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「幻の東京五輪」が繰り返される危険性 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/147292
2014年1月17日 日刊ゲンダイ
「アベノリンピック」と浮かれていられない
安倍首相へのおべんちゃらなのか、自分が目立つための方便なのか。慶大教授の竹中平蔵氏が、今月発売の月刊誌で「アベノリンピックこそ日本の活路」と書いている。アベノミクスと東京五輪を掛け合わせた造語を使って、バラ色の未来が来るかのように主張しているのだ。
竹中氏が所長を務める研究所は、「19.4兆円の経済効果がある」と試算しているらしい。「7年で3兆円」とする東京都試算のざっと7倍。整備されるインフラや雇用、消費への効果を過大に評価し、水増ししたようだ。前提となる条件を変え、数字を大きく見せるのは、政府や与党がよくやる手口である。大臣までやった竹中氏なら、鉛筆ナメナメで効果を膨らますことぐらい、お手のものだろう。
むろん、こんな数字にさしたる意味はない。うのみにする人も少ないだろう。それよりも問題は、「アベノリンピック」なるものが、本当に実現するのかどうかである。アベノミクスの基礎となる「異次元の緩和」で儲かったのは一部の輸出企業だ。中小、零細企業は円安によるコスト増に苦しめられている。雇用の改善も見られない。増えているのは非正規社員ばかりである。
オリンピック開催も危ういだろう。
安倍政権は、集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則の緩和で軍国化を進める構えだ。平和憲法も捨て去り、特定秘密保護法で情報をコントロールする。しかも、靖国参拝の強行で、中韓両国はもちろん米国まで敵に回した。世界の主要国は安倍首相と距離を置いている。そのため外遊先はアフリカや中東、東南アジアといった途上国が中心だ。
こんな国が、6年後に平和の祭典であるオリンピックを開催できるのか。中国では安倍首相に対する反発はものすごい。共産党機関紙「人民日報」は、「思い上がった右翼政治家」と名指しで批判している。尖閣問題で強硬姿勢を求める声も多いらしい。いつなんどき「第2次日中戦争」が勃発してもおかしくないような状況である。
最初の東京五輪は1940年に開催の予定だった。36年に国際オリンピック委員会で決定。東京では着々と準備が進められていた。だが、37年に日中戦争が勃発し、日本政府は翌年7月に開催権を返上している。
こんな不幸な歴史が繰り返される危険性は、安倍政権の強引な政権運営によって、日に日に高まってきているように思えてならない。「アベノリンピック」などと浮かれる気分には、到底なれないのだ。
【高橋乗宣】
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