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OPECの事情を無視したサウジの増産で原油価格が下落しているが、目的はロシアの収入源への打撃
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201410110000/
2014.10.11 17:46:25 櫻井ジャーナル
原油価格が下落している。ここ数年の間、1バーレルあたり110ドル前後で推移してきたのだが、サウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸諸国の増産で供給過剰になり、今年の夏に入って下がりはじめ、最近では90ドルを割ってしまった。
http://online.wsj.com/articles/oil-price-slump-strains-budgets-of-some-opec-members-1412952367
多くの産油国にとって低すぎる水準。アメリカ/NATOやペルシャ湾岸産油国を後ろ盾とし、イスラエルからも支援されていると見られているIS(イスラム国、ISIS、ISIL、IEILとも表記)との戦闘で戦費や治安対策の出費が膨らんでいるイラクは106ドル以上は必要だという。
アルジェリアの場合はリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制がアメリカ/NATOや湾岸産油国に倒されてから経費が膨らみ、現在は121ドルが限界。相場の引き下げを仕掛けているサウジアラビアも93ドルは必要だとされている。
サウジアラビアは自国の財政を無視して原油価格を引き下げていることになるが、その理由はイランやロシアへプレッシャーをかけるためだと見られている。それだけ両国、特にロシアの存在がアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」にとって目障りなのだ。
アメリカの世界制覇プランの前にロシアが立ちはだかり、シリアの体制転覆、あるいはウクライナの東/南部における民族浄化を妨害しているのがロシア。そうしたことを可能にしているのはロシアの石油/天然ガスの収入だと三国同盟側は考えているのだろう。
1991年12月にソ連が消滅した際、こうした展開を彼らは予想していなかったに違いない。その当時、アメリカの支配者たちは自分たちの国が「唯一の超大国」になったと認識、ネオコン(親イスラエル派/シオニスト)は「パクス・アメリカーナ」、つまりアメリカの権力者が世界を支配する「奴隷の平和」を実現するため、軍事力を使う意思を示した。
ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、ネオコンの大物、ポール・ウォルフォウィッツは1991年の段階でシリア、イラン、イラクを殲滅すると話していた。当時、ウォルフォウィッツはアメリカの国防次官だ。
http://www.youtube.com/watch?v=TY2DKzastu8
その翌年、国防総省ではドナルド・ラムズフェルド国防長官の下、ウォルフォウィッツ次官を中心にDPG(国防計画指針)の草案が作成された。
http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html
新たなライバルが育つことを防ぎ、石油利権を維持するために軍事力の増強するという方針を打ち出している。これがいわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」。
ところが、1992年の大統領選でジョージ・H・W・ブッシュはビル・クリントンに敗北、再選に失敗した。クリントン政権になるとホワイトハウスにおけるネオコンの影響力が大きく低下してしまう。
そうした中、ネオコンは1996年、イスラエルの首相になったベンヤミン・ネタニヤフに「決別:王国実現のための新戦略」という提言をしている。この提言で友好国として扱われてるのはトルコとヨルダン。これに対し、パルスチナやシリアを敵視、イラクからサダム・フセインを排除するべきだとしている。
そして2000年、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」に基づいてネオコン系シンクタンクのPNACは「米国防の再構築」というタイトルの報告書を公表した。その中で「アメリカの敵」とされた国は朝鮮、イラク、イラン、リビア、シリア。
報告書の執筆者にはウォルフォウィッツのほか、ウクライナでのクーデターを指揮しているビクトリア・ヌランド国務次官補の夫であるロバート・ケーガン、イラクを先制攻撃する前に偽情報を発信していたOSP(特別計画室)の責任者に就任するエイブラム・シュルスキー、DPGの作成にも参加したI・ルイス・リビーも含まれている。
この年の行われた大統領選でジョージ・W・ブッシュが当選するのだが、アル・ゴアを支持する人々への投票妨害が報告されているだけでなく、投票数のカウントに不正があった疑いが指摘されている。そして9月11日、ニューヨークの世界貿易センターに立っていた超高層ビル2棟へ航空機が突入、ワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、アメリカ国内がショックで呆然とする中、好戦的な雰囲気を高めて国外では侵略戦争、国内ではファシズム化が推進されていく。1980年代から計画されていた一種の戒厳令計画、COGが発動したわけだ。
2007年になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがニューヨーカー誌でアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの秘密工作を明らかにしている。
http://www.newyorker.com/magazine/2007/03/05/the-redirection
シリアとイランの2カ国とレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始したというのだ。ISの動きでもこの構図が生きている。
こうした展開になる上で重要な出来事がソ連の消滅。その過程でボリス・エリツィンが重要な役割を果たしている。彼は1991年6月にロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の大統領に就任、その2カ月後に「保守派のクーデター」を口実として実権を掌握、12月のソ連消滅につながる。
エリツィンの独裁体制に反発する議員を排除するため、1993年9月には憲法を無視して議会の解散を宣言、これをクーデターだと批判する議員は議会ビル(ホワイトハウス)に立てこもるのだが、エリツィンは戦車に議会ビルを砲撃させた。この攻撃で100名以上、議員側の主張によると約1500名が殺害されたいう。こうしたエリツィンの行為を西側は容認している。
その後、エリツィンが西側につながる一部の勢力と手を組み、国有資産を二束三文の値段で売り飛ばした。そうした誕生した富豪は「オリガルヒ」と呼ばれ、そうした勢力の中にはエリツィンの娘、タチアナ・ドゥヤチェンコも含まれている。その一方で庶民の生活はどん底へ突き落とされた。選挙では金融やメディアを支配する富豪たちがチームを編成し、資金と報道(プロパガンダ)の力で支配体制を維持しようとする。ちなみにエリツィン政権はオウム真理教と接触している。
それでも1999年になるとロシアは崩壊寸前の状態になり、エリツィンは大統領を辞任する。そして登場したのがウラジミール・プーチン。この人物はエリツィンや西側の思惑通りには動かず、主権をロシア人の手に取り戻していく。三国同盟はこのプーチンを何とかして排除しようとしている。
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