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2014年01月06日
“始めよければ終わりよし”なんて諺を引っ張り出す必要もないだろうが、我が国の経済変調の予兆を知らせる警告のブザーが東京株式市場に鳴り響いた。本来であれば、年のはじめの大発会では6年ぶりの下げである。本来、大発会ではご祝儀相場と云う慣わしもあり、そうそう下げで始まることはないものだ。日経やロイターが後付け分析をしているが、大きく下げたことが事実であり、素人は分析などせず、事実だけを追いかける方が正解に近づく早道である。
≪ 日経平均終値382円安 1万6千円割れ
年明け初の取引となった6日の東京株式市場は、日経平均株価の終値が前年末より382円43銭(2・35%)安い1万5908円88銭と、10営業日ぶりに値下がりした。下げ幅は一時420円を超え、終値で5営業日ぶりに1万6000円を割り込んだ。取引初日の終値が、その前年末の終値を下回るのは、2008年以来6年ぶり。
東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は、同10・14ポイント(0・78%)低い1292・15。出来高は29億2千万株。
日経平均は前年末までの9営業日で計1138円値上がりしていた。その反動や、円相場が一時1ドル=104円台前半と円高にふれたことで、いったん利益を確実にしようと売り注文がふくらんだ。 ≫(朝日新聞)
2014年は、13年から言われ続けている米国金融緩和縮小の道が本格するし、中間選挙がある。世界中では、アメリカ由来の紛争ばかりではないが、ありとあらゆる所で、小さいが人々が死んでゆく戦争・紛争が起きている。報道各社の国際欄を眺めていると、地球がひび割れを起こしているのではないか、と疑いたくなるほど紛争が起きている。タイのように、選挙なんかさせないと云う、奇妙な事態まで生まれている。もう、世界には行司役が存在しなくなったと云う事実を、容認すべき世紀に入っている。しかし、我が国の既得権益勢力が、そうであるように、世界においても、既得権益者は四の五の言って、その地位を保持しようと、あたふたしたり、強面を見せたりするものである。
日本の場合、アベノミクスと云う幻想相場が昨年末には終わっていたのだろうが、何となく尾を引いていたが、年が明けて、もう駄目だろうと見切りをつけられた予兆になるかもしれない。テクニカルには様々な分析も可能だろうが、それは金儲けに携わる各エコノミストの領域なので、彼らに任せよう。13年の安倍晋三は、野田と云う前任者の乱心と云う僥倖に出遭い、蜜月のような1年を過ごしたわけだが、これからの半年は塗炭の苦しみを味わう日々となるだろう。そうとも知らず、元気一杯に妄言をちりばめた年頭所感を出している。
≪ 安倍内閣総理大臣 平成26年 年頭所感
新年あけましておめでとうございます。
1年前。
遅れる復興、長引くデフレと経済の低迷、主権への相次ぐ挑発、そして、教育の危機。就任6日で迎えた元旦は、みなぎる意欲と使命感の一方で、重責への緊張感でいっぱいであったことを思い出します。
それから1年。
経済政策の大転換、TPP交渉への参加、震災復興の立て直し、オリンピック・パラリンピックの誘致、消費税。さらには、NSC(国家安全保障会議)と国家安全保障戦略を新たに創り、防衛大綱を見直す。「決断」と「行動」の365日は、長く厳しい道のりでありました。
しかし、「強い日本」を取り戻す戦いは、始まったばかり。今後も、長く厳しい道のりを、緊張感を持って進んで行く覚悟を、一年の始まりにあたって、新たにしています。
大震災から3度目の元旦となる本日も、避難生活の中で迎える方がまだまだいらっしゃいます。住宅再建を進め、次の元旦こそは、できるだけ多くの方に、新たな住まいで迎えていただきたい。東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策を着実に進め、原発事故により避難生活を余儀なくされている福島の皆さん にも、一日も早く普通の生活に戻っていただきたい。
その思いで、復興をさらに加速させてまいります。
日本経済は、「三本の矢」により、マイナスからプラスへと大きく転換しました。しかし、20年近くにわたってこびりついた「デフレ」からの脱却は、いまだ道半ば。「強い経済」を取り戻すべく、引き続き、全力で取り組んでまいります。
その目指すところは、頑張る人たちの雇用を拡大し、収入を増やすことです。景気回復の実感を、中小企業・小規模事業者の皆さんをはじめ、全国津々浦々にまで、必ずやお届けしてまいります。
一年の計は、穀を樹うるに如くはなく、
十年の計は、木を樹うるに如くはなく、
終身の計は、人を樹うるに如くはなし。
中国の春秋時代、名宰相と呼ばれた管仲の言葉です。
目先の課題への対応も重要ですが、十年先、百年先の日本の未来を切り拓いていくことも、忘れてはなりません。そして、そのためには、小手先の対応ではなく、将来のあるべき姿を見定めた、真の改革が必要です。
相互依存を深める世界において、内向きな発想では、もはや日本の平和を守ることはできません。日本が、これまで以上に、世界の平和と安定に積極的な役割を果たす。この「積極的平和主義」こそが、我が国が背負うべき「21世紀の看板」であると、私は確信いたします。
国民の生命と財産、日本の領土・領海・領空は、断固として守り抜く。そのための基盤を整えてまいります。
人づくりこそは、「終身の計」。日本に生まれたことに誇りを持ち、高い学力と豊かな人間性を兼ね備えた人材を育んでいく。そのための教育再生を、着実に実行してまいります。
さらに、「国のかたち」を表す憲法についても、制定から68年になろうとする今、時代の変化を捉えた改正に向けて、国民的な議論をさらに深めていくべきであると考えています。
昭和26年の元旦。振り返れば、日本は、いまだ占領下にありました。その年に結ばれた、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約から、戦後「日本」の歩みが始まりました。
そして、平成26年の元旦。現代の私たちもまた、日本の「新しい国づくり」に向けて、大きな一歩を踏み出すべき時です。
戦後以来の大改革を進めるのは、簡単なことではないでしょう。もとより、困難は、承知の上です。
しかし、今あるのは、未来への希望です。なぜなら、先の総選挙と昨年の参議院選挙において、国民の皆さんの力によって、政治が大きく変わったからです。そして、経済も変わりました。さらに、社会も変わりつつあります。
国民の皆さんには、その「力」がある。私は、国民の皆さんと共であれば、いかなる困難も乗り越えられる。「誇りある日本」を取り戻すことができる。新年のスタートにあたって、改めて、そう思います。
最後に、国民の皆さんの一層の御理解と御支援をお願い申し上げるとともに、本年が、皆さん一人ひとりにとって、実り多き素晴らしい一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
平成26年1月1日
内閣総理大臣 安倍晋三 ≫(首相官邸HPより)
まぁ大いなる勘違いも極まれる大仰な文章だが、文中の ≪ 国民の皆さんには、その「力」がある。私は、国民の皆さんと共であれば、いかなる困難も乗り越えられる。「誇りある日本」を取り戻すことができる。新年のスタートにあたって、改めて、そう思います。 ≫と云う部分が安倍晋三の幼稚な情緒性が如実に表れた一節だと思う。『いかなる困難も乗り越えられる』こう云うことは、現実の世界では起きないのが理である。一緒に戦えば、心を共にすれば、如何なる困難にも対処し得ると云う情緒が総玉砕に走る心理状態を表している。彼は、単純にハイになっているだけで、論理性はほぼゼロである。
グローバル世界だと言いながら、国家主義に傾倒し、財政再建だと言っては消費税を上げ、経済の起爆剤だと言っては公共事業をバラ撒く。世界各地で火をつけ、弄くりまわした落とし前もつけず、世界の嫌われ者になりかけている嘗ての王者に縋りつき、にも拘らず嫌われているのは何故なのか、それを考えようとはしないところが、我が国のリーダーの姿である。我々日本人は、出来るだけ早く、リセットすることが可能になる環境に身をおく必要が出てきている。かなりの痛みも伴う、しかし、そうでもしないと、一生眠ったまま、国が滅びて行く。
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