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国内での感染者から検出されたウイルスの遺伝子配列は、マレーシアで確認された新型ウイルスと関係でどうなっているのだろうか?
転載するWSJの記事に拠れば、「仏医薬品会社サノフィパスツールは現在、ワクチンを開発中だ。アジアでの研究結果によると、同ワクチンのデング熱に対する予防効果は56.6%。DEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4に対する効果はそれぞれ50%、35%、78%、75%。ワクチンは早ければ2015年に東南アジアで使用可能になる可能性がある」となっている。
これまで、デング熱は別のウイルス型の抗体があることで重症化する傾向があることからワクチンの有効性が疑われ開発されなかったという経緯がある。
西アフリカで猛威をふるっているエボラ出血熱感染も、米国国防総省が“エボラ出血熱ウイルス拡散テロ”対策を名目に3億ドル(約300億円)の契約で治療薬を発注し、そのかたちが見え始めた(名称「ZMapp」)時期に起きている。
国防総省の予算で開発された「ZMapp」は、アメリカ人の患者ら3人に投与され、このうち2人が投与後に退院できるまでに回復したことから“特効薬”とも喧伝されたが、「ZMapp」の効果とは確認されていない。
(富士フイルムのインフルエンザ薬「アビガン」も動物実験をもとに効果が期待されている)
今回のエボラ出血熱ウイルス感染拡大は、型が違う複数のウイルスの“注入”によって引き起こされたようで、米国に移送され治療を受け回復した医療関係者二人も、医師(男性)が歩いて病院に入ったことでもわかるように、“軽い”エボラ出血熱に感染したと推測できる。
リベリアの首都モンロビアでは、エボラ出血熱に感染したマーク(腕輪)を付けた男性が街を動き回って騒動になったが、それも、非感染者の演技か、軽症のエボラ出血熱ウイルスに感染したかのいずれかだと思われる。
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マレーシアでデング熱感染が急増、死者は前年の4倍に―新型ウイルスが一因[WSJ]
2014 年 9 月 4 日 14:11 JST
【クアラルンプール(マレーシア)】マレーシアでデング熱の発生件数が急増し、今年に入ってからのデング熱による死者は前年同期の4倍近くに上っている。
マレーシアでは今年、8月30日時点でデング熱関連による死者は131人、感染者は6万8144人。前年同期は死者は38人、感染者は1万8923人だった。
感染者急増の理由にはさまざまな原因が挙げられているが、特に指摘されているのが、「DEN-2」と呼ばれる従来よりも毒性の強いデングウイルスの発現だ。
デングウイルスは雌のヤブ蚊によって媒介され、関節に激しい痛みが生じることから英語では「breakbone fever(骨痛熱)」とも呼ばれている。
デング熱について広範な研究を行っている米ブランダイス大学のドナルド・シェパード氏は「新型ウイルスが特定の地域に侵入すると、デング熱の感染者や死者が急増する。人々はその特定の血清型(ウイルス)に対する免疫力がないためだ」と述べた。
デングウイルスにはDEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4の4タイプがある。マレーシア保健省の病原媒介生物による疾患部門のロゼ・ナニ・ムディン氏は、2013年3月からDEN-3とDEN-4からDEN-2とDEN-1へのシフトが始まったと述べた。とりわけDEN-2は危険だという。
衛生の専門家によると、感染拡大の原因としてもう1つ考えられるのが、国内で人の移動が増えたことで、それによって国中にウイルスがばらまかれたという。
また、マレーシアは今年、例年よりも乾期が長く、突発的な大雨に見舞われるなど蚊が繁殖しやすい条件が整っている。
「ヤブ蚊は小さじ一杯ほどの水にも卵を産むことがある。一匹の蚊が産める卵の数は約100個だ。これらが全部ふ化し、大人の蚊になった場合を想像してみてほしい。1週間で100匹の蚊が誕生することになる」。ロゼ氏はこう説明した。
特に感染が深刻な地域が、都市部で人口密度の高いセランゴール州。農村部のケランタン州でも先月の連休期間に感染者が急増した。
デング熱は、雌のネッタイシマ蚊が感染した人間からデングウイルスを摂取したときに発生する。ウイルスは蚊の消化管を通って中腸に渡され、ウイルスは中腸と体内組織の中で複製される。約5日後、ウイルスが蚊の唾液腺に感染する。さらに、その蚊が人間を刺し、唾液からデングウイルスが転移する。
セランゴール州は全国で最も感染者数が多い。6月30日~8月30日の感染者は3万4404人、死者は51人と、前年同期の感染者8694人、死者10人と比較して急増している。その一因は人口密度が高く、ウイルスを持った蚊に刺される人が多いことにある。
一方、セランゴール州などのデング熱が発生しやすい地域で働く人たちが先月、イスラム教のラマダン(断食)開けを祝う連休で帰郷している。8月17日~23日の週にケランタン州で発生件数が急増したのは、そのためと研究者はみている。この週にケランタン州で報告されたデング熱感染者は1286人、死者は1人と、全国で最も発生件数が多かった。
デング熱に感染すると高熱やけいれん、嘔吐(おうと)などに見舞われる。特に治療法はなく、主な治療法は病院で水分補給を受けることだ。
仏医薬品会社サノフィパスツールは現在、ワクチンを開発中だ。アジアでの研究結果によると、同ワクチンのデング熱に対する予防効果は56.6%。DEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4に対する効果はそれぞれ50%、35%、78%、75%。ワクチンは早ければ2015年に東南アジアで使用可能になる可能性がある。
ロゼ氏は「DEN-2に対する予防効果35%は十分ではない」とし、「4タイプ全てに対する効果を85%にすることが目標だ」と述べた。
保健当局は差し当たり、周辺地域の清掃や殺虫剤の散布による蚊の駆除で対処している。しかし、当局によると、自治体による清掃への参加率は低く、デング熱感染はさらに拡大する可能性がある。
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