http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/648.html
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西側諸国でのウクライナ危機に対する関心は急速に薄れ、マレーシア航空17便撃墜という惨劇もまるでなかったかのように無視されている状況だ。
ウクライナ東南部の内戦状態はなんとか終止符を打ったようだが、キエフのポロシェンコ政権は、“奇妙な砲撃戦による内戦”以上の深刻な政治的危機に追い込まれている。
一つは、壊滅的な経済状況にあるウクライナは、本格化した冬の寒さをしのぐために必要なぎりぎりのエネルギー資源さえ手に入れることができないことだ。
国内であるドネツクに膨大な石炭備蓄があるのにそれさえ手に入れることができず、不足する石炭1千万トンほどを南アフリカから緊急に輸入しなければならない状況にある。(それも思うように輸入できていないのが現状)
ウクライナの一般家庭は、停電が日常化(通電は6時間/日ほど)になり、苛酷な寒さを和らげるための暖房も止まっている。その一方で、政府職員が住む地域は停電することもなく暖房も行き渡っているという。さらに、ポロシェンコ大統領がオーナーであるチョコレート工場は数万個の電球で電飾が施されたままだという。
右派セクターも、東南部に対する政策を中心に、ポロシェンコ政権に敵対する動きが強まっている。
このような状況だけで一つの政権が崩壊するには十分な条件と言えるだろう。
もう一つは、建前として現政権を支援する動きを見せてきた西側諸国がいい顔を見せなくなったことである。
経済破綻と政治的昏迷が深まる国内事情だけでもポロシェンコ大統領が政権を維持していくことは困難だが、さらにそれに追い打ちをかけるように、西側諸国から手痛い仕打ちを受けはじめた。
昨年秋に米国バイデン副大統領までしゃしゃり出て鳴り物入りで締結されたシェブロンのシェールガス開発契約であったが、シェブロンは、ウクライナ政府が必要な書類を用意しなかったという理由で一方的に撤退を表明した。
さらに、メルケル首相とオランド大統領は、ポロシェンコ政権に政治・経済の改革を迫り、その実行がなされない限り追加の金融支援を実施しないと通告した。
元々、西側諸国とそれらと裏で通じるロシアプーチン政権にいいようにいじられるなかで起き進行した「ウクライナ危機」だが、いよいよ悲劇的な状況に追い込まれるなかで終結を迎えそうである。
※ここに書いた情報の基本は、今朝NHKBSで放送された「RTRニュース」に拠る。
※ 関連参照投稿
「デフォルトを嫌う金融家のため、危機を頼りにする軍需産業のため、「東西」の合作で分断と対立を煽られたウクライナ」
http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/467.html
「原油価格、なお底値見えず NYで60ドル割れ:ウクライナや中東で争乱を続け原油価格を支えるのは愚かな戦術」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/645.html
「ウクライナ情勢の今後:軍事的対応はハナからなしだが、実質的経済制裁も避けたい欧米先進国:焦点はウクライナ東南部地域の“地」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/169.html
※ シェブロンウクライナでのシェールガス開発参考記事
ウクライナ、シェブロンとシェールガス開発へ
2013 年 11 月 6 日 18:20 JST
【キエフ】ウクライナは5日、米石油大手シェブロンとシェールガス開発契約を交わした。同国はロシアから輸入するガスの支払いに苦心しており、ロシアに対する供給依存の軽減を図っている。
シェブロンはこの生産物分与契約に基づいて3億5000万ドルを投資する。ウクライナは1月にも英蘭系メジャー(国際石油資本)のロイヤル・ダッチ・シェルと同様の契約を交わした。
ウクライナは天然ガスの供給をロシアに頼っているが、米国の掘削技術が自国の資源開発を後押しすると期待している。
ヤヌコビッチ大統領は調印前に「われわれはシェルおよびシェブロンとの契約によって2020年までにガスの自給自足を達成できる。楽観的な筋書きによると、輸出国になることができる」と話した。
シェールガス革命による米国での生産急増で、欧州諸国は欧州連合(EU)の輸入の3分の1を満たすロシア国営天然ガス大手ガスプロムへの依存を減らすことができると期待している。
ウクライナは特に自国の生産量を増やしたい考え。同国はロシアにガスが高過ぎて経済に痛手を被っていると割引を求めたが、ロシア側は応じなかった。
ウクライナのスタビツキー・エネルギー石炭産業相は「(ロシアの)パートナーから天然ガスを購入するよりずいぶん安くなる」と話した。
同相によると、シェブロンが開発を支援するウクライナ西部のガス田はフル生産時の年間産出量が50億立方メートルと、今年のロシアからの購入予定量のほぼ5分の1に相当する。
米エネルギー情報局(EIA)によると、ウクライナのシェールガス埋蔵量は1兆2000億立方メートルと欧州4位。
スタビツキー氏はそのほか、ウクライナは延滞していた8月供給分についてガスプロムへの支払いを開始した、と語った。ガスプロムは、ウクライナ国営エネルギー会社ナフトガスの未払い分8億8200万ドルのうち一部しか受け取っていないと主張している。
http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304218104579181161862048186
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