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先日は、あのタイミングで「こんなパクリはありなのか飛鳥涼・・・」などという神タイトルの記事をたててしまいましたが、まあ偶然とはよくあるもの。
今回は、しかし、偶然の話ではなく70年代からずっと継続されてきたテーマ。やはりこの前ここで日本のパンク音楽の頂点、町田康率いるINUの曲を紹介したのですが、そこで繰り返されているファ・ミ・レ・ドというクリーシェが非常に耳に残った。
誰がどう聞いても、これはセックス・ピストルズからきている。ファ・ミ・レ・ドもどってファ・ミ・レ・ドまたさびにきてファ・ミ・レ・ド。そればっか。
たとえば
(ファ)No (ミ)Fu(レ)ture (ド)For you
たとえば
INUの同じアルバム内の別曲をみても(すごっく名曲です!!!)
まるでセックス・ピストルズに追従するのが義務であるかのようにドシラソファミレド〜というフレーズを繰り返す。
パンクブームに乗って出てきながら、セックスピストルズ亡き後はもっと大きなプロジェクトに成長したThe Jamもやはりファミレドのクリーシェを多用しており、出世曲にもモロにセックス・ピストルズへの信仰があらわにされている。
ファファミミレレド・ファファミミレレド・ファファミミレレド・・・・・いったい何度いったら気が済むんだろう。
思えばビートルズが人気を得だした1963年。はじめてイギリスでNo1ヒットをたたきだしたPlease Please meとはドシラソ〜という耳に残るメロディーではじまる曲であり、彼らの不動の地位を決定したShe loves Youもドシラソーという音階でYeahをハモるアイデアが爆発的に受けたのである。
それが70年代のパンクではファミレドに移行。ジョン・ライドンの言葉を借りるなら「ロックは死んだ」ということなのだが、ドシラソではじまったビートルズによって構築された音楽ジャンルをファミレドにして終わらせてしまうニヒリズムがパンクの醍醐味といえようか。
ちなみにセックス・ピストルズの代名詞といえるようなこの独特のファミレドのクリシェーは無論、彼らのオリジナルではない。
証明する手立てなどはないが、私はファミレドの源流にこの曲をみる。誰もが幼少時代に教わる純粋な時代を象徴する唱歌であろう。
ニーチェが聖書にツゥアラトストラをつきつけたように、成長とともに崩壊する「きらきら星」の世界を抱擁しながら斬るという・・・・・ぶちのめされた未成熟を売りにしたパンク少年達の合言葉がファミレドである。
アメリカのパンク界でも、やはりファミレドが行進しているのである・・・しかもセックス・ピストルズのいかなる曲より先に。これも偶然だろうが。
まるで下降するメロディーにあわせたようにトム・ヴァーラインは堕ちていく美学について歌っている。
ファ ミ レ ド ファ ミ レ ド
ファ〜 ミ〜 レ〜 〜〜〜〜〜〜〜ド
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