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澤藤統一郎氏の公選法違反等の主張に対する法的見解
2014年1月5日
人にやさしい東京をつくる会
弁護士 中山武敏
同 海度雄一
同 田中隆
1 はじめに
2012年12月に行なわれた前回の都知事選挙で、宇都宮健児陣営の選対メンバーの一員であった澤藤統一郎氏は、再び都知事選挙が行なわれることとなった昨年12月になって、同氏のブログ「憲法日記」において、「宇都宮健児君、立候補はおやめなさい。」とのタイトルで、2012年の都知事選で宇都宮陣営に公選法等の違反があったかのごとき主張を繰り返している。
同ブログ「宣戦布告」第1弾で、同氏自身が「『宣戦布告』の動機の半分は私憤です」と記載し、自ら私憤で宇都宮健児氏や上原公子選対本部長(当時)を攻撃していることを自認している。澤藤氏は弁護士であるが、法律家は事実と法律に基づいた法的主張をなすべきであり、私憤に立脚する同氏の主張が恣意的なものであることはこの点からも容易に察せられる。
2 選対本部長等が報酬を受領していたとの主張について
澤藤氏は上原選対本部長らが交通費等のごく一部の実費弁償として金10万円を受領していたことをもって「公選法に違反」しているとの主張を繰り返している。
だが、公職選挙法は「選挙運動に従事する者」の実費弁償を認めている。(197条の2)
上原氏はこの「選挙運動に従事する者」であり、交通費や宿泊費など法的に認められる支出の一部にすぎない10万円の実費弁償に何の違法性もないことは明らかである。猪瀬前東京都知事が医療法人徳州会グループから5千万円を受領していたこととは全く次元の異なる性質のものであるにもかかわらず、澤藤氏は私憤の感情からこれを故意に混同させ、あたかも公選法違反があるかのごとき主張をなしている。
もっとも上原さんらの上記10万円の実費弁償が選挙運動費用収支報告書に誤って「労務費」と記載されていることは事実であるが、この記載ミスを訂正すれば済む問題である。
3 選挙運動の為に使用する労務者の報酬の支払い
公選法は「選挙運動の為にする労務者」には実費弁償以外に報酬が支払えることを認めている。(197条の2)
自らの裁量に基づき投票獲得の活動を行う「選挙運動に従事する者」には実費弁償以外には支払えないが、機械的仕事を担う「選挙運動の為にする労務者」には報酬が支払えるのである。にもかかわらず、澤藤氏は、「公職選挙法の定めでは、選挙運動は無償(ボランティア)であることを原則としています。」とか「市民選挙における選挙カンパとは、選対事務局員への報酬へのカンパではないはずと思うのです。」との一方的な思い込みに基づく論理で、あたかも選対事務局員に公選法違反の報酬が支払われたかのごとき主張をなしているのである。これらの支払いは単純労働への対価の支払であり、何らの違法性もないものである。
4 供託金300万円の借入れについて
澤藤氏は同人ブログ(その5)で、「前回2012年選挙における宇都宮君の立候補供託金(300万円)は、私の妻が捻出した。妻の即断で、妻名義の預金を下ろして用立てた。立候補届出直前に彼が用意できないとなったからである。選挙運動収支報告書にも、政治資金収支報告にも記載はないが事実である。そのとき、ふと私の脳裏をよぎったものがある。『もしや、法定得票数に達せず、供託金が没収されるようなことがあったらどうしょう』というもの。まさかと思ったが、ありえないことではない。『そのときに、いま300万円を用立てることができない人物からの回収が可能だろうかと』と。」と記載している。
供託金は個人が選挙に立候補するために供託するもので、立候補後の選挙活動を対象にする選挙活動費用ではなく、公職選挙法上の届出義務や記載義務は一切ない。また、宇都宮氏個人が借入れ、供託金を支払ったのであって、確認団体である「人にやさしい東京をつくる会」の政治資金ではなく、政治資金収支報告書にも記載の必要は一切ない。澤藤氏は「300万円も用意できない人物」と蔑視するかのごとき表現も記している。宇都宮氏は弁護士43年、日弁連会長までし、法律家としては著名な人物である。同氏が300万円の供託金を用意できなかった事実は、むしろ同氏がこれまで貧困問題を中心に、社会の矛盾で苦しんでいる人々の立場で活動してきたことと清廉さを示す事実である。法律違反もなく、道義的にも非難されるいわれはない。
5 運動員買収との主張について
澤藤氏は同ブログで、民間企業につとめながら選対の事務局長をつとめた熊谷氏について、「『あなたは、1か月も選対に詰めていたが、……有給休暇を取っていたのか』」と問い詰め、「有給休暇を取得していた」という回答を得た経過を記したうえで、「私は、……事務局長が、有給休暇をとって選挙運動にボランティアとして参加したとは考えていない」と記載しているが、そこには何の根拠も示されていない。熊谷さんについて「入社3年目」と記載されているが誤りであり、実際には2007年に入社している。
そもそも公選法が規定する「選挙期間」とは告示日以降の17日間に限定されるため、事務局長が「選挙運動にボランティアとして参加」していたのは17日間を超えることはありえない。週末や休日を含めれば十分に有給休暇で対応できる範囲内であり、また事務局長は休暇を取得しない日には勤務も行なっていた。そのような対応をしたという応答を得ているにもかかわらず、悪意ある憶測のみであたかも違法性があるかのように記すのは、会社員などの政治参加という観点からも問題である。
熊谷事務局長は、従前より都政問題についての市民活動にも参加してきた経歴を持ち、属する会社から業務命令として派遣されたものではなく、選対からの度重ねての要請により、自らの判断で事務局長の任務を引き受けたものである。澤藤氏は事実と証拠に基づかない私憤に基づく憶測から事務局長らの名誉を毀損する主張を繰り返している。
また、澤藤氏は、徳洲会が傘下の病院職員を選挙運動に送り込んだ例等を引き合いに出し、宇都宮氏が所属する法律事務所の事務員の方が、選挙事務所に自主的に出入りし、手伝いをなしたことをもって、宇都宮氏にも運動員買収があるとの主張をなしている。
法律事務所事務員は、熊谷事務局長と同様に、有給休暇によりボランティアとして参加したものであり、宇都宮氏に公職選挙法等の違反があるとの主張も全く理由がない。
以上、澤藤氏の主張する法的問題について簡潔に検討したが、それらのどれもが、些細な事務的ミスを針小棒大に取り上げたものであるか、悪意に基づく憶測によるものであり、前回の宇都宮選挙が、公職選挙法の厳しい制限のもと、市民選挙としてきわめてクリーンに行なわれた事実を私憤に基づいて中傷誹謗するものとなっていることは、きわめて遺憾である。
以上
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