http://www.asyura2.com/14/senkyo159/msg/132.html
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中国共産党幹部はご存じだろうが、安倍首相に限らず、日本の政治的支配者が米国支配層の掌から離脱して“独自の道”を歩むような状況が“日常”のなかから生まれることはない。米国支配層が手出しをせずとも、日本の行政機構中枢や世論を差配する主要メディアが米国支配層の意向を汲んで動くからである。
転載する記事を寄稿した専門家は、安倍首相の「最終的目的は戦後国際秩序の束縛、米国の束縛から脱すること」と説明しているが、そのような“独自の道”をめざす主張や動きは、より深い対米従属への政策転換を悟られないにし、政策転換をスムーズに達成するためのオブラートであり見せかけでしかない。
米国支配層が中国の台頭がめざましい東アジアでめざしているのは、従来に劣らぬプレゼンスの維持である。
日本・中国・韓国・台湾・北朝鮮のどの国も、米国なしでは国策の具現化が難しいと思う状況をつくり出すことこそが、米国の存在意義を高める条件である。
中国にしても、日中間の政治的課題をダイレクトに日本と向かい合うなかで解決するよりも、米国を媒介にしたほうがスムーズでより大きな果実が得られると考えている。
今回の靖国神社参拝問題についても、韓国や中国の反発であれば再反発か無視で済ます日本の主要メディアやコメンテーターが、米国政権の“失望”発言を受けるかたちで、日米同盟の強化を名目に“自重”の必要性を語るようになった。
安倍首相は、今回の靖国神社参拝により、自身の“政治的こだわり”の達成と、米国支配層の東アジアリバランス政策への貢献という一石二鳥を成し遂げたと言える。
さらに付け加えれば、対日をバネに国内統治の強化を進めたい中国共産党幹部や韓国支配層にも大きな塩を贈ったのである。
グローバリズム政策を推進し伝統的日本の有り様を危うくする安倍首相に「愛国」や「保守主義」を見ることは錯誤であり倒錯でしかない。
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米国は一体日本をどのような国にしたいのか?
2014年01月06日15:01
安倍晋三の「亡霊参拝」に世界中から罵声が上がり、一貫して片目をつぶってきた米国さえもが異例にも「失望」を表明した。一見落ち着いた「失望」は、米国人の複雑でデリケートな心情を反映している。(文:思楚・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」)
米国人が少し怒っているのは確かだ。第2次大戦後ずっと米国は日本を犬のように言うなりになる小さな従僕と見なしてきた。米日安保条約によって日本にくつわをかませると同時に、負担も背負わせた。冷戦になると、日本を再武装させた。日本経済最盛期には、「プラザ合意」によって日本を抑えつけた。米国が対外戦争を発動するたびに、日本は「喜んで」金を出した。「アジア太平洋回帰」が必要になると、日本を檻から出して「急先鋒」にしようとした。だが、安倍が祀るA級戦犯の両手は米国人の血にもまみれており、米国が不愉快になるのは当然だ。ケリー米国務長官とヘーゲル米国防長官が昨年10月の訪日時に千鳥ケ淵戦没者墓苑をわざわざ訪れたのは「靖国神社はアーリントン国立墓地ではない。一線を越えることは許さない」と日本に告げるためだ。日本が「逆らった」ことに、米国が立腹したのは当然だ。
米国は少し慌ててもいる。米国がここ何年か日本に対する縛りを緩めてきたのは、自国の力が低下する中、日本のような「あてになる」「忠実な」同盟国の助けを得ようという虫のいい計算からだ。日本の右傾化に対して米国人は「日本は民主政体であり、行き過ぎを自ら是正する力がある」と自らを慰めてきた。だが安倍はこの1年余り、歴史の確定評価を覆し、隣国との関係を悪化させ、北東アジアの緊張を高め続けており、予測不能な「トラブルメーカー」としての本質を日に日に顕にしている。日本の力を借りるのではなくて、日本と共に泥沼に引きずり込まれることになるのではないかと米国人は懸念を深めている。
米国人は目を覚ますべきだ。国際社会の糾弾と強い非難の中、安倍は先日、今後2年で南太平洋の島国を歴訪し、南太平洋で戦死した日本軍50万人の「魂」の「慰霊」を行うと公言した。これには先日靖国神社を参拝した新藤義孝総務相の外祖父で、硫黄島の戦いの日本軍最高指揮官・栗林忠道も含まれる。真珠湾、珊瑚海、ミッドウェー島、硫黄島、ガダルカナル島……米国人にとって耳慣れぬ地名ではあるまい。米国人も分かっているはずだ。安倍が呼び戻そうとしているのが軍国主義の魂であり、覆そうとしているのが太平洋戦争の評価であることを。
靖国神社遊就館内の解説にあるように「ルーズベルト米大統領が日本を戦争発動に追い込んだのであり、大東亜戦争は『自衛戦争』だった」。安倍の外祖父はA級戦犯容疑者の岸信介だ。こうした誤った歴史観は安倍の頭に根深く刻まれている。安倍の心の中には日本が侵略戦争を発動したことに対するやましさはなく、あるのは広島と長崎の2発の原爆に対する恨みと、戦後日本が「不公平な待遇」を受けたことに対する憤慨だけだ。安倍は日本をいわゆる「普通の国」にし、「強い日本を取り戻す」ことを望んでいる。アジア近隣国との摩擦は名目に過ぎず、歴史の確定評価を覆すのは伏線に過ぎず、最終的目的は戦後国際秩序の束縛、米国の束縛から脱することなのだ。米国は本当にそんなに落ち着いていられるのか?米国がいくつかの点をはっきりさせることを望む。
米国は一体日本をどのような国にしたいのか?戦争の罪責を深く反省し、近隣国と睦まじくつきあう日本か、それとも戦後国際秩序と人類の良識に挑戦し続け、近隣国を挑発し続ける「トラブルメーカー」か?平和的発展を堅持する日本か、それとも軍拡と戦争への備えを続け、米国を戦争に巻き込もうとさえする日本か?
米国は一体日本を制御できるのか?ひとたび平和憲法がなくなれば、安倍のたぐいの時代逆行を制限できるものがあるのか?ひとたび日本の民族主義感情が煽動されれば、在日米軍も撤退しなければなくなるのではないか?日本はすでに先進的なロケット技術、核技術、十分な核物質の蓄えがある。核の敷居を越えると日本が決意した場合、米国の説得にどれほどの効果があるのか?
1853年に黒船で日本に到着したペリーは、閉鎖的で立ち後れた日本が41年後に甲午戦争(日清戦争)を発動するとは思いも寄らなかっただろうし、ましてや1941年に真珠湾を爆撃するとは思いも寄らなかっただろう。今日の米国は、安倍が日本をどの方向へ導きつつあるのかを見極めることができるのか?(編集NA)
「人民網日本語版」2014年1月6日
http://j.people.com.cn/94474/8504482.html
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