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【IWJブログ】 脱原発派の一部リーダーが公約正式発表前の細川護熙氏を支持、その裏側とは…
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/120716
脱原発候補の統一を目指し、宇都宮候補・細川候補に申し入れをした「脱原発都知事を実現する会」は20日、記者会見を開き、両候補から得た回答を検討した結果、一本化を断念。都知事選では細川氏を支持することを表明した。同会の申し入れ人の一人であるピースボートの吉岡達也氏は会見の中で、「本日、細川候補と電話でやりとりした」と話し、「再稼働はさせない」「原発はゼロ」という点はぶれることはないという言質を得たことを明らかにした。
これに関連して、吉岡さんに直接、話を聞いた。
吉岡さんは、「間違いなく細川さんと直接、電話で話した」と私に語った。湯川れい子さんとともに、細川氏の選対事務所を訪ね、「刷り物」(チラシ、ビラ?)にも「原発ゼロ」といった文言が刷り込まれているのを見た、という。
なぜ、会見や公約の発表が遅れているのか、という点については「単純に遅れてるのとちゃいますか。事務所もバタバタでしたよ」。
なぜ、一部の人には電話で公約について話すのに、公式には会見などで発表しないのだろうか、という点については、「取材申し込んだらどうですか? 申し込んでいるけど、返事待ち? うーん、僕らが事務所を訪問したりできたのは、僕らが支援者だからかなぁ」。
現在、IWJとしては、細川氏サイドへの取材の申し込みとともに、毎日新聞の報道の事実確認も行っており、その返事を待っている。これは、毎日が、1月12日付の記事で、「細川氏サイドは、候補一本化の話し合いの申し入れをしたが、宇都宮氏サイドがこれを断った」と報じたもの。
一本化を求める声、「脅迫」にまで過熱
この記事の事実関係について、宇都宮氏の選対幹部の海渡雄一弁護士に問い合わせると、
「事実無根。細川氏サイドから話し合いの申し入れが行われた事実はないし、我々が断ったこともない。我々は一本化に向けての話し合いをしましょうと申し入れもしているが、向こうが応じない。たくさんの人が『候補の一本化を』と言ってくる。『脱原発の実現のためなら、(小泉氏のような)悪魔とだって手を結ぶ』と言った人もいる。でも、その人たちは、悪魔と手を結べてないんですよ。『悪魔との契約書を見せてくださいよ』と言ったんですが、そんなものはないんです。
要するに『原発ゼロ』という約束の担保がないんです。一本化を求めてくる人たちに、では細川氏との話し合いのために橋渡しをしてくれ、と言っても話し合いは実現しない。そうした人たちを、細川氏サイドは相手にしていないからです」。
細川氏側が宇都宮氏側に話し合いを持ちかけた、という毎日の報道の真偽の見極めは、細川氏サイドからの正式な回答を待ちたい。ただ、気になったのは、一本化を求める声があまりにも過熱していること。「『降りろ』というだけではすまず、ついに脅迫まで来ました」と海渡弁護士は困り果てた口調で語った。
海渡弁護士は、それ以上の詳細は語らなかったが、事実であれば由々しきことである。一部の人が興奮し過ぎて、万が一のことがないようにと願う。くれぐれも冷静に。
さらに本日、記者会見を行い、細川氏支持を訴えた「脱原発都知事を実現する会」の河合弘之弁護士に、直接、この間の事情を聞いた。
岩上「海渡弁護士と話し合い、『悪魔とも手を握る』と言ったそうですが、真意を」。
河合「私はこれまでも、小沢さんの選挙の手伝いをしたり、そのたびに『やめとけよ』と言われてきたりした。常々、『脱原発を実現するためには、悪魔とでも手を握るよ』と、冗談半分で言ってきたりしたんです」
細川サイド、一本化には「きっぱりお断り」
岩上「細川氏との一本化を求めるけど、その細川氏サイドと手を組めていない、『悪魔との契約書がない』と海渡さんは言っていますが」。
河合「事実関係はこういうことです。私たち同志が集まって、『一本化を呼びかけよう』ということになり、両方に同一の書面を出しました。
宇都宮サイドからは、細川さんと公開討論をしましょう、という返事が来た。みんなに聞いてもらいましょう、という。付け足しで、我々が調整してくれるというなら、してくれてもいい、と書いてあった。僕らは非公開の話し合いの提案をしてきました。
公開の討論じゃ、降りる、降りない、という話し合いはありえない。公開の場では、公衆を意識して、自分と相手との違いを強調しようとする。僕らの提案はあくまで非公開。しかし宇都宮サイドは、公開を前提として正々堂々と討論しようというものだった。
かたや細川サイドからの返答は、いかなる政党、団体からも支援を受ける意志はなし、というもの。細川本人の脱原発の思いを有権者に直接訴えたいので、調整はいたしかねる、という、一本化についてはきっぱりお断りの返事でした。ただし、独自の立場での応援はどうぞ、とのこと。
それで、私どもは調整は無理と思い、一本化を諦めて、舛添氏を含めて3人の候補の、脱原発の言い分を検討し、細川氏を応援しようと決定して、今日、発表したんです。なので私どもの決定におかしいところはまったくありません」。
岩上「細川氏本人と会いましたか?」
河合「我々は細川氏本人とは会っていません。細川さんは今、誰とも会わない。細川陣営の選対の政策決定者に会って確認しました。誰かは言えません。でも、我々は宇都宮さん本人にも会っていませんからね。海渡さんとは脱原発の仲間だからしょっちゅう会ってるけど」。
岩上「なぜ、両陣営からの回答文書を公開しないのですか?」。
河合「公開するとは約束していないし、今日の発表の場で読み上げましたし、声明書にも引用しました」。
未だ公約を発表していない「悪魔」を支持!?
岩上「公約を明らかにしている宇都宮氏はともかく、まだ舛添氏と細川氏は公約を正式に発表していないのに、どうやってその公約の内容を比較して、応援するのは細川氏にしようと決めたのか。その判断の根拠は?」。
河合「政策担当者と直接会って確かめている。名前は…それ以上はカンベンして」。
岩上「海渡さんは、脱原発の公約の担保がないと言っているが、担保は?」。
河合「我々の支持は条件付き。細川サイドは、原発の再稼動は絶対認めない、原発ゼロ、最優先政策とする、というので、それを条件に支持をする、ということ」。
岩上「その三条件が守られないなら支持を撤回する?」。
河合「その通りです。我々は用心深くやっている」。
岩上「なぜ、正式に公約を発表するのを待たずに、先に細川氏支持を表明したのか?」。
河合「正式に公約を発表してから検討するのが、岩上さんの言うとおり、筋だと思う。
しかし時間がない。細川氏サイドの意向で、公約発表は、22日の午後5時に設定された。それからわずか7時間後には告示。公約の正式発表を待ってから検討して、我々の意志表明をしたのでは、告示と重なり、グチャグチャになって、我々の表明は、新聞に一行も出ない。新聞に取り上げてもらうにはこのタイミングしかない。苦肉の策。見切り発車」。
岩上「それでは、もしも細川サイドの正式公約が違うものだったら、支持撤回を表明してもマスコミには報じられないことになりますが」。
河合「うーん、そりゃ、でも、わかるでしょ。でも、こういう運動をする時には、ある程度思い切った行動に出ないとダメでしょ。なぜ正式な公約発表を細川サイドが22日の午後5時に設定したのかは、我々には計り知れない。介入もできない」
尊重されるべきは立候補者の意志
河合弘之氏への直撃取材の結果は以上。ちなみに細川氏サイドに一本化の打診をして、直接、細川氏から電話をもらい、「宇都宮氏とは一本化の話し合いをしない」と聞いた人物は他にも存在する。一週間ほど前に、私はその当事者から直接、話を聞いている。細川氏側にはもともと一本化の意志はない。候補当事者にもともとその意志がないのに、いくら周囲が騒いでも、「一本化」が実現するわけがない。また、立候補の出馬意思は、誰であれ、尊重されるべきである。他人ができることは「一本化したらいかが?」という提案まで。それから先は当事者の意思が尊重されるのは当たり前のことだ。
したがって、最初に引用した毎日新聞の記事は誤報の可能性が高い。細川氏サイドからの正式な回答があればお伝えする。
連日、私のメンションやメールなどにも、いろいろな人が書き込んできたりするが、中には細川氏側は話し合いを望んでいるのに宇都宮サイドが拒んでいるという、この毎日の記事を鵜呑みにしている人も散見される。我々も以前、引用したが、事実であると確認できないので訂正し、削除します。
以下、該当ツイート。
@IWJ_senkyo:1/12付の 毎日新聞記事 http://bit.ly/1m0rz4yにおいて、「細川陣営が宇都宮陣営に一本化の話し合いを持ちかけ、宇都宮側が断った」と報じられているが、宇都宮選対の幹部である海渡雄一弁護士は、「事実無根。細川氏側から話し合いの打診はないし、我々が断ったこともない。むしろ一本化協議の打診に向こうが応じない」と回答。同毎日新聞の記事は誤報の可能性が考えられる。
【岩上安身】
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