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料理本を出すほど食にも一家言あり Photo:Kyodo
三権の長はいまだ族議員!?物議を醸す伊吹議長の品格
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3521
週刊文春 2014年1月16日号
「与野党が真摯に向き合い、前向きな議論が行われることを期待したい」
1月1日、年頭の辞で違憲状態とされる選挙制度改革について、与野党にこう議論を促した伊吹文明衆議院議長。三権の長として2年目に入ったが、その評判は芳(かんば)しくない。
暮れも押し迫った昨年12月18日。2014年度予算をめぐり政府・与党間の調整が山場を迎える時期、朝から都内のホテルで開かれた厚労族議員の幹部会合に登場したのが伊吹議長だった。厚労族の会合に出席したのはそれが初めてではない上、焦点となっていた診療報酬改定率について「プラス改定を」と迫り、物議を醸すことに。
「伊吹氏は、もともと労相、財務相を経験した厚労族の実力者で、これまでも診療報酬改定の議論などで絶大な影響力を発揮してきましたが、現在は立法府の長という立場。三権分立の精神に反しかねない行為で、前代未聞の事態です」(政治部デスク)
この日は、伊吹氏にとって特別な日でもあった。30年前、初当選を果たした日なのだ。同期は町村信孝、額賀福志郎、二階俊博、大島理森といった現在、派閥の領袖を務める各氏。元大蔵官僚の伊吹氏は、旧京都1区から45歳で初陣を飾った。
「以来、連続当選。党内に数多くいる大蔵省出身議員を束ね、影響力を誇示しています」(旧大蔵省出身議員)
自民党幹事長など要職を歴任するも「総理の椅子」とは無縁だった伊吹氏。「上がりポスト」のはずの議長になった今、絶頂期を迎えていると、周囲は呆気にとられている。
「党内事情にやけに詳しく、細かい案件にも口を出す。大手メディアの政治部から有力議員とのオフレコ懇談のメモを集めて、官邸や党内の内情を窺っているという話も実(まこと)しやかに流れています」(党国対関係者)
だが、元官僚らしい“上から目線”の発言に反発も強い。昨年は、安倍晋三首相の靖国参拝に期待する発言をした高市早苗政調会長に「思っていることをみな言ってはいけない」と苦言を呈した。
「ただ、その発言をした場所が、旧伊吹派の会合。公平さを期すため党籍を離脱する議長が、派閥の会合に出席することは異例なだけに、党内の目は冷ややかでした」(同前)
24日にも召集される通常国会。閣僚席を見下ろす衆議院の議長席には、これまでになく不安な眼差しが向けられることになりそうだ。
文「週刊文春」編集部
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