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アメリカ-EU対ロシア枢軸における動揺
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2015年1月 8日 マスコミに載らない海外記事
Finian Cunningham
2015年1月6日
"Press TV"
フランスのフランソワ・オランド大統領は今週、欧米の対ロシア経済制裁を終わらせるよう呼びかけた。一年以上継続しているウクライナ危機を巡り、ロシアに対し、ワシントンとブリュッセルが始めた敵対的政策に懸念を表明した主要ヨーロッパ政治家としては、彼が最新例だ。
オランドは、フランス・マスコミとの、国内・海外の様々な話題を対象にする恒例新年インタビューの中で、そう発言したのだ。ウクライナ紛争に終止符を打つことを目指すカザフスタンでの来る政治交渉に触れ、オランドは、交渉で"もし進展があれば" ロシアに課した経済制裁を解除することに賛成すると述べた。
フランス、ドイツとロシアの高官が、ウクライナ代表と共に、カザフスタンの首都アスタナで、1月15日に会合予定だ。狙いは、昨年4月以来、東ウクライナで起きている紛争への持続的な解決策を見いだすことだ。この紛争は、既に約5,000人の生命を奪ったが、先月実施された不安定な停戦にもかかわらず、エスカレートする恐れがある。
アスタナ・サミットの準備として、今週、上記の国々の当局者が、ありうる合意の概要準備のため、ベルリンで会談する。重要なことに、クーデターの正当性を認めるのを拒否している東部ドンバスのロシア語話者住民に対する軍事攻勢を実施している、昨年2月、違法に権力を掌握したキエフの政権とワシントンが密接に協調しているにもかかわらず、アメリカ当局者は関与していない。
欧米が支持するキエフ政権を弱体化させる為、モスクワがドンバスの分離主義戦士を支援していると主張して、ワシントンとブリュッセルは、危機をロシアのせいにしようとしている。ロシアは、そうした関与を、繰り返し、全て否定してきた。モスクワは欧米の主張に対する証拠不足を指摘している。モスクワは、危機は欧米諸国によるウクライナ内政への違法な介入に根ざしたものであり、クリミアと東部諸州のロシア系住民は、キエフで権力を掌握したネオナチ反ロシア政権に反対して、自らの自由意志で、単に反発しただけだと主張している。
ワシントン-ブリュッセル枢軸は、対ロシア経済・外交制裁を科したが、モスクワによる対経済制裁策で報復された。関係の悪化は、ロシアに対する経済的衝撃をもたらしたのみならず、跳ね返って、ヨーロッパ自身の低迷する経済に悪影響を与えている。ロシアと欧州連合間の通商・貿易は、ロシアとアメリカ間の十倍、経済戦争の展開と共に、EUはワシントンより遥かに失うものが大きいのだ。
これが、EU指導者達が、拡大しつつある難局を巡る不安を、一体なぜ、次第に示し始めたのかという理由の一部だ。
"フランスはウクライナを巡るロシア経済制裁をおわらせようとしている"と、オランドの自制を求める公的呼びかけについて今週BBCは報じた。フランス指導者はワシントン-ブリュッセルのロシアに対する攻撃的政策への本格的疑念を表したEU有力者の最近の例だ。
BBC報道はこう付け加えている。"イタリア、ハンガリーとスロバキアの政治家達も経済制裁を緩和したがっている。"
このリストに、ドイツ、オーストリア、スペイン、ギリシャ、チェコ共和国やブルガリアも追加することが可能だ。
先週末、チェコのミロシュ・ゼマン大統領は、キエフ政権の戦争挑発的姿勢を嘆いて、CIAが据えたアルセニー・ヤツェニュク首相を "戦争首相"として非難した。
オランド発言の前日、ドイツのジグマール・ガブリエル副首相は、ロシアを"屈服させようとしており" "戦争突発"の危険があるとして、経済制裁に反対して警告した。
ドイツ二番目の地位にある政治家で、アンゲラ・メルケル首相の補佐が、彼のボスであるメルケルが、これまでの所は熱心な支持者である、ワシントン-ブリュッセル枢軸と、その反ロシア政策に対する大きな反対の意思を表明しているのだ。
ガブリエルはビルト・アム・ゾンターク新聞に、ワシントンが率いている政策は破壊的だと語った。"ロシアを政治的、経済的混乱に追いやることが狙いであってはならない"と、歴史的にロシアとの友好関係を好んできた社会民主党党員であるガブリエルは述べた。
ヨーロッパとロシアとの間の紛争を肥やしにしている悪意ある外部勢力をほのめかして、ガブリエルはこう述べた。"[ロシアの政治的、経済的混乱]を望んでいる連中が誰であれ、ヨーロッパの我々全員にとって、遥かにより危険な状況を引き起こす。"
先月末、社会民主党員であるフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外務大臣も、メルケルが忠実に従っているワシントン-ブリュッセル枢軸への不安を表明していた。
"これが制御不能になれば、我々の利益にはなり得ない。経済制裁政策の上で、これを念頭に置いておく必要がある"とドイツの外交最高責任者と述べたと、12月19日ドイチェ・ヴェレは報じていた。
オランドの最新の印象的な対ロシア政策転換への呼びかけは、曖昧な博愛行為に基づくものではない。フランスは、ドイツ同様、経済制裁戦争の衝撃を感じているのだ。
年末、フランスの失業は、約350万人、あるいは労働人口の10.5パーセントにものぼる最悪記録となった。フランス経済の不安定な状態に関する悪いニュースは募るばかりで、益々怒り狂うフランス有権者の間で、オランド支持率は、これまでの最低へと落ち込んでいる。
ヨーロッパ各国民は、ウクライナを巡る危機と、ヨーロッパとロシア間の危機が全く不要であることが分かっている。この緊張は、自らの利己的な戦略的利益の為、大陸を仲違いさせるべく、ワシントンが駆り立てているものであることを彼らは知っている。これまでの所、それが跳ね返って、EU諸国民の経済的苦難を更に悪化させ、全面戦争の危険をもたらしているにもかかわらず、EU指導者達は愚かにも、この無謀な政策に同調している。
今週フランソワ・オランドが示した様な、対ロシアワシントン-ブリュッセル枢軸の最近の動揺は、良いニュースと見なすべきだ。アメリカが押し進める危険な進路に関して、ヨーロッパ当局者達もようやくのことで、正気を取り戻しつつあるという意味で。
昨年勢いを得た政治テーマは、何百万人もの諸国民を疎外している、EU中の"民主主義の赤字" だった。人々の暮らし、そして究極的には、ヨーロッパにおける全面戦争の危険性という、極めて重要な問題を巡り、EU諸国民の利益に大きな害をもたらす、ワシントンの対ロシア戦争挑発政策に、奴隷のように付き従うブリュッセル以上に、憂慮すべき「民主主義の赤字」などあるまい。
イギリスの失政者デービッド・キャメロンは、余りにアメリカ傀儡で、正気を取り戻すことは期待できない。しかし、フランスのオランドが、今ずっと前に示してしかるべきだったロシアに対する常識を見せ始めたことからすると、ヨーロッパ政府は、無謀な対ロシア・ワシントン-ブリュッセル枢軸に覚醒し、それを見限ろうとしているのだと信じてよい理由があるのかも知れない。
Finian Cunningham (1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまでは、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務。彼は現在、東アフリカにおり、Press TVと、Strategic Culture Foundation (モスクワ)のフリーランス・コラムニストをつとめている。
Copyright Press TV.
記事原文のurl:http://www.presstv.ir/Detail/2015/01/06/391893/Wobbles-in-USEU-axis-against-Russia
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