http://www.asyura2.com/14/senkyo159/msg/671.html
Tweet |
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2014/01/post-20dc.html
2014年1月19日
マスコミは、都知事選における自民党と小泉純一郎元首相の両岸対決に鎮静的である。
その最大の理由は小泉元首相の抜群の知名度にある。
騒ぎ立てて、小泉元首相の存在をクローズアップさせることは、選挙戦の当否を決定する無党派層に甚大な影響を与えるからだ。
おそらく飯島勲氏あたりがそういう作戦に出ているのだろう。
政治とは、“公共意思”を決断することであり、その決断の過程において、決定権を掌握するために熾烈な権力闘争や利害調整を行う営為である。
日本の総人口は約1億3千万人に対し、東京都民約1千3百万人はその約一割である。
東京都は日本の中央集権体制のセンターと重なっており、近隣県への影響力も大きい。
よく言われるように、都知事の権限は人口1千3百万人の国家の大統領に等しく、予算規模でも独立国家の額である。
都政と国政は別個だとは言っても、実質、国政のセンターと地政学的に同一エリアに置かれているから、政治学的な相互影響効果は想像以上のものがある。
だからこそ、都知事の立候補者たちも政権与党も、都知事の政治方針が国政レベルに波及する展望で都知事選を把握している。
安倍政権の幹部連中は、狙い通りにコントロールできる自民党傀儡候補者の舛添要一氏で安心しきっていた。
安倍政権幹部連中は、自分たちの利得さえ確保できれば思想や信条、正義感などは邪魔だと思っている。
したがって、反党発言で除名した舛添候補を臆面もなく都知事として応援することなど何とも思わない浅ましい根性である。
その流れで安倍政権は舛添都知事の実現を全く疑っていなかったようだ。
舛添氏と自公両党の利害関係さえ合致すれば過去のいきさつはどうでもいいのだ。
ところが、そこへ細川護煕元首相が小泉純一郎元首相に担ぎ上げられて、一気に都知事候補として躍り出てきたものだから肝をつぶした。
仮に細川氏だけの立候補なら宇都宮健児氏と同格で、他の候補者たちとは違う存在感があるものの、舛添候補の圧勝という空気は変わらなかっただろう。
しかし、小泉元首相の後押しが加わったせいで今後の流れ次第では予断を許さない状況になってきた。
あとは街頭演説とマスコミやネットの宣伝戦が大きな影響を持つ。
1月14日に、細川氏と小泉氏は都内ホテルで会談したが、その直後の記者会見後はどういうわけか、マスコミは小泉氏の報道を控えている。
これは裏を返せば、安倍政権は小泉氏の知名度やその暴れん坊キャラクターが無党派層を刺激することを恐れているのである。
小純一郎氏は「自民党をぶち壊す」と言って、日本をぶち壊した宰相である。
彼は、イレズミ大臣と異名を取った祖父の小泉又次郎のヤクザ遺伝子を開花させ、「政官業」トライアングルを壊して、新たに「米官業」トライアングルに転換し、結果的に日本を新自由主義の潮流に導いた。
経済学者のシュンペンターが唱えた「創造的破壊」は、一時、世界中にはやり言葉として広まった。
小泉純一郎という人物は、創造的な部分には露ほども寄与せずに、破壊的な部分のみで天才的な才覚を発揮した。
まさに破壊のために生まれてきたような人物なのである。
小泉氏には政治発想的に日本社会をネオリベ構造に転換したという認識はないと思う。
もし、その認識があるのなら、ネオリベ路線の最終段階としてのTPPや成長戦略に狂奔している安倍政権に楯突くという発想は決して出てこない。
実は原発の再稼働も思想的にはネオリベ路線の延長上にあって、原発利権さえ維持できれば、日本人の安全や国土の健全性維持などはどうでもいいことであり、純然たる金儲け主義に徹することである。
現政権の原発政策は再稼働や原発輸出を基本とするが、細川小泉ラインはこれに真っ向から反対姿勢を打ち出し、その方針は確実に、国政としての日本グローバル化に待ったをかける展望になっている。
小泉純一郎氏には、自分がやった構造改革や安倍首相が進めている現路線が、米コーポラティスムに完全に沿ったものであるという自覚はまったくない。
だが細川氏はそれがあるように見える。
彼にその視点があっても、日本を破壊した小泉氏の支援を受けるという意味は、世間に忘れら去られた自分を再び浮上させる原動力として、小泉氏が充分に利用できると思っているからだ。
というか、小泉氏の支援を千載一遇のチャンスとしてとらえている。
小泉氏が過去にどのような破壊神であろうとも、大魔神であろうとも、彼が稀代の人気キャラクターであることは動かしがたい事実であり、その知名度は都民無党派層の心をつかむだろうと細川氏は考えている。
その意味では俗塵から離れた殿さまの家系で育っていても、機を見るに敏感な面がある。
やはり彼のうちには、国政が軌道をそれて危ない方向に向かっているから、何とかしたいという強い願望があるように見える。
もちろん、原発即時ゼロという共通項は、小泉氏と手を組む最大の理由なのだが、米コーポラティズムを凶悪な魔の勢力ととらえれば、これに阿諛追従して物狂いのように日本を売り渡す国政に突き進む安倍政権に危機感を感じているようにも見える。
安倍政権の暴政に対抗する手段として、細川氏は都政を位置付けているように見える。
仮に、細川氏にそういう大きな展望がなく、脱原発だけに固執していたとしても、結果的に脱原発政策は国政トレンドを変える巨大な力を孕んでいる。
米コーポラティズムの黒魔術的なエネルギーで動いている安倍暴政政権は、正論では何ともならないほど大きなはずみ車である。
轟音をとどろかせ、巨大なイナーシャ(慣性)で回るこの暴政状況で、都政方針としての原発ゼロ政策は、国政に対してかなりの抵抗となる。
この巨大な慣性を打ち破るには、破壊神・小泉純一郎の破壊エネルギーが必要なのかもしれない。
深読みすれば細川氏はそういう部分で捉えている可能性もある。
ロイターによれば、1月18日、細川氏は今の段階で、22日に披露する記者会見の片りんを垣間見せている。
http://jp.reuters.com/article/jp_Abenomics/idJP2014011801002320
それは「東京が日本を変える」というキャッチフレーズと、原発の再稼働を認めないなど脱原発を柱とする5項目の公約の一部である。
細川氏は、安倍政権が進める原発・エネルギー政策に加え、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加や集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法制定を批判している。
原発、TPP、特定秘密保護法を問題視する立場と言えば、国土や地球環境を放射能汚染から守るという大義と、グローバル資本の日本略奪から防衛するという大義、そして言論統制国家樹立を阻止するという立派な大義である。
小泉純一郎氏は、暴走する今の安倍政権を生み出した元凶であり、許しがたい人物ではあるのだが、破壊だけにしか向かわない彼の凄まじいエネルギーが安倍政権を揺るがすことになれば、都政の運営によっては国政を変えるきっかけにはなるだろう。
この状況は小泉純一郎本人が出馬せずに、細川氏を擁立したところに意味がある。
もし、小泉氏本人が立候補して都知事になったら、それはそれで都政も国政も終わりに向かってまっしぐらだろうが、安倍政権の負のエネルギーに対して、小泉氏の負の喧嘩エネルギーを投入すれば、グローバル資本による対日支配の一時的な歯止めにはなる。
対米隷従政治と、グローバル資本の経済圧力に翻弄され、それに従わざるを得ない潮流を理屈と現実から知り抜いている政治家ならば、国政に逆らう都政方針を決して打ち出したりはしないのだが、小泉氏は別格であり、野性的なヤクザ本能で動く彼はその理屈や背景を全く自覚できていない。
だからこそ、小泉氏は細川氏の擁立に躊躇なく立てるのであり、破壊神としてその意思は固い。
小泉氏の演説パフォーマンスは、ヤクザの喧嘩口上を土台としているから大衆受けすることは間違いない。
それは2005年の郵政選挙で証明済みである。
安倍政権に狙いを定めたこの応援を、人生最後の政治活動と心得ている小泉氏の破壊オーラは輝くだろう。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK159掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。