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キエフ政権は、メルトダウンを待ち受ける災害のようなもの
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/641.html
投稿者 青木 日時 2014 年 12 月 09 日 21:33:21: GVRpWDlZpBQ6A
 

フィニアン・カニンガム
2014年12月7日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

先週のウクライナ最大の原子力発電所における強制停止は、ウクライナの燃料危機の結果なのだろうか? この危機はそれ自身、欧米スポンサーが、今年早々キエフで、違法クーデターを起こして、ウクライナに生み出した政治危機の産物だ。

欧米に支援されたキエフ政権は、一週間続くザポリージャ原子炉停止による、市民の安全や環境に対する“脅威はない”と主張した。しかし事故の性格に関する詳細が不十分で、政権の徹底的な信頼性の欠如と、万事に対する破廉恥さを考えれば、十分警戒すべき根拠が存在する。

しかも、キエフ当局は、事故が起きてから少なくとも五日後まで、停止を公表しなかった。この型破りの無能力は、この政権の典型例だ。結局、キエフ政権は、アメリカ人一人を含め、三人の外国人を閣僚に任命するという奇想天外、未曾有の手段を講じた。だが、原発事故を巡る明らかな秘密主義は一体なぜなのだろう? 彼らは一体何を隠しているのだろう?

ここは、チェルノブイリ原子炉が、1986年4月に爆発して、世界最悪の原発事故を起こした国であることも想起しよう。あの事故で、何千人もが癌で亡くなり、ロシアや西ヨーロッパの広大な領域が放射能汚染され、被害対策は180億ドルにのぼると推計されている。

11月28日に強制停止されたザポリージャ原子力発電所は、南東ウクライナのドニエプル河岸にある。この原発は国内最大であるのみならず、出力6,000メガ・ワットというヨーロッパでも最大の設備だ。ウクライナは、総電力需要の約半分の供給を四カ所の原子力発電所に依存している。

世界原子力協会WNAによると、ザポリージャの施設は、四つの原子力発電所の中でも、群を抜いて大きな発電機だ。6基の炉を備え、ウクライナの総電力需要の20パーセント以上を発電している。最近の停止は、1987年に稼働開始し、30年の寿命に近づいている、原子炉6基の一つ、第3号炉で起きたとされている。

新たに任命されたエネルギー相ヴォロジーミル・デムチシンは、今週水曜、ザポリージャ停止から5日後に行われた記者会見で、問題は“電源出口システムでのショートによって引き起こされた”と述べた。事故は発電とは関係ないと彼は主張した。我々は彼の説明の言葉を文字通りに受け取るしかあるまい。エネルギー相は、実に不確実な雰囲気で、“問題は金曜日までには解決する[停止から一週間後]と思う”と付け加えた。

デムチシンは、事故による放射性物質の漏出はなかったと主張した。この評価は、フランスを本拠とする監視団体によっても裏付けられているように見える。ロイターはこう報じている。“フランス国営の放射線防護・安全研究所IRSNは、ウクライナにおける、いかなる放射能異常も探知していないと述べた。”

原発事故に関する他のマスコミ報道は、変圧器の“遮断”が発電停止をもたらしたが、原子炉は正常に稼働し続けていると報じた。これは予想外の電力サージが停止を招いたことを示唆している。

キエフ政権は、厄介な、あるいは危険なことは何も起きていないと主張しているが、事実は、ウクライナは、特に冬が深まるにつれ、十分な発電をする為の必要性から、原発施設に益々大きく依存するようになっているのだ。

ウクライナのあと二つの主要電源供給源は石炭とガスで、それぞれ総発電量の約40パーセントと、10パーセントを占める。

ところが、石炭とガスの供給は、キエフ政権による東ウクライナに対する戦争と、ロシアに対する敵意の直接の結果として、激しく破壊されてしまった。ウクライナの全炭田の80パーセント以上が、東部のドンバス地域にあり、地域は自ら共和国宣言をして、分離したドネツクとルハンスクの支配下にある。

キエフ政権は石炭備蓄が残り少なくなっており、一部のマスコミ報道は、貯蔵所備蓄が四分の一に減ったと報じているが、この不足は、今年4月、反政府派のドンバス住民に対して、キエフが開始した戦闘が原因だ。代替の石炭を南アフリカやポーランドから輸入するというキエフ政権による最近の計画も、一つには、これらの国々からの石炭品質が、ウクライナの火力発電所に合わないという理由もあって行き詰まった。発電所は、ドンバスの炭鉱に特有の無煙炭で稼働するよう設計されていたのだ。もう一つの障害は、キエフ政権が輸入に対して支払いしないことをめぐる紛争だ。政権の、ただで何かくれという鼻持ちならない態度を考えれば、何も驚くべきことではない。

政権による7カ月間のドンバス攻撃に対する膨大な軍事支出が、ウクライナの財政難と対外債務を悪化させた。これに加え、50億ドル以上にのぼる、これまでの対ロシア未払いガス代金と、モスクワに対するあからさまな敵意が、歴史的に重要なロシアという貿易相手国からの天然ガス供給を損なってしまった。

避けられない結果として、欧米に支援された違法な2月のクーデターで、支配権を掌握したキエフ政権は、自らの無謀な敵対的政策によって、ウクライナの深刻なエネルギー危機を生み出した。ボイス・オブ・アメリカは、今週、低下する電力供給を節約する為の、政権による“計画停電”が、ウクライナ中の多くの町に拡張されつつあると報じた。凍えるような温度は二桁のマイナスとなり、エネルギー危機は悪化するばかりだ。

そこでこうして、原子力発電ネットワークと巨大施設、とりわけザポリージャに、より大きく依存こととなったのだ。発電量の絶望的な低下を埋め合わせる為、キエフ当局が、原子力発電所に、最大稼働能力で稼働するよう圧力をかけていたと推測して良いだろう -政権が自ら生み出した悪循環だ。

どうやら、ザポリージャ原発停止は、原子炉メルトダウンの結果であったようには思われない。しかし、原子力発電業界全体が能力限界、そして、おそらく限界以上に追い込まれていれば、大惨事が一層起こり得る危険がある。

ワシントンとブリュッセルの全面的支援を受けて、CIAに支援された首相アルセニー・ヤツェニュクや、オリガルヒ大統領ペトロ・ポロシェンコの様な無責任な扇動政治家連中に率いられたキエフ政権は、既に次から次ぎと厄災を引き起こしている。ウクライナ人同胞に対するキエフの熾烈な軍事攻撃で、4,000人以上が亡くなり、100万人もの人々が難民と化した。キエフ軍は、民間住宅地域に対し、国際的に禁じられているクラスター爆弾を使用し、ネオ・ナチ民兵組織の大隊が、大規模な戦争犯罪をおかしている。7月には民間航空機が撃墜され、298人が亡くなったが、キエフの軍事的陰謀による結果である可能性が高い。ウクライナ経済とインフラは破壊され、東部地域に対する、キエフによる、ニュルンベルク裁判では集団処罰という戦争犯罪にあたる経済封鎖のおかげで、影響は悪化している。

次の結果は原子力災害だろうか?

この欧米に支援された政権そのものが、メルトダウンを待ち受けている、絶えず続いている災厄なのだから、我々は全く驚かない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2014/12/07/kiev-regime-a-disaster-awaiting-meltdown.html

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-fcc8.html  

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コメント
 
01. 2014年12月10日 07:32:17 : yy7D5jhcis
ゴールドマン様の属国だからさ

02. 2014年12月10日 12:26:02 : nJF6kGWndY

巨大津波がなくても、チェルノブイリは起こったからな

貧困化と紛争で、システムが脆弱化すれば

リスクは小さいとは言え0ではない


03. 2014年12月10日 13:06:47 : RTWWw8j8P6

アメリカは世界中に害毒をまき散らしている。


04. 2014年12月11日 09:42:55 : Yqn3zgFLx2
ネオナチ崩れが多く棲むウクライナ政権だがポロシェンコだけは、ヤヌコビッチ前政権のときも役職についていた風見鶏だけに算盤のはじき方が米国傀儡のヤツェニュクらとは根本的に違っていて、ロシアとの協議は欠かせないとちゃんと実を取るほうを選択したようだ。


12月 9 , 13:22
露「ガスプロム」がウクライナ向けガス供給開始を確認
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_09/gasupuromu-ukuraina/

関連記事


12月 6 , 09:23
ウクライナ ロシアのガス供給に3億7800万ドル前払い
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_06/ukuraina-roshia-gasu/

そもそも欧州はウクライナがロシアからガス供給を受けることを歓迎していたという記事。


10月 31 , 17:00
ロシア・フランス・ドイツ・ウクライナ首脳、ロシア産ガスのウクライナへの供給に関する合意を歓迎
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_10_31/279465408/


それから本投稿記事の文中にあるキエフの石炭備蓄の不安についても、既にロシアからキエフに石炭輸出が行われている


12月 1 , 17:23
ウクライナ、ロシアからの石炭輸入を再開
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_01/280735981/


05. 2014年12月11日 21:46:45 : jXbiWWJBCA

ウクライナ首相が追加金融支援呼びかけ、「デフォルト防ぐため」
2014年 12月 11日 20:25 JST
[キエフ 11日 ロイター] - ウクライナのヤツェニュク首相は11日、同国のデフォルト(債務不履行)を回避するために国際会議を開催し、追加支援を決定するよう西側諸国に呼びかけた。

首相は議会で「われわれは困難を乗り越え、デフォルトを防ぐために、国際援助会議の開催と会議でのウクライナ再生計画の決定、西側パートナー国の支援を必要としている」と述べた。

そのうえで、国際通貨基金(IMF)による総額170億ドルの現行の金融支援に加えて、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)で報じられたような150億ドルの追加支援が来年必要になると述べた。

首相はまた、政府の経済改革計画の概要を説明。税制の見直しやエネルギー取引に課される関税の引き上げ、国有企業の民営化などが含まれる。

ウクライナはこれまで、IMFから46億ドルの融資を2回に分割して受け取っている。IMFは今週、現行の支援策をめぐる協議のためにキエフを訪問している。

ロシアへの天然ガス代金の支払いや通貨フリブナ防衛のための市場介入などから、ウクライナの外貨準備は10年ぶりの水準まで低下している。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JP15Z20141211
 


06. 2014年12月12日 07:56:24 : jXbiWWJBCA

ウクライナ問題、ついに解決の糸口が見つかるか
急遽開かれたロシアとフランスのトップ会談でプーチン大統領がふいに見せた本音
2014年12月12日(Fri) 菅原 信夫
 将来、2014年という年を回顧することがあれば、それはウクライナ紛争の年と年表には太字で書かれることになるのだろう。

ソチ五輪中に発生したウクライナ内紛

ウクライナ国会前に極右数百人、幹部「射殺」で内相辞任を要求
キエフの国会前に集まり抗議活動をする右派の民衆〔AFPBB News〕

 ウクライナとクリミア、この2つの土地の組み合わせは8年間の準備期間と5兆円というオリンピック史上最大の投資額により、本来ならロシア史でも大イベントとして大きく取り扱われるはずであったソチ五輪を軽々と吹き飛ばしてしまった。

 たった1年ほど前に始まったこの紛争が、21世紀の世界に与えた影響、なかんずくBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の一角にあって、ソチオリンピックの実現でそのピークを迎えようとしていた新興ロシアから多くの可能性を奪ってしまった悔しさは、一外国人である私にもはっきり感じることができる。 

 筆者はモスクワでこの紛争を肌身に感じながら、ロシアと外界世界とがボタンをかけ違えてしまった状態、ロシアが必要以上に西側世界から敵視されるに至る状態に違和感を持ち続けている。

 筆者の視点は、日本の方々からはロシア寄りと批判されるだろうが、本稿ではウクライナ紛争の1年間を、ソチオリンピックも絡ませながら、あえてロシアに寄り添う形で概観してみたい。

 ウクライナの首都キエフで2013年11月から始まったビクトル・ヤヌコビッチ政権への市民の反対運動は、ソチ五輪でアルペンスキー競技がハイライトを迎えた2014年2月18日、死者82人を出す一連の銃撃戦にまでエスカレートした。

 ただ、この時期では、報道されるユーロマイダン(キエフの中心部にある広場、大規模な反政府集会を指す)運動は、親露政策をとるヤヌコビッチ政権へのウクライナ市民による反政府運動であって、そこに米国、ロシアの代理戦争という評価はまだ一般的ではなかった。

 現実にウクライナはソチオリンピックに選手団を送り込んでいて、アルペンスキー競技に出場予定であったボグダナ・マツォツカ選手の参加ボイコットが話題になったものの、それはヤヌコビッチ政権への抗議のためであって、主催国ロシアへの非難という意味ではなかった。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、自身が先頭に立った招致運動では英語まで使って勝ち取ったソチオリンピックを成功させるため、競技期間中はモスクワとソチの間を頻繁に往復した。

 放送のため現地に滞在した日本のテレビ局スタッフが、こんなに大統領の姿が身近で頻繁に見られるとは思いもしなかった、という感想を述べているほど会場に足を運んだ。

 ユーロマイダンに入ったロシア側情報員から、そこには多くの西側の情報員、工作員が送り込まれており、事態は泥沼化するという報告が上がっていたという。反政府運動がいよいよヤヌコビッチ政権崩壊を目指すようになっていることを知りながらも、歴史に残る祭典作りに邁進したロシアは、ウクライナ情勢への対応でかなり後手に回った感が否めない。

プーチン大統領が動けないのを見透かしたウクライナ大統領

ウクライナのヤヌコビッチ前大統領、ロシアで記者会見
ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ前大統領〔AFPBB News〕

 そして、オリンピック終了直前。ヤヌコビッチ大統領がキエフを脱出、ウクライナ議会は大統領の解任を決議し、2月22日、キエフで反政府運動が頂点に達した。ソチでは翌日の2月23日、オリンピックは終了した。

 以上の動きはそう昔のことでもないから、読者の方々も覚えておられると思う。

 オリンピックが無事終了することを何よりも願うプーチン大統領が動けないのを見透かすように、キエフを離れたヤヌコビッチ大統領は出身地ドネツクから、なんとロシア領内に入り、ロストフ・ナ・ドヌーで解任決議無効を主張する。

 筆者は、なぜヤヌコビッチ大統領は勝手にロシアに入り込むのか、ロシアが紛争に巻き込まれるではないか、と大いに憤慨したものだが、もちろん彼が勝手にロシア領内に入るわけがない。

 その頃からウクライナ東部に利権を求めるロシアのオリガルヒ(新興財閥)と、ヤヌコビッチ大統領などのウクライナ側のオリガルヒが結託して、ドンバス地方を中心とするウクライナ東部に独立国を打ち立てようとする親露派の動きが出てきていたのだ。

 親露派を力で抑え込もうとする西側とウクライナ政府は、ウクライナ正規軍を東部戦線に投入、ここに本格的な戦いが始まるわけである。

 先に触れたように、親露派はロシアの傀儡、ウクライナ正規軍は米国・EUの傀儡、という見方もその頃から出てくる。

 同時に、ウクライナ東部には有望なシェール層があり、ガス・原油の埋蔵が確認されているという報道も、ジョー・バイデン米副大統領の次男(ハンター・バイデン氏)がエネルギー開発新興企業であるブリスマの役員に就任し、頻繁にキエフ通いをしていることと合わせて、情報誌をにぎわすようになる。

 以上がウクライナ紛争の本年春あたりまでの経緯であるが、当時ロシアはオリンピックにそのエネルギーを注ぎ、テレビ放送もオリンピック一色だった。

 政府系TVのチャンネル1がウクライナ東部に戦争特派員を送り込み、放送記者の犠牲を払いながらも戦場の様子をロシア家庭に伝えてくれたのは、まさにオリンピック後の5月以降のことである。

 一般市民がそれまでの傍観から、ロシアは何をせねばならないのか、という命題を考え始めたのも、ちょうどそのあたりからだ。 

「我々は被害者」と考えるロシア人

 筆者が受け持っている日本の某大学でのロシアビジネス講座で、受講学生にロシア関係で気になった今年のニュースを挙げてもらったところ、90人の学生のうち、37人がウクライナ、クリミア関連を取り上げた。

 さらにこの紛争はロシアが意図して拡大したと考える学生が多いことも、彼らのリポートから判明した。反ロシアの甚大なインパクトが紛争地から遠く離れた日本に打ち寄せているのだ。

 一方、12月初め、筆者が客員講師として日露ビジネスの講演をしたモスクワ大学ビジネススクールの授業で学生諸氏に同じ質問をしてみた。「今年、一番気になったニュースは何ですか」と。

 66人の出席者中、ウクライナ紛争に手を上げたのは17人。次に経済制裁とルーブル下落という項目にはほぼ全員が挙手をした(この学生への意見聴取は、担当教授の許可のもと、授業の一環として行った)。

 ここに大方のロシア人の見方が反映されている。

 プーチン大統領の行動からも、上記の学生の反応からも言えるように、ウクライナ紛争というのはロシアが主体的な役割を演ずる事件ではない、という考え方である。

 ウクライナ紛争にロシア軍は関わっていないので、ロシア人の犠牲者も出ていないことになる。戦場化したウクライナ東部のロシア系ウクライナ人には気の毒ではあるが、ロシアとしては避難民としてロシア領内に退避してくるウクライナ人100万人の面倒を見ているのだから、隣人としての義務は十分果たしていると彼らは考える。

 先月のオーストラリアで開催されたG20で、カナダのスティーブン・ハーパー首相が強い調子でプーチン大統領に対し、「ロシアはウクライナから出るべき」と発言したことに対し、プーチン大統領は「それは無理だ。なぜなら我が軍はウクライナに入ってもいないのだから」と答えたと各紙は紹介している。

 冗談のように聞こえるかもしれないが、ロシア人はまさにこのように思っている。ロシア人にとり、ウクライナ紛争は、自分たちに降りかかる災難のようなものなのだ。

 そのようなロシアに対して西側が仕かけた経済制裁は、原油価格の下降、ルーブルの続落という現象を伴いながら、ロシア人の生活を蝕んでいる。この現象から、ロシアこそはウクライナ紛争の最大の被害者だ、という意識がロシア市民の間に蔓延している。

深刻さを増すロシア経済

仏露首脳会談、ウクライナ危機打開に向け協議
空港での会談を終え握手を交わすロシアとフランスの両首脳〔AFPBB News〕

 そして、経済指標がクレムリンも無視できない状況まで悪化してきたのがまさに12月のロシアなのである。

 日本ではあまり取り上げられなかったが、今年10月20日、深夜のモスクワ・ブヌコボ空港で露仏関係に重大な影響を与える航空機事故が発生した。

 国際石油資本トタルのクリストフ・ド・マルジェリ会長の搭乗したファルコン50EX機が離陸滑走中に除雪車と衝突し炎上、乗客4人全員が死亡した、という事故である。

 ド・マルジェリ会長はその日、ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相の開催した外国投資評議会に出席し、ロシアの置かれた立場を変えるには、従来の対応ではなく、高度な政治的判断によるロシアの積極的な和平への取り組みが必要であることを説いた。

 その一方で、ド・マルジェリ会長は、西側の対ロシア経済制裁に対して、強烈な批判を行い、すぐにもこのような反ロシア的政策を中止するべきだと各国首脳に進言していた。コメルサント紙は「ロシアにとって、クリストフ・ド・マルジェリとは何者だったのか」という特集を10月22日の1面で組み、氏を悼んだ。

 そして、12月6日、驚くべき光景が、まさに事故現場となったブヌコボ空港で展開された。

 フランスのフランソワ・オランド大統領がこの空港に降り立ち、それをプーチン大統領が迎え、空港外に出ることもなく、空港のVIP応接室で2時間以上も2人は話をしたのである。

 オランド大統領は、その日カザフスタン訪問を終え、パリに戻る帰路にあった。カザフのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領の勧めもあり、突然のロシア訪問を決めたという。

 ただ、ロシア側の報道によると、オランド大統領のロシア訪問を渇望したのは、プーチン大統領その人であり、一切の儀典なしでの空港での事務的対談となったようだ。

 この対談の模様を伝えるテレビニュースは、鮮明に2人の姿を映していた。当然、2人はド・マルジェリ氏の事故の話からスタートしたであろう。事故原因はまだ正式に発表されてはいないものの、除雪車のドライバーが酒酔い状態で滑走路に迷い出て、離陸機と接触したという説が一番広く語られている。

 ロシアは変わらねばならないと常に強調していたその人が、昔ながらのロシアの酔っ払いの犠牲になってしまったのだった。

 これに対し、プーチン大統領は何が言えるだろうか。会談を終え、2人の大統領はターミナルビルにあるVIP応接室から徒歩でオランド大統領の搭乗機へ向かった。その時のプーチン大統領の姿は、いつもの居丈高に周囲を睥睨する彼ではなかった。

 慈悲を乞うような表情を顔に浮かべながら、搭乗直前のオランド大統領の手を、プーチン大統領は両手で握った。 

 実は、この会談に関するニュースを集めてみたが、内容のあるものは見つからなかった。どれも会談内容は12月9日のミンスク会談において討議されるべき問題、という扱いであり、現時点で発表することはない、としている。

 しかし、経済的にここまで追い詰められたロシアとして、このまま手をこまぬいていることはプーチン政権にとり致命傷になる可能性がある。今回見せたフランスに対するロシアの対応に、そして、プーチン大統領の表情と仕草に、今後大きな変化がロシアの外交に出てくるのではないか、という期待が強まる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42431
 


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