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2014-01-16 07:48:32
「日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました」と、天皇が現憲法を高く評価する見解を明らかにしました。
この見解を明らかにしたのは、昨年12月23日の80歳(傘寿)の誕生日記者会見ででした。週刊文春(1月16日号)が、「天皇の憲法発言に秘められた安倍政権への強いメッセージ」というタイトルで伝えました。
会見では、80年の人生で最も心に残ったことを問われた天皇は、「先の大戦」を挙げ、だからこそ「平和憲法の意義」を強調されたようなのです。
記事によると、天皇は現憲法にひとかたならぬ思いを抱いているように受け取れます。安倍という男ら改憲論者は、「現憲法はアメリカからの押しつけられたもの。いまこそ、日本人の手による憲法に改める必要がある」という”押しつけ憲法”の非を強調します。これには、「『当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならない』と付け加えられた。皇室の活動と政治との関わりについての質問には、『今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていく』と明言された」と、報じました。
「安倍政権が憲法を改正して、天皇を象徴ではなく元首に戻そうとしていることに対し、憲法に従い『象徴天皇とは何か』をずっと追求してこられた陛下は、ご自分の生き方を否定されたように感じられたのではないでしょうか。だから、昨年4月の『主権回復の日』を記念する式典に陛下をひっぱりだすなど、皇室の政治利用に遠慮をみせない安倍政権へのメッセージとして、あえて憲法を遵守する立場を強調されたのだろうと思います」と、皇室関係者の言を伝えました。
「会見では、五輪招致をめぐる皇室の政治利用問題で菅義偉官房長官とバトルを繰り広げた宮内庁の風岡典之長官にも言及。『宮内庁長官始め関係者も、この問題が国政に関与するかどうか一生懸命考えてくれました』と述べられ、天皇の良きアドバイザーになっていることを示唆して風岡長官に助け舟も出されている」とも。「現政権が風岡長官を毛嫌いし、交代させようとしているとの噂もあるので、陛下は釘を刺されたのではないでしょうか」(宮内庁担当記者)。
安倍という男は、実は、「天皇をも自分のコントロール下に」おこうと目論んでいるといえます。日銀総裁に、あるいは法制庁長官などに、自分の息がかかった人間を送り込み、日本の主要機関を支配下に置こうとしているのが、安倍という男なのです。
天皇発言を取り上げたのは、天皇を称揚しようというのではありません。平和憲法を守ることに重点があります。プラグマティックな言い方になりますが、「白い猫でも、黒い猫でも、ネズミを獲る猫はいい猫だ」です。平和憲法が危機にさらされている今、現憲法の護憲のためには、影響力が見込めるパワーは総動員すべきと考えます。
天皇が会見で述べたメッセージは、安倍という男に届くでしょうか。届いたとしても、鼻であしらうのが安倍という男の仕草でしょうが……。
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