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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N5MVX26K50Y101.html
5月16日(ブルームバーグ): レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジは1970年、英国ウェールズの人里離れた石造りのコテージに引きこもり、電気も水道もない中でろうそくの明かりを頼りに「天国への階段」の骨組みを固めた。ロック史上最も愛され、最も評価が高いとされるこの曲はアコースティックギターのアルペジオで始まる。このイントロに刺激を受けてコピーを試みたギタリストは、世界中に大勢いることだろう。
その冬、イングランドに戻ったペイジは、邸宅ヘッドリー・グランジで後の名曲の骨格をメンバーに披露した。燃え盛る暖炉の炎の前でペイジがつまびくギターに、ロバート・プラントが神秘的な歌詞を合わせ、天国への階段はその魔力を深めていった。ペイジ自身が「マイ・ベイビー」と呼ぶこの曲は、レッド・ツェッペリンの功績を代表する名曲となった。
「天国への階段はツェッペリンのエッセンスを結晶化したものだ」とペイジはローリング・ストーン誌(75年3月13日号)のインタビューで、当時ティーンエージャーだったライターのキャメロン・クロウ氏(現映画監督)に話した。「バンドにとって金字塔だった。ミュージシャンは誰でも長く通用する質の高い音楽を残したいと考える。僕たちは天国への階段でそれをやってのけた」と述べた。
「天国への階段」はライブで演奏されたときに、その最初の音からエネルギーを放出する。英オブザーバー紙の評論家トニー・パーマー氏は75年、「最初のコードが演奏されると同時に2万人の観客が一斉に立ち上がる。歓声を上げたり拍手したりするのではなく、これから会場全体が一つになると思って自然に立ち上がるのだ。そんな曲がほかに考えられるだろうか」と書いている。
ランディ・カリフォルニア
そのイントロを書いたのがジミー・ペイジではなく、他のツェッペリンのメンバーでもなく、米カリフォルニア州の忘れ去られたバンドだとしたら、ロックの歴史は書き直される必要があるかもしれない。
ロサンゼルスのバンド、スピリットは68年にファーストアルバム「スピリット」をリリースした。これに収録されているインストゥルメンタルの「トーラス」は、スピリットのギタリスト、ランディ・カリフォルニア(本名ランディ・ウルフ)が作曲したものだ。「トーラス」は2分37秒の短い曲で、その中の1分ほどのギター演奏部分は「天国への階段」とかなり似ている。
68年はレッド・ツェッペリンにとって重要な意味を持つ一年だった。ファーストアルバムのレコーディングを終えて米国に渡り、プロモーションの一環で各地で演奏した。12月26日、デンバー・オーディトリアム・アリーナでツェッペリンにとって初めての米国ライブが行われたが、ツェッペリンはスピリットの前座だった。
心の傷
スピリットの創立メンバーであるベースのマーク・アンデスは、ツェッペリンはその時に「トーラス」を聞いたのだろうと語る。その頃のスピリットの演奏曲リストに「トーラス」は常に含まれていた。「すばらしい気分だった。たいてい力強い曲の後にこれを演奏するのだが、反応はいつも良かった」とアンデスはヒューストン郊外の自宅で振り返った。「彼らはそういう流れを見ていたに違いない」と続けた。
「トーラス」を作曲したランディ・カリフォルニアは数十年もの間、「天国への階段」について公に不満を漏らすことはなかったが、97年にリスナー誌のインタビューで、「心の傷になっている。いつか彼らが良心に従ってくれるかもしれない」と述べた。カリフォルニアは97年1月2日、ハワイで波にさらわれた12歳の息子を助けようとして溺死した。
その遺志を継いだ動きが法廷の場に持ち込まれる日がやってくるかもしれない。カリフォルニアの著作権管財人とアンデスは、「天国への階段」の作曲者名にカリフォルニアの名前を入れるよう、著作権侵害の訴訟を起こす計画だ。折しも6月から、レッド・ツェッペリンの全アルバムのリマスタリング版再リリースが始まる。アンデスらは「天国への階段」が収録された「レッド・ツェッペリンIV」のリリース差し止めを求める意向だ。
記事に関する記者への問い合わせ先:Rome Vernon Silver vtsilver@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Flynn McRoberts fmcroberts1@bloomberg.netBryant Urstadt
更新日時: 2014/05/16 09:37 JST
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