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2015年01月21日
古村治彦です。
本日、日本時間2015年1月21日午前11時(アメリカ東部時間2015年1月20日午後9時)から、バラク・オバマ米大統領による一般教書演説(State of the Union Address)が行われます。一般教書演説とは、米大統領(行政府の長)が議会を訪れ、昨年の成果と今年の目標を話す演説です。
オバマ大統領は2期目(これ以上は大統領選挙に出馬することはできません)の後半を迎え、独自外交を展開しようとしています。また、オバマ大統領の人気も回復しつつあり、ヒラリーとの対決も激化しつつあります。そのことについて、短い論稿をご紹介いたします。
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人気回復したオバマ大統領の逆襲(Get Ready for the Obama Boomlet)
専門家たちがオバマ大統領を愛した時を覚えているか?この忘れ去られた感情を取り戻す条件は揃いつつある
ピーター・ベイナート筆
2014年12月15日
ジ・アトランティック誌
http://www.theatlantic.com/politics/archive/2014/12/here-comes-the-obama-boom/383754/
専門家たちが揃ってバラク・オバマ大統領を愛した時期を覚えているだろうか?それから数年しか経っていない。しかし、私はオバマ大統領に対する敬愛が戻りつつあると考えている。
それには3つの理由がある。一つ目の理由には、政治的に見て、オバマ大統領の移民法改正という賭けはうまくいったことが挙げられる。ヒスパニックからの憎悪、そして政府機能の停止を恐れた共和党の指導者たちは、オバマ大統領の意向を覆すという希望を放棄した。更に言えば、オバマ大統領の支持率がヒスパニックの間では15%も上昇したのに加えて、アングロサクソン系の白人たちの間での支持率は下がらなかった。移民制度、健康保険制度、財政刺激策といった分野でオバマ大統領は改革を行った。オバマ大統領の改革の好き嫌いは別にして、多くの評論家たちは、オバマ大統領がリンドン・ジョンソン元大統領以降の民主党系の大統領では最も結果を出していることは認めている。
第二の理由は、そしてこれはより重要なのであるが、経済が回復していることだ。2014年第三四半期のデータによると、雇用創出率は過去3年間で最速で伸びており、失業率は5.8%で2009年よりも10%も下がった。石油価格も下落している。こうしたことにアメリカ人たちは気づき始めている。『タイム』誌が報じたように、消費者の消費マインドは過去8年間で最高を記録している。たとえ改善しつつある経済状況の陰でオバマ大統領の支持率が回復しなくても、ワシントン内部のマスコミたちの彼に対する見方が改善させている。1990年代末に当時のビル・クリントン大統領の支持率の改善に好調な経済が貢献したことがあった。クリントン大統領はモニカ・ルインスキーをめぐるスキャンダルで大きな打撃を受けたが、好調な経済に救われた。オバマ大統領もまた支持率を改善することは可能である。それによって、マスコミはオバマは復活しているという報道をするようになるだろう。
三つ目の理由は、マスコミは「オバマ大統領は変わりつつある」と判断していることだ。2014年に最も関心を集めたのはオバマ大統領と中間選挙であった。重要な上院議員選挙のほとんどは、大統領選挙の激戦州で行われ、民主党の候補者たちは、オバマ大統領とは距離を取った。その結果、マスコミはオバマ大統領を「政治的な不可触民」のように扱った。しかし、状況は変化しつつある。
来年2015年は2016年に向かって話はどんどん進んでいくことだろう。皆が話しているように、民主党でいえば、ヒラリー・クリントンが民主党の大統領選挙候補者となるために進んでいく年となるだろう。ケンタッキーのような州ではオバマは人気がなかったが、民主党の予備選で重要な役割を果たすリベラルな活動家たちからの人気は健在である。実際のところ、オバマはそうした活動家たちとのつながりを維持しているが、ヒラリーにはそれがない。ヒラリーが党の大統領選挙候補者の指名に近づくほどに、そうした草の根のリベラルな活動家たちはオバマの時のことを懐かしく思い出すようになるだろう。民主党の活動家の間で起きるオバマ対ヒラリーという新たな物語は、ケンタッキー州におけるオバマ対アリソン・アリソン・ランダーガン・グライムス(民主党の上院議員選挙候補者)の戦いよりも、人々の耳目を集めるものとなる。先週、オバマ大統領の選挙に参加した300名のスタッフがエリザベス・ウォーレンに大統領選挙に出馬するように求める手紙に署名した。これはヒラリーには大きな痛手となった。2015年、人々は、2008年の米大統領選挙でオバマ大統領は、リベラル派の人々の情熱を結集できたこと、そしてヒラリーにはそれが出来なかったこと、そしてヒラリーは2016年の大統領選挙でもおそらくそれは出来ないであろうことを思い出すことになるだろう。このような状況下で、オバマ大統領に対する見方は改善するだろう。
これまでの大統領たちには全員、好意的なジャーナリストたちによる非公式なサークルの様なものが存在した。このサークルとは壊れたり、再建したりを繰り返してきた。2014年、マスコミによるオバマ大統領についての報道は増加した。『ワシントン・ポスト』紙のクリス・シリッザによると、2014年は、オバマ大統領にとってワシントン入りして以来、全ての面で最悪の年と言えるとなった。しかし、それは、多くのジャーナリストたちがシリッザと同じ考えを持っていたからだ。私たち、飽きやすいジャーナリストたちは振り子を元に戻そうとしている。それは何も困難なことではないのだ。
(終わり)
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