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2014-01-10 07:36:53
安倍という男は、「”美しい国”としての日本を取り戻す」と繰り返してきました。その場合の”美しい国”とは、緑あふれる自然豊かな国であり、父母に孝養を尽くし、夫婦相和し、朋友相信じ、一旦緩急あれば皇運を扶翼する、つまり国と天皇のために力を尽くすという「教育勅語」の世界でしょうか。
自民党は昨日 1月9日、教育再生実行本部で「教育再生推進法案(仮称)」をまとめ、今月開会の通常国会に提出する方針を決めました。この法案は、教科書検定の強化などを含み教育勅語の精神をにじみ出させています。
朝日新聞は本日のオピニオンのページ(17面)で、「『満州国化』する日本」という見出しを立て、山室信一さん(京大人文科学研究所長)へのインタビュー記事を掲載しました。
その中で山室さんは、「国家主導体制をつくることが戦後民主主義から『日本を取り戻す』ことに直結すると、(安倍首相は)意識しているようだ」と見ています。
さらに、「岸と安倍さんは発想がよく似ています。2人とも多元的な勢力の存在が嫌いなようですね。権力が一元化されていないと、物事がうまく進まないと考える」と、独裁体制への指向を指摘しています。ここでいう「岸」とは、ご存じのように安倍首相の祖父であり、満州国の高級官僚として統制経済を主導した岸信介・元首相のことです。
安倍首相は「自立する国家」を掲げているが、「でも現実には、特定秘密保護法やTPPなどで、アメリカのかいらい国家という性格が強くなってきているのではないか。理想国家の建設を掲げながら、日本のかいらい国家への道を歩んだ満州国に似てきています」とも語っています。
つまり、安倍政権は、国内では権力の一元化を進める一方、対外的にはアメリカとの関係さえうまくいけばいいという一点に重点を置きすぎる”単細胞政権”といえ、多元的な時代にはうまくいかないという見立てです。
結びとしては、「安倍さんが掲げるような美しい国の理想というのが一番危ない。ベクトルが反転して動き出す可能性をつねに考えておく必要があると思います」としています。「美しい国」が反転して動き出すとは、「銃弾で身を包んだ警察・武装国家」です。
王道楽土や五族協和を掲げながらその実かいらい国家だった満州国。「美しい国」を掲げながら、その実アメリカのかいらい国になり下がっていく安倍政権下のニッポン。ニッポンは、確実に満州国化への道を進んでいる。
安倍政権を長引かせれば長引かせるだけ、日本のみじめ度が高まります。
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