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全国的にも注目されていた名護市長選挙の投開票が行われた。最後まで予断を許さない注目の選挙戦だったが、「辺野古の海にも陸にも新しい基地はつくらせない」と一貫して主張してきた現職の稲嶺進候補が19839票を獲得して、辺野古新基地建設に賛成の末松文信元県議に4155票差をつけて当選した。前回の名護市長選に比べて票差もより広がった。
投票が締め切られた午後8時には、地元のQAB(琉球朝日放送)が当選確実の第一報を打った。期日前投票分の開票結果も出ない段階で、出口調査だけを元に当確を打ったのだから自信もあったのだろう。その後、地元紙の沖縄タイムス、琉球新報、NHKなどが当確を打ち、稲嶺進、末松文信候補の記者会見が行われた。
沖縄ケーブルテレビ(OCN)は、両陣営の選挙事務所にテレビカメラと記者を派遣して二元中継を行っていた。沖縄にとっては、県知事選に次ぐ重要選挙と位置付けたのだろう。あまりに早い当確で中継の映像は間延びしていたが、ま、それもご愛嬌である。
予想以上の票差で勝利した稲嶺進候補の勝因は何だったのだろうか。前提として、新年早々から沖縄は県民の怒りで盛り上がっていた。その怒りは辺野古新基地建設のための埋め立てを承認した仲井真知事に対する地元・名護市長選挙戦に向けられる形となった。
年末の県庁の御用納めに照準を合わせた仲井真知事の埋め立て承認に対しては、沖縄では怒りと絶望の雰囲気に包まれていた。仲井真知事本人は「いい正月を迎えられる」と一人悦に入っていたが、新基地建設の推進、賛成派はともかく、県民の7割近くは普天間基地の代替施設としての辺野古新基地建設に反対していた。順天堂大学病院に緊急検査入院した仲井真知事の松葉づえや車いす姿に同情する声は圧倒的に少なく、県民の総意とズレまくっていた知事の政治感覚を疑う見方が圧倒的だった。
そうした県民の気持ちが選挙結果にどう影響を与えるかが、注目されていたが、名護市民は交付金や新興資金を乱発した自民党政権と政府に対して「NO!」を突きつけたのだ。名護市長選で応援に駆け付けた石破茂幹事長は、選挙演説の中で500億円を拠出して振興資金を作ることを唐突に表明した。
かねてより基地と経済はリンクさせないと豪語してきた自民党が、名護市はカネで支配できると本音を露呈した瞬間だった。ここまで露骨な石破幹事長の権力者的ヤリクチに、さすがの名護市民も反発したのではないかと推察される。何が何でも辺野古に新基地を押し付けようという自民党の敗北の原因の一つに、この石破幹事長の強権的な政治姿勢があったはずだ。
石破幹事長は、沖縄選出国会議員5名と自民党沖縄県連を辺野移設容認に転向させた張本人でもある。デモ活動に対して「単なる絶叫戦術はテロ行為と変わらない」とか、「基地の移設は政府が決めること」と県民意志を無視した傲慢な発言を繰り返してきた。まさに仲井真知事ともども名護市長選挙敗北のA級戦犯である。
名護市長に辺野古反対派の稲嶺進氏が再選されたことで、新基地建設はどうなるのか。稲嶺新市長は、辺野古埋め立てを前提にした政府側との交渉は拒否することを宣言している。建設に10年、耐用年数200年といわれている辺野古新基地建設計画は先行き不透明となった。
この名護市長選の結果を待たずして、昨年末に埋め立てを容認した仲井真知事の判断ミスに対しても、2月から始まる沖縄県議会での責任追及も本格化するはずである。仲井真知事はその前に責任を取って辞職すべきが筋ではないのか。沖縄にどんよりと立ち込めていた重苦しい雰囲気が、様変わりしそうな名護市長選挙の結果を率直に喜んでおきたい。
幻視行日記20140120
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