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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42756
教育と階級:米国の新たな貴族
2015年01月26日(Mon) The Economist
(英エコノミスト誌 2015年1月24日号)
知的資本の重要性が増すにつれ、特権は親から子に受け継がれるものになりつつある。
ブッシュ前米大統領、弟ジェブ氏に16年出馬勧める
ジェブ・ブッシュ氏(右)も共和党の大統領候補者指名争いに名乗りをあげている〔AFPBB News〕
共和党の大統領候補者指名争いに名乗りを挙げた立候補者が8月に最初の討論会に臨む時、父親も大統領選に立候補したことがある者が3人いるかもしれない。
ここで誰が指名を勝ち取るにせよ、2016年の大統領選では、元大統領の妻と対決する公算がある。
特権的地位の相続に反対する理念を建国の基礎とする国が、これほど世襲に寛容なのは奇妙なことだ。米国には、王や領主を頂いた経験がない。そのせいか、エリート層が固定されつつある兆候があっても、さほど気にしていないように見えることがある。
トーマス・ジェファーソンは、美徳や才能に恵まれた人たちから成る自然発生的な特権階級と、富や出生の上に成り立つ人為的な特権階級とを区別し、前者は国家にとって恩恵だが、後者は国家を徐々に窒息させるものだと考えていた。
ジェファーソン自身は、才能豊かな法律家だった一方で義理の父から1万1000エーカーの土地と奴隷135人を受け継いでおり、この2つの要素を併せ持つ人物だったが、彼が提唱した区別は時代を超えて有効だった。
悪徳資本家が欧州の王族も羨むほどの富を築くこともあったが、彼ら自身の慈善活動や子息の浪費、そして連邦政府の反トラスト法による取り締まりが相まって、富裕層が確実に子孫に富を残せる国で生きるとはどういうことなのかを、米国民が知ることはこれまで一度もなかった。
今になって、米国民もそうした生き方を知りつつある。なぜなら、現代の富裕層が子息に受け継がせる資産は、カジノでの数晩で浪費できるような性質のものではなくなりつつあるからだ。その資産とは、富よりもはるかに有用で、相続税で損なわれることのないもの、すなわち頭脳だ。
エリートと結婚するエリート
知的資本は知識経済の原動力であるため、知的資本を多く持つ者は、大きな取り分を得られる。しかも、この資本が親から子に伝えられる傾向がますます強くなっている。成功を収めた知的能力の高い男性が成功を収めた知的能力の高い女性と結婚するケースは、これまでの世代に比べてはるかに増えている。
ある推計によれば、そうした「同類婚」が格差を25%も拡大させているという。というのは、学位取得者が2人いる世帯には、大抵、大きな収入源が2つあるからだ。
収入と学歴、若い世代の女性で男性を上回る傾向に 米国
高等教育を受け、成功を収めた人同士が結婚するケースは、これまでの世代よりはるかに増えている〔AFPBB News〕
こうした「パワーカップル」は賢い子供をもうけ、安定した家庭で育てる。大学教育を受けて母親になった女性のうち、未婚のまま出産した人の割合は、年間わずか9%だ。これに対し、高校中退者の母親の場合は、この割合は61%に上る。
また、知的能力の高い夫婦は、子供たちに絶えず刺激を与える。
知的職業の親を持つ子供が4歳までに耳にする言葉の数は、生活保護で暮らす親を持つ子供に比べて3200万語も多い。さらに、良い学校のある高級住宅地に引っ越し、フルートのレッスンに大金を投じ、コネを駆使して子供を一流大学へ入学させる。
米国のエリート層を形成する大学は、あらゆる環境で育った才能ある新入生を集めている。また、アイビーリーグに入学を果たした優秀な貧しい子供たちは、学費の全額免除を受けられるかもしれない。だが、中流層出身の学生たちは大学に通うために膨大な借金を抱えざるを得ない。今や多くの魅力的な職種で必要とされる大学院での学位取得を目指すなら、費用はさらに多額になる。
知的能力のある者がより豊かになり、子供の中国語の家庭教師に大金をつぎこむ中で、親の収入と子の学業成績との関連性はますます強くなっている。さらに、教育は以前よりも重要になっている。これは、知力への需要が急激に高まっているためだ。
大卒の若者が手にする収入は、高卒者より63%も多い。これはどちらもフルタイムで働いている場合だが、そもそも高卒者は職に就ける可能性が大幅に低い。最高の大学からそのまま最高の職へ進む、トップクラスの人々が潜在的に手に入れられる報酬は、これまでになく高くなっている。
先進国の中でも米国が特に極端な理由
上記の話はどれも米国に限ったことではないが、米国ではこうした傾向が最も顕著に表れている。その一因は、富裕層と貧困層の格差が先進国で最大だという点にある。この問題についてはバラク・オバマ大統領も、1月20日に行った一般教書演説の中で、繰り返しそれとなく触れていた。
また、他の先進国に比べて、米国の教育制度が富裕層に有利な仕組みになっているという要因もある。極めて局所的な財政支援制度を取る米国は、そのために先進国の中でもわずか3カ国しかない、貧困地区の学校よりも富裕地区の学校に多くの公的費用を投じている国の1つとなっている。
米国の大学の学費は、1980年以降、平均収入よりも17倍も速いペースで上昇している。高騰した学費の一部は、無意味な官僚的手続きや見た目ばかりが派手な学校施設の費用支払いに費やされている。加えて、多くの大学は入試にあたって自校の卒業生の子息を優遇する「レガシー」制度を導入している。
貴族の撲滅ではなく、保育所の充実を
解決策は、富裕層が子供に投資するのを思いとどまらせることではなく、裕福な親を持てなかった優秀な子供たちの支援にもっと力を入れることだ。支援は幼児期から始めるべきで、脳の順応性が最も高いこの時期に適切な刺激を与えれば、最大の効果が得られる。
乳幼児に話しかけたり読み聞かせをしたりする親に代えられるものはないが、良質な保育所は役に立つはずだ。特に、最貧困層の家族には効果があるだろう。米国は国際基準で見ても、幼児保育で後れを取っている。米国の最貧困地区で幼児保育を向上させれば、投資額の10倍、あるいはそれ以上のリターンがあるはずだ。これほど大きな成果を期待できる財政投資先は、他にはほとんどないだろう。
学校の多くは、米国でひときわ強硬に能力主義に反対している勢力、すなわち教職員組合に支配されている。優れた教育に報奨を与えるべきだとか、悪い教師を解雇すべきだなどと少しでもほのめかせば、教職員組合が抵抗する。
こうした状況や、不公平な財政支援制度という恥ずべき問題を解決するためには、教育制度を今よりも大局的にすると同時に、より地域に即したものにしていく必要がある。
生徒1人当たりの財政支援額は州レベルで設定し、なおかつ貧困層がより手厚い支援を受けられるようにすべきだ。支援金は生徒に沿ったものにする必要がある。そのための方策としては、教育バウチャー制度やチャータースクールの大幅な拡大が考えられる。この方法なら、質の良い学校はより多くの生徒が集まって拡大し、逆に質の悪い学校は閉鎖あるいは併合されるだろう。
教職員組合や同組合の支持を受ける民主党の政治家は猛反対するだろうが、苦境に喘ぐニューオーリンズなどの都市で実施されている実験的な試みは、学校選択制に効果があることを実証している。
最後に、米国の大学に能力主義を浸透させる必要がある。学業成績のみで入試の合否を決めている大学は、カリフォルニア工科大学などのごく一部に限られている。すべての大学がそうすべきである。
また、大学は学費に見合う価値を提供できるように、もっと努力しなければならない。学費の安いオンライン講座が勢いを得ている今、従来型の大学は、コストを削減しなければ生き残れない。
政府にもできることがある。例えば、大学に透明性の強化を求め、学位を取得した卒業生がそれによりどれだけの収入を得ているのかを明らかにさせれば、効果があるだろう。
生まれと成功との結びつきを弱めれば、米国はもっと豊かになるだろう。今の米国は、活用されていない才能があまりにも多すぎる。また、国の求心力も高まるかもしれない。
国民が「この国のやり方はいかさまかもしれない」という疑いを抱けば、右派にせよ左派にせよ、扇動的な政治家に投票したい誘惑に駆られるかもしれない。これらの勢力に対する既存政党の選択肢が、もう1人のクリントンや、はたまたブッシュだったら、なおのことだ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KY13620150125
ダボス会議で各国中銀、政府に構造改革など経済対策を要請
2015年 01月 26日 08:50 JST
[ダボス 24日 ロイター] - 世界各国の中央銀行総裁らは24日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、それぞれが行ってきた金融緩和政策に言及し、経済をさらに支援するため、構造改革や投資促進策の実施に向け迅速に行動するよう政治家に呼びかけた。
欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は、欧州の単一通貨プロジェクトはユーロ圏が景気低迷と深刻な失業で打撃を受けた場合、失敗に終わる可能性があると警告。「欧州プロジェクトの政治的基盤は弱まっている」と指摘した。
またこれとは別に、ダボス会議には出席しなかったECBのドラギ総裁は、「本物」の経済同盟を確立するため取り組みをあらためて強化するよう各国政府に促した。
ドラギ総裁は、独週刊誌ビルトシャフツ・ボッヘへの寄稿文の原稿で、競争強化や官僚主義の排除、労働市場の柔軟性向上に向け、改革が必要と指摘した。
ダボス会議では、他の中銀総裁らが、経済再生とデフレ回避に向けてECBが取った大胆な措置について称賛した。
ECBは22日の理事会で、大規模な債券買い入れプログラムの実施を決定した。
イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は、金利が最低水準にある場合、金融業界では無謀なリスクテークの危険が高まるが、規制当局はこの問題への認識を強めており、対処する用意があると指摘した。
日銀の黒田東彦総裁は、ECBの措置を評価し、世界経済見通しの大きな改善につながるとの見通しを示した。また、先進国の経済について楽観的な見方を示し、2015年度に日本の国内総生産(GDP)伸び率は2%に達する見通しとしたほか、米国が先進国の成長を主導するとした。
一方、米資産運用会社ブラックロックのフィンク最高経営責任者(CEO)は、今年のダボス会議について昨年よりも悲観的なムードが漂っていたと指摘した。
昨年はユーロ圏が金融・経済危機から回復しつつあるとみられていた。だが、それ以降地政学的リスクが高まり、欧州経済は停滞している。
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