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焦点:ルーブル危機、「プーチン帝国」崩壊への序曲か(ロイター)
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/651.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 17 日 17:50:05: igsppGRN/E9PQ
 

12月16日、ロシアの通貨ルーブルは急落、本格的な通貨危機の様相を呈してきた。ルーブルがこのまま下げ止まらなければプーチン大統領の指導力に疑問符がつき、「帝国崩壊」が現実味を帯びてくるかもしれない。写真は11日、ニューデリーの国際会議に出席するプーチン大統領(2014年 ロイター/Ahmad Masood )


焦点:ルーブル危機、「プーチン帝国」崩壊への序曲か
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0JV0K520141217
2014年 12月 17日 17:16 JST


[モスクワ 16日 ロイター] - ロシアの通貨ルーブルは16日に急落、本格的な通貨危機の様相を呈してきた。ルーブルがこのまま下げ止まらなければプーチン大統領の指導力に疑問符がつき、「帝国崩壊」が現実味を帯びてくるかもしれない。

底なしの原油価格下落、リセッション懸念もささやかれる景気、ウクライナ危機を受けた欧米の制裁を背景に、ルーブルは下値を切り下げてきた。中銀は政策金利を17%までいきなり引き上げるという緊急利上げに打って出たが、ルーブル下落を食い止めることはできなかった。

プーチン大統領は、ルーブル急落の「犯人」は投機筋と西側諸国だと断定。大統領報道官は「感情と投機的なムード」が原因と述べた。

ルーブル相場RUBUTSTN=MCXは16日、米ドルに対して約11%下落しており、1998年のロシア財政危機以来の大幅な下げを記録した。今週に入って20%下落、年初来では50%以上も下落している。

通貨危機は何を意味するのか。経済にとっては、金利の上昇で成長がさらに鈍化し、来年はリセッションが一段と進むことが見込まれる、ということだ。企業にとっては、不透明感が強まり、資金調達が難しくなることを意味する。そして、中央銀行にとっては信頼感の危機だ。

プーチン大統領にとっては、国民がこれまで大統領を支持してきた理由、つまり金融の安定と繁栄が失われることを意味する。欧米との関係が冷え込むなか、頭痛の種がこれ以上増えるのは避けたいところだ。

スピロ・ソブリン・ストラテジーのマネジングディレクター、ニコラス・スピロ氏は、ロイターに対して「プーチン氏はこれまで、原油価格の上昇を背景として、権力を欲しいままにしてきた。経済が今後、政局にマイナスの影響を及ぼし始めることに、疑問の余地はない」と指摘。「政権の持続可能性が揺らぎ始めるのではないか」ともしている。

今年3月のクリミア編入以来、プーチン大統領の支持率は80%を超えている。政敵を次々と排斥した結果、政権を脅かすような目立ったライバルはおらず、巨大国営企業の大半は大統領の側近の掌中にある。

<国民にパニックの兆候なし>

ロシア国民の間にパニックの兆しはない。国民の主な情報源である国営メディアは事実上、プーチン大統領の傀儡(かいらい)であり、ルーブル急落についても、投機筋と西側の攻撃だと報じているからだ。

1998年の財政危機時の混乱とは異なり、16日朝方も両替所に行列はできず、食料を買い占める動きもない。デモも発生していない。

ただ、ルーブル安と景気悪化への不満は今後、大都市の中間層の間に徐々に広がり、大統領の支持基盤の地方にも波及する可能性がある。

世論調査機関レバダ・センターのレフ・グトコフ所長は、電話で「大統領への支持は1年半から2年ほどは持つだろうが、来年の春ごろには、不満の最初の兆候が見られ始めるかもしれない」と述べた。

エリツィン元大統領は財政危機後に辞任に追い込まれている。ゴルバチョフ元ソ連大統領は経済難をきっかけに権力基盤が揺らいだ。プーチン大統領は「先輩諸氏」の運命に思いをはせているのかもしれない。

<頼みの綱は原油価格の回復>

プーチン大統領とメドベージェフ首相、ナビウリナ中銀総裁に残された時間は少なく、早急な行動が必要。ただ、選択肢は多くはない。

政府がウェブサイトで明らかにしたところでは、メドベージェフ首相は16日、中銀や政府の高官と会談し、現状について意見交換した。

ロシア中銀は10月に1.5%ポイント利上げ、先週1%ポイント利上げ、今回6.5%ポイント利上げと、この2カ月の間に3度と矢継ぎ早の利上げを実施してきた。ただ思うような効果は上がっていない。

ルーブル相場が下落すれば、原油や金属、穀物、天然ガスの輸出収入がルーブル建てで増えることになり、国庫が潤う。一方、海外への借金返済はルーブル建てで膨らむ。ロシアの企業と銀行は来年、1200億ドルの債務が返済期限を迎えるため、信用収縮の再発が懸念される。

ウクライナ問題を受けた制裁により、国際資本市場での資金調達が制限されていることも、苦境をより深刻なものにしている。対外債務の返済期限到来は、来年だけでなく今年もあることにも留意が必要だ。

ロシア政府は、資本規制は導入しないと繰り返し宣言している。しかしアナリストの多くは、資本規制は不可避と考えている。2014年と15年の資本流出は1000億ドルを大幅に上回る可能性がある。

中銀は金・外貨準備を引き出してルーブルを買い支えてきたが、それも長くは続けられないかもしれない。ロシアの準備高は、年初頭には5090億ドルを超えていたが、今では4160億ドルに減っている。

プーチン大統領にとって、原油価格の急上昇に望みをかける以外、選択肢はないのかもしれない。原油価格は現在1バレル=60ドルを割り込んでいるが、ロシアの財政均衡には100ドルへの上昇が必要だ。

(Timothy Heritage記者 翻訳:吉川彩 編集:佐々木美和)


 

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コメント
 
01. 2014年12月17日 18:58:19 : aQq0UGoaxY
手先のロイターらしい記事だけれど、「犯人」を知っているプーチンを相手にすると火傷するよ。
プーチンにとって資源国を加えたユーラシア経済圏を作る最大のチャンスかもしれないのに。
そうなった場合、紙屑ドルが確定する。
アジア通貨危機のときにマレーシアがとった手法も研究済みだと思う。
選択肢は沢山ありロシアはじっくり攻めに転じるだろう。

それにロイターは原油価格急降下の犯人について一言も言及していない。
重要なことなのに何でだ。


02. 2014年12月17日 20:11:03 : DgKheIICbS
まあロイターのこうあってほしい記事より、現実のほうはこうであってほしくない(無論アメリカにとってだが)動きが出ている。


11:24
プーチン大統領 メルケル首相、オランド大統領、ポロシェンコ大統領とウクライナ危機について協議
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_17/281383194/

この記事で重要なのはメルケルとオランドというEUの立役者の国が、危機回避のために協議(支援と停戦)に乗り出したということだ。
そしてもうひとつはポロシェンコが協議に前向きだということである。
以前、ポロシェンコは金塗れの私腹肥やしにしか興味の無いウクライナのオルガリヒの中でも政治(なにせヤヌコビッチ政権にも居た男だ)を分かっており、ロシアにとって組み易い男だとコメントに書いたが本当にそうなったw
それからサウスストリーム関連で東欧からこういう動きが出てきている。

ブルガリア政府代表団、「サウスストリーム」計画論議のため訪ロへ
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_17/281379613/

記事によればブルガリア訪露団はサウスストリーム計画参画になんの支障もないと、実現を訴えるようだ。
これが何を意味するのか、何が動き出すか来年になれば見えてくるだろう。


03. 2014年12月17日 20:41:47 : LBtbDXFoS6
結局、ハブられるのは誰かってことですね。
プーチンか?それとも…

04. 2014年12月17日 22:38:05 : jXbiWWJBCA

ロシア市場、投資家が警戒すべき5つの理由
By MICHAEL J. CASEY
2014 年 12 月 17 日 15:32 JST

通貨ルーブルの急落やロシア市場が示す混乱が世界経済に真の脅威を及ぼしている Bloomberg News
 現在のロシアの金融危機について現実的政治の観点から考える衝動にかられる人もいることだろう。弱体化したロシアがウクライナやシリアなどでの紛争で影響力を行使する余地が少なくなるというものだ。しかし、通貨ルーブルの急落やロシア市場が示す混乱が世界経済に真の脅威を及ぼしているというのが現実だ。

 海外投資家がロシアの金融危機に留意すべき主な理由として、以下の5つが挙げられる。

1. 債券市場に波及

 ルーブルをめぐる長きにわたる不信感が残ることや投資家を呼び込むような適切な統治規則を定めていないために、ロシアには大型で機能するルーブル建て債券市場がない。同国最大級の企業は巨額の資金をドル建てで調達しているため、ルーブル建ての利益が通貨安とともに急減する中、債券のデフォルト(債務不履行)リスクは増している。

 これは国際的なリスクでもある。損失に直面するこれらの債券の保有者は、1998年のロシア危機において見られたように他の高リスク債を処分することで損失をカバーし、市場の混乱に拍車を掛けることが考えられる。悪影響が広がりそうなのは、アフリカから東欧まで新興国市場の国債で、これまでは高利回りを追求する世界の投資家から旺盛な需要が見られた。また、最近の原油安で既に打撃を受けている米国のジャンク債もそうだ。主要ヘッジファンドや大手金融機関が問題を抱える事態に陥れば、こうした負の波及効果は一段と深刻になる懸念がある。

 2. 通貨安の連鎖

 一つの通貨が単独で下落することはない。ある通貨が下落すれば他通貨の競争力が低下するため、その影響は幅広く及ぶ。影響を相殺するために、ロシアの貿易相手国の通貨は「同調」して下落している。これが控えめで、各国の輸出企業が受ける打撃が緩和されるのであれば何も言うことはない。しかし、貿易相手国の通貨が急落するようなら、今度はロシア中央銀行が死に物狂いの行動を余儀なくされ、投資家は一斉に資金を引き揚げるという負の連鎖を招きかねない。

 特にいくつかの通貨は次のドミノとなる見込みだ。その一つはロシアルーブルと同じく対米ドルで過去最安値を付けているトルコリラだ。同国ではエルドアン大統領と中銀の対立関係が市場の信頼を損ねている。もう一つはインドネシアルピアだ。中国の商品(コモディティー)需要の減退が重しとなっているほか、政府の燃料補助金の削減を受けて、中銀がインフレの脅威に立ち向かっている。

 この連鎖に巻き込まれる通貨が増えれば増えるほど、影響を受ける貿易相手国のマトリックスも拡大する。つまり米ドル高がますます進む一方になり、ひいては、このこと自体が米国の製造業者にとって問題となる。

 3. 一段の原油安

 エコノミストは当初、原油の値崩れで消費者や企業の懐に入る資金が増えるとして、原油安は世界経済にとって差し引きプラスだととらえていた。だが相場が6カ月足らずで45%余りも急落した今、マイナス面があらわになり始めている。

 石油生産者は財務を圧迫され、債務返済に苦戦を強いられるだろう。コモディティーやハイイールド(高利回り)債の投資家は損失を被り、対応としてその他のジャンク債や商品を売っている。ロシアの経済的苦境が原油市場の不均衡をさらに極端なものにする恐れもある。ロシアの石油業界には、足元の価格水準では不採算であるにもかかわらず、供給量を維持し、収益を上げ続けるよう政治的圧力が掛かるだろう。

 その一方、この金融メルトダウンが同国経済に与える打撃で内需が冷え込み、世界市場の需給はさらに緩むこと請け合いだ。そうなれば、国際原油価格は一層下押しされ、米国やその他諸国の石油生産者や商品投資家が被る経済的影響はさらにひどくなるだろう。

 4 軍事的対立の激化

 痛手を負った熊と同様、弱くなったロシアは強いロシア以上に危険な存在となり得る。世論調査ではウクライナ問題への対応でプーチン大統領の支持率が80%に上り、同大統領にとって心強い支えとなっている。大統領が失うものなど何もないと感じているようなら、これまでと同じ好戦的態度を取り、西側諸国から譲歩を引き出しロシア経済への圧力を緩和させようとする可能性がある。

 ロシア経済は米国と欧州連合(EU)による制裁措置で打撃を受けている。ロシアによるクリミア併合を受け開始されたこの制裁はその後、同国がウクライナ東部の親ロシア派を支援したことで強化された。ただ、ロシア情勢の不安定化は近隣諸国への経済的・政治的リスクとなるため、ロシア政府は今回、こうした対立激化の脅威を武器として利用しようと考えるかもしれない。

 5. 欧州には天然ガスで脅し文句

 西側諸国との対立におけるロシアの「核の選択肢」(文字通りの意味ではないが)は、欧州向け天然ガス供給の縮小という脅し文句を言い続けることになりそうだ。

 ガス供給の3分の1以上をロシアに依存しているドイツのような国にとっても深刻な問題だが、ほぼ全てを依存しているポーランドや東欧諸国にとって、問題はさらに大きい。パイプラインなどの固定インフラ経由で輸送される天然ガスは、他の代替燃料や他の供給源にすぐ転換するというわけにはいかない。多額の費用を投じて米国のシェールガスを輸出可能な液化天然ガスに転換する大型プロジェクトでも実現しない限り不可能だ。これらの国々ではガスが家庭用暖房のほか、主要産業の稼働にも用いられている。

 こうした形で打撃を受ければ、すでにスタグネーション(景気停滞)とデフレ圧力に苦しんでいる欧州では経済的に大きな影響が出るだろう。2年前のユーロ危機と同様、その影響は米国など他市場へ即座に波及するものと思われる。

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