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米国の植民地化が進むウクライナは3人の外国人閣僚を誕生させたが、国立銀行の総裁候補にソロス 櫻井ジャーナル
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/722.html
投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 12 月 29 日 05:33:25: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201412280000/

2014.12.28
 
 2014年を象徴する出来事は2月22日に山場を迎えたウクライナのクーデターだろう。西側の巨大資本を後ろ盾にするオリガルヒやアメリカ/NATOの訓練を受けてきたネオ・ナチ(ステファン・バンデラの信奉者)が合法的に成立していたビクトル・ヤヌコビッチ政権を暴力的に倒したのだ。

 ヤヌコビッチはウクライナの東部や南部を支持基盤にする政治家。2004年から05年にウクライナでは「オレンジ革命」があり、西側に支援されたビクトル・ユシチェンコが実権を握ったのだが、結局、一部の人間が国民の資産を盗んで巨万の富を築き、オリガルヒと呼ばれるようになっただけ。

 こうした勢力の新自由主義的な略奪政策に対する反発が2010年にヤヌコビッチを大統領にしたわけだが、この軌道修正を西側の巨大資本は許せなかった。そして今年のクーデター、それに続く東部や南部での住民虐殺、民族浄化につながる。西側にとって目障りな人びとを殲滅しようとしているのだ。これを西側の政府やメディアは「民主化」と呼ぶ。

 この間、アメリカ/NATOは中東/北アフリカでアル・カイダを使った体制転覆プロジェクトを展開していた。2003年にイラクからサダム・フセインを排除した後、リビアのムアンマール・アル・カダフィ体制を倒し、シリアに取りかかり、イランに対する工作も始めている。

 ところが、シリアの体制転覆はロシアの抵抗で成功していない。アメリカ/NATOとアル・カイダとの関係が知られるようになってからIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)なる武装集団を登場させたが、その精鋭部隊としてグルジアのパンキシ渓谷でCIAから訓練を受けたチェチェン人も参加している。ウクライナのクーデターに参加した人物の中にもアレキサンダー・ムージチコ(別名、サーシャ・ビリー)のように、チェチェンで戦った経験のある人物も含まれている。

 チェチェンの反ロシア勢力が拠点にしているグルジアはアメリカやイスラエルの影響下にある。2003年「バラ革命」で西側の傀儡、ミヘイル・サーカシビリ政権ができたのだが、その「革命」で黒幕的な役割を果たしたのは、グルジア駐在のアメリカ大使だったリチャード・マイルズ。

 グルジアへは2001年にイスラエルの予備役将校2名と数百名の元兵士が「教官」として送り込まれ、無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを含む軍事物資も提供されている。また、2008年1月から4月にかけてアメリカの傭兵会社が「元特殊部隊員」を送り込み、「アフガニスタンに派遣される部隊」を軍事訓練している。

 その当時、グルジア政府には流暢なヘブライ語を話すふたりの閣僚http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3580136,00.htmlがいた。元イスラエル人のダビト・ケゼラシビリ国防大臣と南オセチア問題で交渉を担当していたユダヤ系のテムル・ヤコバシビリだ。それだけグルジアとイスラエルとの関係が深いということである。

 そのグルジアは2008年8月に南オセチアを奇襲攻撃する。サーカシビリ大統領が分離独立派に対話を呼びかけた8時間後の出来事だった。南オセチアに駐留していた「平和維持部隊」は軍事的な能力は低く、為す術がなかったのだが、すぐにロシア軍が反撃して侵攻部隊を撃退してしまった。

 ロシア軍の反撃は想定外だったようで、アメリカやイスラエルを後ろ盾とするグルジア軍は惨敗、そのトラウマがウクライナでのクーデターでロシア軍が出てくることを前提とした作戦を立てた可能性がある。ただ、ウクライナの場合はロシア軍が国境を越えず、単に西側が偽情報を流すという形で終わった。

 グルジアの南オセチアに対する奇襲攻撃はロシアを念頭においていた可能性があるのだが、西側のロシア制圧作戦は1999年3月、欧州連合軍がユーゴスラビアを先制攻撃して市民を殺害、スロボダン・ミロシェビッチの自宅や中国大使館も攻撃している。こうした攻撃を正当化するために「レイプ話」などの偽情報を流していた。

 偽情報を流して好戦的な雰囲気を作るという手法は2001年のアフガニスタン、03年のイラク、そして2011年のリビア、シリア、今年2月のウクライナでのクーデターでも使われている。

 ウクライナのクーデターではネオ・ナチのメンバーが棍棒、ナイフ、チェーンなどを持ちながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルを持ち出して撃っている。日本に比べても穏やかに対応していた治安部隊(ベルクト)の隊員の中には拉致、拷問、殺害された人も少なくない。中には目を潰されているケースもあるhttps://www.youtube.com/watch?v=o7eK7N_ueXo。本来ならこれを平和的な民主化運動とは呼べないだろうが、西側のメディアはそう呼んでいた。

 それでもヤヌコビッチ大統領と反政府派の代表は一旦、平和協定の調印にこぎ着けたのだが、そこで狙撃がはじまる。狙撃したのが西側を後ろ盾にするクーデター派だった。2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は翌日、EUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話で次のように報告している:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。https://www.youtube.com/watch?v=ZEgJ0oo3OA8」「新連合はもはや信用できない。https://www.youtube.com/watch?v=ZEgJ0oo3OA8

 それに対し、その信用できないクーデター派をアシュトンは守ろうとする。「議会を機能させなければならない」と応じたのだ。

 そのクーデター派によって作られた暫定政権のアルセン・アバコフ内務大臣は2月26日にベルクトの解散を発表、命の危険を感じる隊員はロシアに保護を求め、それに応える形でロシア外務省はロシアのパスポートを発行すると約束したと伝えられている。

 現在、ウクライナではヌランド国務次官補から高く評価されていた銀行出身のアルセニー・ヤツェニュクは首相の座にあり、金融相にはシカゴ生まれでアメリカの外交官だったナタリー・ヤレスコ、経済発展相にはリトアニアの投資銀行家、アイバラス・アブロマビチュス、保健相にはグルジアで労働社会保護相を務めたことのあるアレキサンドル・クビタシビリが就任した。3名とも就任の数分前にウクライナ国籍を特例で取得している。「異例の登用」ではなく、「異常な登用」だ。いずれもアメリカが送り込んだ人物で、クビタシビリの妻はCIAの仕事をしているといわれている。

 さらに「異常な登用」が噂されている。ウクライナの国立銀行総裁候補として投機家のジョージ・ソロスの名前が挙がっているのだ。ウクライナで誕生したオリガルヒのひとり、ユリア・ティモシェンコは2007年から10年まで首相を務めているが、その間、08年にはソロスからのアドバイスに基づく政策を実行すると発言している。それほどソロスもオレンジ革命に関与しているということだ。

 ソロスはCIA系の団体とも連携している。つまり、CIAが工作資金の供給ルートとして利用しているUSAID、NED、NDI(国家民主国際問題研究所)、IRI(国際共和研究所)、さらにフリーダム・ハウス、アルバート・アインシュタイン研究所といったNGOと彼は手を組み、旧ソ連圏を自分たちに都合の良い国に作り替えようとしている。1983年にアメリカで「民主主義のための国家基金法」に基づいてNEDが創設された時から、アメリカ政府はNGOを体制転覆の橋頭堡とし利用し、そこに少数民族や労働組合などを絡めてくる。

 アメリカはウクライナを露骨に植民地化、ロシアを再びボリス・エリツィン時代のように属国化しようとしている。ロシアのようにアメリカと対立している国がNGO、少数民族、労働組合をメディアと同じように警戒するのは当然だろう。こうした団体の頭には全て「エセ」がついている。  

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