http://www.asyura2.com/14/senkyo159/msg/333.html
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以下は http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-January/028863.html から転載。
知人がニューヨークタイムズに、良い記事が出ていると和訳してくれましたのでご紹介します。解説は、NYT記者から取材を受けた高嶋伸欣琉球大学名誉教授が書かれています。英語を解する方は、写真もありますので、ぜひ、URLを開いてお読みください。
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教科書闘争で、歴史の書き換えを狙う日本の指導者たち
ニューヨークタイムズ 2013年12月23日記事
監修:高嶋伸欣 下訳:伊吹由歌子
http://www.nytimes.com/2013/12/29/world/asia/japan-fights-a-political-battle-using-history-texts.html
日本・竹富町発
安倍晋三首相の保守内閣は、よりナショナリスティックな色彩をおおっぴらにして、計画的行動に着手しはじめた。それは、評論家たちが戦後の平和主義からこの国を遠ざけると危惧する問題に関わる。すなわち、日本の学校教科書に、より愛国的な色合いを加えようというものである。
安倍晋三首相と他の国家主義者たちは歴史教科書が生徒たちの愛国心を養うよう望んでいる 。
木曜日に安倍氏は、第2次大戦で戦犯となった者たちを含む戦死者を祀る神社への参拝を行った。それにくらべると、この歴史教科書改訂の提案にたいする海外からの抗議の声は少ない。しかしながら、安倍氏の支持者たちが子供たちにより強い愛国心を教えるため変化が必要であると論じて。その一方、自由主義者たちは、この改訂は戦後数十年にわたり日本を平和的に保つのに力のあった反戦メッセージを弱めることになると警告している。
「首相は自身の政治的支持母体からの圧力を受けている。この一派は、首相がより明白で強力な右派的政治行動(靖国神社参拝のこと=高嶋注)を実行していないとして、裏切られた思いでいるのです。」沖縄県にある琉球大・名誉教授で、教科書問題に関する政治的動きを研究してきた高嶋伸欣氏は語る。「安倍氏にとっては、より確固とした国家主義の姿勢を示すことができて、超保守主義者たちの不満をなだめられる唯一の場所が、いまでは学校教育だけということになっているのです」と。
*ここのコメントの意味については、文末の「解説」を参照して下さい(高嶋)
安倍氏と国家主義者たちは、国としての誇りを回復するには教育システムの改革が必要だと長い間主張してきた。戦時中の日本の行動について、過度に否定的と彼らの呼ぶ見方(訳者より:日本語では「自虐史観」)を何十年にもわたり教えられて、誇りが危うくなっている、というのだ。
今回の教育改革への取り組みはゆっくりと始まった。しかし、最近の数週間では急展開をしている。
この10月、安倍内閣の文科相はここ竹富町の教育委員会にたいし、彼らが一度否決した保守的教科書の採択を命じた。政府がこのような要求をするのは初めてのことである。11月、文科省は教科書検定の新たな基準を提案し、そのまま決定されるものと思われている。これは第2次大戦期の歴史にたいする国家主義的史観の記述を教科書に明記するよう要求しているものである。
今月になると、政府任命の中央教育審議会が、教育にさらに直接的な政治介入をもたらす改革を提案した。これは市長たち首長を地域の公教育の責任者とするもので、反対派にいわせれば教科書採択にたいする政治的介入を容易にする動きである。またほんの数日前、文科省の教科書検定審議会が愛国心を強調しないような教科書は検定で合格させないようにとの、すでに提案されている新基準の強化を承認する答申を決定した。
これらの動きは、日本の領土に関する主張や地域における強大勢力としての立場に、中国が直接的な挑発行為を行い、増強しつつある自国の力を誇示するのに合わせて起こされている。教育上の改革提案は、両国の国家主義者たちがこれまでに推し進めてきた自尊意識や、時と共に強まったアジア最強の二国間の敵愾心による緊張の高まりから危惧されていることの、最新の動きの一つでもある。
歴史問題はまた、当初は超右翼的な政策よりも経済政策に集中してきた安倍氏にとって、政治上のさらなる危機をもたらすものともなりかねない。
最近、秘密保護法案を可決したことで、安倍首相はすでに支持率の低下に直面しており、日本の報道機関のなかには戦時中の検閲・治安維持法への逆向と批判する声もある。2007年、在職わずか一年たらずで政権の座を退いたときも教科書問題がその一因となった。このときは、沖縄戦での住民の集団自決は軍部が強制したものだという記述を、安倍内閣が削除しようとしたのである。
しかしながらいまのところ、これら一連の取り組みは一般からの強い反発を受けていない。これは日本にたいし示される中国のより鮮明な対決的姿勢への懸念増加を反映したものだ、と教育関係者は言う。
愛国心教育を永年提唱してきた下村博文文科相により提案された新しい検定基準では、小中高校課程の教科書で論議の的となっている歴史事実に関し、「バランスのとれた叙述」をするよう求めている。
記者会見の際の複数の文科省官僚の説明によると、この要求で、具体的には論議の的になってきた2件の記述について国家主義的学者の見解を盛り込むことが要求されるだろう。ひとつは1937年の南京大虐殺において日本軍に殺された中国民間人の死者数が30万人とする中国政府の見解についてで、多くの日本人学者がこの数字は大幅な誇張とみなしている。
さらに歴史教科書は以下の記述を要求されることになろだろう。すなわち、朝鮮その他諸国出身のいわゆる慰安婦たちが日本軍兵士への性的奉仕を日本軍により強制されたかについては、いまだに論争があるとする記述である。しかしながら、日本以外のほとんどの国の歴史家たちは、軍の協力なしに売春宿の経営ができたはずはないと語っている。
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