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緊急必要性などなかった韓国PKO軍への弾薬1万発供与
http://blog.goo.ne.jp/ichimurasan2006/e/6a448e36d11ac0b2eb5e8388201034e7
★「天木直人氏の視点ー(2014/01/13)」★ :本音言いまっせー
1月12日の読売新聞がソウル発として一段の小さな記事を掲載していた。
南スーダンで活動する韓国軍は1月10日、陸上自衛隊から昨年12月23日に提供を受けた弾丸1万発を陸上自衛隊に返却したと。
補充の弾薬が届き、必要性がなくなったからだという。
この記事は非常に重大な記事だ。
あの時の日本政府の判断の検証を行うには見逃せない記事だ。
私は繰り返し書いてきた。
突然発表された弾薬1万発供与の迷走は、現地の韓国軍と陸上自衛隊のシビリアン・コントロール逸脱にかかわる問題であると。
そう言えば大げさになるが、その実態は日韓双方の現場と本国政府の意思疎通の不備によるドタバタ劇であったと。
しかしそれでも深刻なシビリアン・コントロール逸脱につながりかねない問題である。
韓国側の事は韓国側の問題であるから私が論じない。
私の関心は日本側の問題である。
あの時、日本は現地自衛隊からの要請に基づいて、できたばかりの日本版NSCの閣僚が一夜で決断した。
そしてそれが物事を迅速に決断できるNSCの意義だと宣伝された。
憲法違反である武器供与を、国民的議論はおろか閣議決定もしないまま4人組で決めたというのにである。
もしそれが許される場合があるとすれば、その理由はただ一つ、人道的に緊急必要性がある時だ。
実際のところあの時安倍首相も、菅官房長官も、小野寺防衛相も、国民にそう説明して理解を求めた。
私は、それは本当だろうと書いた。
つまり、その決断が、なし崩し的に憲法違反を行おうとしたり、韓国に貸をつくって日韓関係の打開を図ろうとした、というような思惑からなされたものではないと書いた。
実態はもっとお粗末に違いない。
すなわち現地の事情を把握していない東京の指導者たちが、人道上の緊急必要性を訴える現地の要請を鵜呑みにして慌てて決断したに違いないと書いた。
ところが今回の弾薬返却が証明してくれたことは、緊急必要性などなかったということだ。
報道だけでは不明だが、おそらく日本が供与した銃弾は一発も使われることなく、つまり開封することなく、返却されたに違いない。
それはもちろんこの問題が日韓両国において政治問題化したからだ。
しかしたとえ政治問題化したとしても、弾薬が本当に人道上、緊急に必要ならば、すなわちそれを使わないと犠牲者が出るというような切羽詰まった状況であったなら、使っていたはずだ。
供与されてから返却されるまでの20日ほどの間に使われなかったということは、
本当の意味での人道上の緊急必要性はなかったということだ。
私は現地の韓国派遣軍と陸上自衛隊の先走りではなかったかと思う。
そして日本側の問題としては、南スーダンに派遣されている陸上自衛隊の緊急要請に慌てた官邸が、それを鵜呑みにし、十分な外交的手続きを経ることなく即決した誤りだったと思っている。
もしNSCが出来ていなかったなら、外務省と防衛省が時間をかけて対応をしたに違いない。
官僚の対応は官僚主義の特性と縄張り争いからとかく遅い。
しかし時間をかけるうちに問題の本質が明白になってくることもある。
安倍首相がNSC設置にこだわった理由は米国NSCと対等な組織を作りたいという理由のほかに、少人数の閣僚による判断の迅速化がある。
まさしくNSCは判断を急いでその判断を誤ったのだ。
今度の弾薬1万発供与の迷走は、そっくりそのまま日本版NSCの欠陥を浮かび上がらせたということだ。
十分な検証がなされなければならない。
メディアは一段の小さな記事でやり過ごしてはいけない。
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