奉納した。その人物がしゃべったことは安倍総理の本音に近いと思われる。しかしその発言内容は「事を構える」にはあまりにも戦略性がなく、しかも勘違いだらけで幼児性に満ちている。
まずアーリントン墓地には宗教色がなく、宗教施設の靖国神社とは成り立ちが異なる。しかも戦勝国アメリカが裁いた戦争犯罪人が祀られているところに靖国問題がある。また共和党政権なら靖国参拝を認めると考えるのも間違いで、昨年千鳥ヶ淵墓苑を訪れたヘーゲル国防長官は共和党である。小泉元総理の靖国参拝を共和党政権は馬鹿な事だと思っていたが、小泉氏に利用価値があるので表で批判しなかった。
戦後の日本に平和憲法を押し付けて非武装中立思想を植え付けたのもアメリカなら、ソ連の防波堤に利用するため再軍備と憲法改正を要求したのもアメリカである。日米安保条約を日本の防衛のためと言うのもアメリカなら、日米安保は日本を自立させない「ビンのフタ」だと中国に説明するのもアメリカである。
日本に中国、北朝鮮の脅威を強調してアメリカ製兵器を売りつけても、核を持つ中国と戦争する気はさらさらなく、北朝鮮が核を持つことも事実上容認した。それが「平和ボケ」した日本人を恐怖に陥れ、アメリカの言いなりになる事を知っているからである。中国も北朝鮮もアメリカの国益にとって大いに利用できる存在なのである。
そうやって冷戦中に金満国家になった日本が貯め込んだ金を搾り取る。搾り取るためには日本経済が破たんしては困るので経済成長を要求する。短期的に経済成長させる簡単な方法は格差を拡大させる事である。それを日本に押し付けてきた。そうやってアメリカは日本を改造してきた。
そのための方法が二つの路線の使い分けである。どちらかにしがみついたり、どちらかを排撃すると日本は振り回される。アメリカの両刀使いを見極め、単純思考ではなく複眼思考で立ち向かわないと国益を損ねる。
かつて格差の最も少ない国を作り出して世界を驚かせた日本は自民党と社会党の巧みな二刀流によってそれを実現した。両刀使いに対抗できる二刀流を再び編み出す事が求められているとフーテンは思う。
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