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http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/archives/36546464.html
=転載開始=
ジャパン・ハンドラーズと合理的選択 Japanhandlers and Their Rational Choice
2014年01月21日15:35
(写真:http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/3/d/3dabcb1b.jpg)
【権力の弁証法】市民(ピープル)から市民(シティズン)へ−脱原発運動における主役の交代劇としての都知事選
アルルの男・ヒロシです。
前回(「細川元総理が都知事選出馬へ―世界リベラル勢力の意思とは」http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/archives/36306789.html)
の続きです。
(写真:http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/1/3/138108eb.jpg)
今井氏によれば、細川氏を推す瀬戸内寂聴、広瀬隆、古賀茂明(元経産官僚)、鎌田慧、吉岡達也、河合弘之弁護士、湯川れい子氏らであり、宇都宮氏支援に 道理があるとするのは、IWJの岩上安身、想田和弘(映画監督)、三宅洋平(歌手)らだという。
そして、それ以外に私が調べたところでは、原発訴訟で知られる海渡雄一弁護士は宇都宮寄りの スタンスを執るようだ。坂本龍一はいぜん宇都宮氏を確か支持すると表明していた。
このように、脱原発市民運動は支持する候補者で別れてしまった。
ここで今回、私が強く言いたいのは「市民」という言葉の 持つ意味についてである。
市民というのは、「さいたま市民」とか「八王子市民」という価値中立的な使い方以外に、近代市民革命の市民という意味と、市民運動の市民という意味がある。
つまり、日本語で市民という場合には英語で言えば、単なる住民という意味のresidentという訳語が当たる場合と、絶対王権に対抗し近 代市民革命を実現しようとした場合の金持ち経営者層を指すcitizen シティズンの意味、それから、一般の有権者から無産階級に至るまでのいわゆる「一般ピープル(パンピー)」の市民Peopleという意味があるわけだ。
今回、都知事選における支持層の別れは方はシティズンとピープル、それぞれが代表をたてたということなのである。シティズン側の代表が細川氏であり、ピープル側の代表が宇都宮氏である。
私はしがないピープルの一員である。だから、シティズンと言われる人たちにはあまり縁がない。しかし、歴史を学べば、歴史というのは常にピープルの側だけ ではなく、むしろシティズンという資産家層(カネを持っている側)が台頭してくることで、新しい道を切り開かれてきたことを知っている。
ピープルの熱狂による運動は、一時的にはものすごい勢いを持つ。これがポピュリズムというやつである。首相官邸前の首都圏反原発連合の動きはそれだ。かつてのフィレンツェで貧乏人の側に立って、メディチ家を批判して大人気を一時的に呼んだ修道僧のサヴォナローラのような宗教的熱狂を私は官邸前デモの太鼓部隊の演奏から感じた。地鳴りのような怒りをあの官邸デモに私は感じた。しかし、メッセージをうまく伝えることはできなかったように思う。
(写真:首都圏反原発連合の官邸前デモ:
http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/3/a/3af5b336.jpg)
それが山本太郎と三宅洋平の参院選挙ではかなり洗練されていった。というか、知的リベラルに受け入れられるようにパッケージ化されたのだと思う。だから山本太郎は当選した。
(写真: 三宅洋平の選挙フェス。勝手連選挙の新しい形:http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/5/2/5293569f.jpg)
ピープルの運動は一時的にはものすごい熱狂を生む。しかし、ピープルには自分の生活がある。生活を投げ出して運動に従事できるような 人は、やはりどこか普通のピープルではない。専従と呼ばれる人たちか、会社員づとめを終えた団塊の世代の人たちだ。普通のピープルが政治関与できるのは選挙の時であり、代表者を通じて自分の声をなんとか政治に反映させようとする。今のデモクラシーでは国会議員がそのピープルの代表としても当選を果たしていくわけだ。
シティズンだけではなくピープルの意見も反映されるようには一応はなっているわけだ。それでも組織を背景した勢力の声のほうが政治に反映されてしまう。
民主党政権はシティズンの代表である鳩山由紀夫が総理の座から追われて以来、官僚機構のやりたい放題にされてきた。ピープル代表の菅直人政権、野田佳彦政権のあの体たらくを思い出してほしい。
鳩山政権において、ピープルの代表になったのは小沢一郎(民主党)、亀井静香(国民新党)、福島瑞穂(社民党)の三人だった。
(写真:シティズンとピープルの連立政権:
http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/3/d/3da5c2bd.jpg)
共産党はピープルの代表であ るが共産党の理論というものを信奉しているのでちょっと毛色が違う。公明党も創価学会という宗教の在家信者を中心にした基盤を持つ政党であるから、セキュ ラーな価値観だけでは成り立っていない。
今回、福島瑞穂前社民党党首の事実上の旦那さんである海渡雄一弁護士は宇都宮氏を支援するようだ。だから社民党は ピープル陣営である。
思えば、鳩山民主党政権はシティズンとピープルの連合政権だった。これが安倍晋三のような「長州下忍勢力」たちが主唱する、東京裁判史観の打破という極めて特殊な地域性のある民族固有価値(ナショナル・ヴァリューズ)の勢力に対抗して登場し、鳩山政権はリベラルな価値観を体現する勢力としてこれまでの米国一辺倒の外交を多角化したのだ。しかし、シティズンはやはり泥臭い政治には慣れていない。民衆の苦しみを理念として理解することは長け ているが、実感としてはなかなか理解できないのかもしれない。
しかし、世界支配層とのパイプを持つシティズンの層は、どうしても日本政治には必要である。小沢一郎という優れた政治思想家であり実践家は、その辺のバランスを取りながら、ピープルのための政治も目指していた。それが彼の「国民の生活が第一」という政治理念である。
しかし、残念なことに鳩山政権崩壊後、シティズンの勢力は一歩政治の前線から退いてしまった。そうなると、ピープルの世界観だけが政治を動かすのだという錯覚をした市民活動家たちが、理想だけは高く掲げた妥協のない政治を実現しようとして奮闘するようになった。
脱原発にしても、貧しい民衆の権力から虐げられてきた、騙されていたことへの怒りが表面に現れて現実的な政策論争に繋がらない面があった。しかし、その一方で、シティズン層のクリーンなエネルギーを目指して文明の進歩を目指すという進歩主義的な価値観からの脱原発スローガンもあった。これらの勢力はじっと様子をうかがっていた。
巨大な官僚機構である「原子力ムラ」には、長年培った利権構造と人脈、理論武装がある。それに対抗するための、人材も資力もやはり一般ピープルの側には欠けている。だからこそ、脱原発には資金源が必要であり、それが自然エネルギー(太陽とか地熱とか風力とかバイオマスとか)や天然ガスのエネルギーロビーとして登場する必要があったのだ。その勢力が、従来の「原子力ムラ」との政策論争をする必要がある。ピープルの声は届いていないわけではない。しかし、最後に原子力ムラに引導を渡していくのは、シティズンの勢力なの だ。
シティズンの勢力が今回、細川護煕支援という流れの中で生まれてきた。私は、小沢一郎の勢力がまどんどん選挙で枕を並べて討ち死にしていく 中で、近いうちに、小沢の勢力はシティズンの勢力を土台に再編されていくだろうと予測していた。それが、木内孝胤という生活の党の前衆議院議員であろうと いうことも予測していた。今回、木内は、細川陣営の責任者である。
(写真:細川、木内、小泉の三者:http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/e/2/e294f304.jpg)
シティズンの勢力とピープルの勢力はケンカすべきではない、というのが今回の小沢一郎の 側近の平野貞夫氏の大局的な判断なのだろう。ピープルの側で小さくまとまっていくこともできるだろう。しかし、それでは安倍政権のやりたい放題になる。
これでこれまで喧嘩していた非自民グループがまとまってきた。これでようやく保守自民党への反撃の狼煙を上げることができる。政治は上の方から決まっていく。これは残念だが真実だ。
そして、細川元首相は、カトリックだそうである。朝日新聞に入社する前に、清泉女学院小学校から栄光学園中学校、学習院高等科卒業、そして上智大学を卒業 している。上智はイエズス会の勢力の牙城だ。そして今のバチカンの教皇は、南米のイエズス会出身でリベラル派と言われている。麻生太郎元首相はいわばバチ カン保守派。石破茂自民党幹事長はプロテスタントである。保守からリベラルの流れがキリスト教でもブームのようだ。
そして、細川陣営には鳩山邦夫の元関係者が出入りしているという。この関係者である馬渡という元衆議院議員の人物は一癖ありそうで、今回、田母神氏を応援するチャンネル桜の番組にも出てお り、安部首相が率いる日本原理主義派の保守「創生日本」のメンバーでもある。
鳩山家(といっても邦夫の方は今回は舛添支援)は欧州フリーメーソンリーの流れにある。言い換えれば、穏健なキリスト 教であるユニテリアン=リベラルなカトリック=フリーメーソンリーの結合が、安倍晋三率いる長州土着勢力(日本原理主義派)に「お灸を据える」という構図 かもしれない。
しかし、舛添要一を擁する長州土着勢力も法華講の勢力、大本教の勢力を取り込み、対抗している。がっぷり四つに組んだという感じだ。
世界レベルの権力構造に近いところに細川氏は居るのかもしれない。小泉、木内、細川のホテルオークラ会談で細川は最終的に都知事選出馬を決めたが、その三者会談では細川・小泉はオークラの料亭「山里」の天丼を頬張りながら、議論を重ねたという。
小沢一郎の率いた「市民革命」はひとまず、空中分解した。そこに世界普遍価値をも否定しかねない安倍政権が登場した。天皇陛下は去年の末の誕生日のお言葉で世界リベラル勢力への支持を表明された。その3日後に安倍晋三が靖国神社を参拝した。そして年明けに細川元首相の出馬表明となった。
天=デウスが我に味方せよと、細川忠興・ガラシャの末裔である元首相は考えたのかもしれないと歴史の彼方に思いを馳せてみたい。(了)
以上と関連する内容について、秀太郎氏がホストを務めるネットラジオの「アザーサードジャーナル」で45分ほど話しました。かなり妄想と推論が入っていますが、ご容赦下さい。
=転載終了=
- ↑「権力の弁証法」市民(ピープル)から市民(シティズン)へ−脱原発運動における主役の交代劇としての都知事選(訂正) 五月晴郎 2014/1/21 19:23:21
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