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「なぜ菅元首相は増税を決意したか」(EJ第3704号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/384450904.html
2014年01月07日 Electronic Journal
菅元首相が消費税増税に目覚めたきっかけは、一体何だったの
でしょうか。野党の時代に菅氏が消費税増税を口にしたことはな
いし、「4年間増税せず」を打ち出した2009年の衆院選のマ
ニフェストにも反対を唱えていないのです。
そうであるとすると、藤井財務大臣の辞任を受けて就任した財
務相時代──2010年1月7日〜6月8日──に変心したとい
うことになります。そのときの財務副大臣が後に菅氏の次に首相
になる野田佳彦氏です。
それにしても「洗脳」のされ方が非常に早い。就任して約1ヶ
月後の2月5日〜6日、菅氏はカナダのイカルウィットでの主要
7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席し、次の発言を
しているのです。菅氏にとってはじめての国際会議です。
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我が国の国債残高は、オリンピックであれば金メダルが間違い
なくもらえる水準である。 ──菅財務相(当時)
──伊藤裕香子著(朝日新聞記者)/プレジデント社刊
『消費税日記/【検証】増税786日の攻防』
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ちょうどこのG7では、開催直前に市場を直撃したギリシャな
どの財政問題をめぐる懸念緩和を狙った発言が相次いでおり、菅
財務相としても、表面数字的にはギリシャよりも悪い日本の財政
事情を頭においての発言です。
帰国直後、菅財務相は、神野直彦東大名誉教授を副総理室に呼
んで、次のようにいっています。神野教授は、そのとき政府税務
調査会・専門委員会の委員長をしていたのです。
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消費税の増税は俺がやる!
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そのとき、神野教授は、マニフェストとの整合性を指摘してい
ますが、菅氏は聞く耳をもたなかったといいます。神野氏は、専
門委員会で方向性を出すので、しばらく時間が欲しいと説得し、
その場を引き取ったといいます。つまり、この時点で菅氏は消費
増税の実行を決めていたようなのです。
おりしも鳩山首相は沖縄問題をめぐる発言と母親からの献金問
題で検察に追及されて窮地に立っており、小沢幹事長も3人の秘
書が逮捕され、自身も検察から事情を聞かれるという深刻な事態
に陥っており、菅氏としては「次は俺だ」と確信していたので、
それを意識しての発言であったと思われます。
それ以前にも菅氏は、消費増税に関しては次の発言を繰り返し
ていたのです。
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◎鳩山政権は普天間問題で迷走しているけれど、もっと大きい
争点である消費税の増税を出せば、この問題は消える。鳩山
さんには、そういっているんだけどもね。
◎消費税とTPPを持ち出せば、自民党も割れるよ。
──伊藤裕香子著の前掲書より
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この発言を聞くと、菅氏が消費税増税を日本の財政問題解決の
方策として考えていたというよりも、政局運営や選挙の戦術とし
て使おうと考えていたことがわかります。
その一方で菅氏にとって消費税増税が必要なものとして強く感
じられたのは、ギリシャ危機だったのです。ちょうど鳩山政権発
足当時にギリシャでも政権交代があり、前政権の粉飾決算が発覚
し、それが原因で財政破綻による社会的な混乱が起きていたから
です。さらにそれを身に沁みて感じたのは、前記の財務相になっ
た直後のG7への出席です。
当時の財務省としては、民主党の「4年間消費税の増税をしな
い」というマニフェストを苦々しく思っており、民主党内でそれ
を撤回させる工作をしていたのです。おそらく菅氏の前任者であ
る藤井裕久元財務相もその一味であったと思われます。藤井氏は
勝財務事務次官とも相談し、鳩山政権で閣僚のポストが得られな
かった野田佳彦氏を財務副大臣に任命して、反小沢勢力の核にし
ようと考えていたのです。
菅氏と野田氏に共通していたことは、経済的知見が劣っている
ことです。財務官僚にとってこういう政治家は御しやすく、「日
本もギリシャのようになる」と2人に吹き込んだものと思われま
す。ちなみに、最近の菅元首相に、「4年間は消費税増税をしな
い」という民主党のマニフェストの方針変更について朝日新聞・
伊藤裕香子記者が尋ねたときの菅氏の発言をご紹介します。
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鳩山さんは当時、沖縄の普天間基地移設問邁で苦労されていま
した。一方で、ギリシャ危機という、民主党への政権交代後に
起きた新しい危機に対しては、2009年衆院選のマニフェス
トになくても、対応しなくてはいけないと考えました。財政破
綻を回避することは、極めて重要な課題です。ですから、「財
政再建の方向性を、総理としても言われたらどうですか」とい
う話を、何度か鳩山さんに話したことはあります。大きな政治
課題として取り組む姿勢は、私は、もっとあっていいと思って
いました。 ──伊藤裕香子著の前掲書より
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この発言を聞く限り、菅氏は今でもギリシャ危機のようなこと
にならないように消費税を増税するという判断には誤りはないと
考えているようです。
ギリシャは、2006年頃から経済が悪化してきており、日本
と同じ理屈で無理な消費税の増税を重ねてあの経済危機を引き起
こしています。ギリシャ危機に学ぶのであれば、無理な増税をす
るのではなく、増税をしない選択なのです。ギリシャと日本の違
い、ギリシャ危機の本質を調べれば、そんなことはわかるはずで
す。そんなことを今でも気がついていないとは、元首相ともあろ
う人としては驚きです。 ── [消費税増税を考える/02]
≪画像および関連情報≫
●消費増税で日本はギリシャのようになる/2012年8月
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消費税増税法案が2012年8月10日、参院本会議で可
決成立しました。これによって消費税は2014年4月に8
%、2015年10月に10%へと段階的に引き上げられま
す。法案には、経済環境の急変時に増税を見合わせる「景気
条項」と、名目3%、実質2%の経済成長率の「努力目標」
を明記しましたが、増税実施に向けた環境整備に向け、政府
は「政策の総動員をしなければならない」(野田総理)とし
て、今年度補正予算と25年度予算に景気対策を盛り込むこ
とも検討するそうですから、何がなんでも増税したいという
ことでしょう。したがって、「努力目標」としての名目3%
実質2%の経済成長率は、増税したい政権のもとでは、無視
されるとみて間違いないでしょう。
自民党は早期解散をしたいという願望から、3党合意を反
古にする構えをみせた挙句、谷垣総裁と野田総理の会談で一
転、採決合意に至りました。この空騒ぎは、自民党の谷垣総
裁が、野田総理とのチキンレースに負けたということでしょ
う。「近いうち」の解散がいつかはわかりませんが、民主党
は野田総理を交代させれば、これを堂々と反故にするそうで
すから、自民党は喧嘩の仕方を知らないと言われてもやむを
えません。(12日になって輿石幹事長は、「党首の合意だ
から、党と党の公約にもなる」と修正していますが。)
(最後まで読む) http://amba.to/1bD7hYU
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