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対ロ制裁 米企業に影響
GM、ロシアで減産 宇宙防衛、調達見直し
【ニューヨーク=稲井創一、杉本貴司】米企業の間で、米欧が実施する対ロシア経済制裁の影響が出てきた。自動車や外食では生産・営業に支障が出ているほか、資源や宇宙防衛ではプロジェクトの中断・変更が相次いでいる。新興市場開拓の一環として米主要企業はロシアへの傾斜を強めていただけに、オバマ政権が対ロ強硬姿勢を強めれば企業収益の波乱要因になりかねない。
米ゼネラル・モーターズ(GM)はこのほど、ロシアで自動車の生産調整に着手した。ロイター通信によると、サンクトペテルブルク工場の月間稼働日数を9月は4日間に制限。10月も8日間にとどめ在庫を圧縮する。
欧州ビジネス協会(AEB)が発表したロシアの1〜8月の新車販売台数(乗用車と軽商用車)は前年同期比12.1%減った。ウクライナ危機や経済制裁の影響で主に中間層の間で買い控えが広がっており、7〜8月は減少幅が2割に達した。GMは11月以降も大幅な減産に追い込まれる可能性もある。
小売業界では米マクドナルドが8月末、ロシア当局から12店舗の営業停止を命じられた。当局は「衛生面での問題が見つかった」ことを理由に挙げるが、制裁へのロシア政府による対抗措置との見方が強い。
経済制裁が直撃しているのが資源分野だ。米石油大手エクソンモービルは今月19日、ロシア国営資源大手ロスネフチと進めていた北極海の資源探査を中断すると発表した。既に探査作業に着手していたが、米政府が対ロ制裁で掲げるエネルギー技術の輸出制限に抵触しかねないとして中止を要請した。
米政府の強硬な姿勢の背景には、ロスネフチのセチン社長がプーチン大統領側近で米で入国禁止対象者であることなども影響したとみられる。エクソンはロスネフチとサハリンなどロシア全土で協力しており、影響が広がる可能性がある。
防衛分野では米国製に回帰する動きも出てきた。偵察衛星などの打ち上げに使う米国の主力ロケット「アトラスV」はこれまでロシア製エンジンを採用していたが、米国のボーイングとロッキード・マーチンは国産エンジンの開発に乗り出す。
両社は米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が経営する宇宙開発事業会社ブルー・オリジンと組んで、新型エンジンの開発に着手する。
[日経新聞9月28日朝刊P.7]
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ロシアLNG事業継続 仏トタル、ドル以外を調達 シェールオイルは中断
フランス石油大手、トタル探鉱・生産部門のアルノー・ブルイヤック社長は日本経済新聞のインタビューに答え、米欧が制裁を科しているロシアで、液化天然ガス(LNG)事業を継続すると語った。米制裁の対象となるドル調達を回避し、ユーロやルーブルなどで資金を賄う考えも表明した。
トタルはロシアのガス2位ノバテクと同国北部ヤマル半島でLNGの開発を進める。欧州委との協議で欧州連合(EU)の制裁対象ではないことを確認したが、米政府による制裁の影響は残る。ブルイヤック氏は「ドル以外の資金調達を検討している」と表明。すでに欧州やロシア、中国などの銀行と協議を始めており、約270億ドル(約3兆円)の必要資金をユーロやルーブル、人民元で調達する。
同事業は2017年に生産が始まり、年間生産量は1650万トンと日本の輸入量の2割にあたる。ブルイヤック氏は「5割はアジア市場に輸出する」と述べ、日本や中国などが対象になるとの考えを示した。
一方、ロシア石油大手ルクオイルと開発に合意した西シベリアでのシェールオイル事業は「見直す」と語り、事実上中断すると説明した。
シェールガスについては、お膝元のフランスでは事実上採掘が禁止されている。ただ「将来は有望」として、事業拡大に意欲を示した。
既に英国やデンマークの鉱区の権益を取得したほか、中国の中国石油化工(シノペック)と組み、同国の宣城市付近シェールガスの探査を始めたことを明らかにした。
日本企業との協力については「アジアのエネルギー需要が伸びている今、死活的に重要だ」と指摘。9月29〜30日には日本で関係企業との協力拡大を話し合う方針だ。
(パリ=竹内康雄)
[日経新聞9月28日朝刊P.7]
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